私達は仲良く異世界に転移されたけど国家建国生活は大変だそうですよ…

11月光志/11月ミツシ

伍長閣下目線、2章6話。【国連は国際最高機関だが、何かざるい】

 都市がある。
その都市の中央にガラス張りの巨大なビルというものが建っていた。

「お、これが国連島か…」
「あぁ、らしいな」

 国連がある国連島は、島ではなく一国家として独立している。
 つまり地球のどこかの国際機関や国際連合のようにどこかの国に本部があるわけではない。
 もちろん、国連島が国家なら国籍もある。この国籍を取ればヨシフが言っていた門まで行けるのだが、そう簡単に国籍を取れるわけではない。だから私たちは新国家の建国へと向かって言っているのだ…!が…

「なぁ、ヨシフよ。さっきから食いすぎじゃないかね」

 隣ではヨシフが牛の串焼きを美味しそうにほおばっている。
 中央にある国連本部までは一本道で行けるのだが、その道の周りには様々な露店、店などが並び客を寄せ付けている。
 ヨシフがおいしそうにくっちょる串焼きはこの一本道に入ってすぐに買ったものだ。
お金ないのだから、無駄使いするなよ…そんな私の警告っていうか忠告はヨシフには届いておらんだろ。

「ん…伍長君、食べたいのかね?」
「いや、いい」

 数分後、少々小高くなっているため、坂道を登ってきた私達は、ようやく国連本部の入り口前までやってきた。
 自動ドアが開き中に入る。

「ほぉ、これはこれは」

 ヨシフが驚くのもわかる。
 中は、図書館よりもかなりでかい。あれだ、図書館を学校の椅子だと例えると、ここは教室だな…すまない、余計に訳が分からんくなった。

『こちらは新国家建国案内所です。手続きをお願いします』

 紙が出てくる。
 だが、ここ新国家建国案内所は誰一人もいない。スタッフもいない、ロボットだけが唯一いる存在である。
 そのロボットから出てきた紙にはこのような内容が書かれていた。

・あなたたちの国籍、住所を書いてください。

・新国家の領土を記入してください。

・指導者名を最低2人記入してください。

・新国家の国名、国旗を記入してください。

「おい、ヨシフよ。最初のこれはどう書くのかね。」
「お、おそらくだが、何も書かずに提出すると…思うのだが」

 その言葉を聞き、大丈夫か…と心配になってしまった。だが、そうするしかない。
地球の住所を書いてもいいのだろうが、それを見た時、きょとんとされるのが目に見えている。
 私たちは机の上で記入始めた。



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