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私達は仲良く異世界に転移されたけど国家建国生活は大変だそうですよ…

11月光志/11月ミツシ

伍長閣下目線、1章3話【情報共有は彼らにとっての活力であった】

 何軒かのお店などを回った結果、想像以上に多くの有力な情報を数多く得られた。
 まとめると次のとおりである、

・ここは異世界、フェルトワンという星?世界らしい。

・今いる国はペルシアント王国、独裁国家、独裁政権が続いているらしい。

・この国には人間の他に獣人という人種もいるらしい。

・この星、世界の総面積や世界の広さは最先端科学をもってしても現段階では計測不明らしい。

 そして最後に意外と驚いたことがある。
 科学力が地球よりわずかながら上だった。わずかながらというが、私が最後に地球にいた時に比べれば最先端かつ最新鋭だが、聞けば地球より少々上なだけだそうだ。
 だが、私はあることが気になっていた。というのも、情報提供をしてくれた店主や通行人などのほとんどが元気がなくどこか何というか…疲れている形だった。
 しかし私はこの原因についてある程度察しをつくことが可能だった。
こう見えて長年一国家を治めていただけである。そしておそらくだが…

「「おそらくこの国は戦争をしている」」
「「なっ…?」」

 どうやら考え込んでいるうちに30分前までいたベンチに座っていたようだった。
 しかも隣にはヨシフが私と全く同じような顔をして座っていたのである。
 全く気が付かなかった私も私だが、第一ヨシフとそろってつぶやいたことにやや腹が立っていた仕方がないもの、だって仮想敵国どうしだったもの。

「なんだ、貴様いたのか」
「お前こそな。どうだ何かいい情報はあるか?」
「いや、基本的なことしか…」
「やはりか。こっちは一ついい情報を手に入れた」

 にんまりと笑いヨシフは話を続けた。その表情を見た私はヨシフを怪訝な顔で見ていた。
 ほうほう、そんなにいい情報か…。聞いてやろうではないか、その有力な情報とやらを…

「この星のどこかに噂ながら超大国と国際機関が共同管理している門があるそうだ、地球に帰還できるかもしれないぞ」
「なっ…!」

 その発言は私にとって空から爆弾が降ってくるよりも衝撃的かつ驚愕な情報だった。
 帰れないと思っていた母星、地球に帰還できる…。そう思うと胸が高まった次の言葉を聞くまでは…

「だがな、条件もある」
「な、何なんだ条件とは」
「まず、国際機関がある中立島または超大国の国籍を取得する必要がある。次に地球に戻って生活できるほどの財源食料が必要なこと、そしてその島まで行ける40万円もの大金があるかどうか…必要条件はまだあるそうだがこれがあればなんとかなるだろう」
「なるほど…………うん?円だと…!この国の通貨は円なのか?!」

 円…かつて私が治めていた国の友好国、東洋日本。その国の通貨は円と聞いたことがある。
 実際、駐日大使の話によると、戦争により貧困も目立つが、国民にはそれを補うほどの活力があるそうだ。

「ああ、そうだ。この国…というかこの世界は丸まる日本圏。言語も通貨も日本のものだ」
「そ、そうか」

 まさか地球とのつながりがこんな感じで出てくるとは…
 私は驚愕で言葉を失った。


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