チート仮面と世界を救え、元英雄の異世界サバイバル救国記
第五十一話 突入準備
中継地点では寅人の若者4名がメリウス達を迎えてくれてた。
「メリウス様、フー大老!」
「おお、お勤めご苦労じゃな」
「今日は支援物資を持ってきました。ゆっくりと休んでください」
カインは酒瓶を取り出すと若い者たちが色めきだつ。
この中継地点ではある程度の戦闘能力を持つものが4人一組で交代して守っている。
中継地点とは言ってもいずれは村にする予定なので、かなりしっかりとした防壁と中心となる建物は作られている。
守る青年たちの装備も現状では最高の物を持っている。
撤退用の足として騎乗用ビッグマウスも準備されている。
基本的な役目は戦闘による赤目の侵攻を防ぐ、ということではなく、敵の本拠地方面からの異変にいち早く気がついてそれを村へと伝えることだ。
戦闘では無理をせず、少しでも危険であれば施設を放棄しての撤退が許可されている。
「やはり屋根があると落ち着きますな」
「たしかに。次の中継点までは2日、今日はゆっくり休みましょう。
さぁフー大老まずは一杯」
「おお、すまないなカイン。メリウス殿もいかがかね」
「頂きます」
「3人共飲み過ぎちゃ駄目だよ~」
「そしたら皆さんもどうぞ、すぐに料理も作りますから」
「シャロンも一緒に飲んでてください。今日はボクが作りたいものがあるので」
「そうそうシャロン、一緒に飲もーカインに任せちゃおう」
「あ、ありがとうございます」
綺麗どこもいて4人の青年たちのテンションはマックスだ。
青年と言ってもまだ2歳くらいなんだが、肉体的精神的成熟が加護によって早くなっているのだ。
人口数が低下している状態だけの緊急的な加護と言える。
しばらく簡単なツマミやマリネなどで食事を楽しんでいると、素晴らしい香りが食卓へと漂ってくる。
「お待たせしました。牛ヒレ肉のローストビーフ、それにサーロインステーキです」
獣人と動物は完全に別物。それが獣人達の考え方だ。
もと丑人であっても、牛は別物、食べることも忌避感はない。
「凄いなこれは!」
「こっそり熟成しておいたのがいい感じになりまして、前回はかなり厳しい戦いになりましたし、精をつけて挑もうかと思いまして! 次の中継点でも秘策がありますのでお楽しみに」
カインはできる男だった。
「う、旨い!!」
「くはーーーー!! 中継点務めでよかったー!!」
「ぬぬぬ、おにーちゃん、やるな」
「とっても美味しいですカインさん!」
皆も大絶賛だ。
塩と香辛料を肉にかけ、水が出ないうちにすぐに油を引いたフライパンで、表面は軽く焼き目をつける。
それから香草と味付けを丁寧に表面に刷り込む。
内臓を包み込む脂肪の網で巻き込む。
それを塩と卵白を泡立てたもの、小麦を入れて肉を包み込む。
そのままオーブンへ入れて弱火でしっかりと火を入れる。
塩釜を壊して肉を取り出せば、中はうっすらとピンク色の絶品のローストビーフの完成だ。
驚くほど柔らかい肉質、噛みしめると肉汁と香草、絶妙な塩味が混ざり合い口の中に楽園を広げる。
「素晴らしいな、ステーキも絶妙な焼き具合、驚くほど柔らかく脂身もたっぷりなのに決して重くない。
いくらでも食べれてしまうな……」
さらに最近ぐんぐんと品質をあげている赤ワインとの相性は筆舌に尽くしがたい。
余談だが、赤ワインなど熟成を必要とする物に闇の魔石を利用する裏技がある。
バッドステータスである老いをよわーく当てることで時間経過を短くすることができる。
魔道具のいろいろな使い方の開発は子人達が積極的にやってくれていた。
「いやー……至福の時じゃった……」
「うまく出来て良かったです」
「最高だよカイン。あれは素晴らしい物だった」
「お腹いっぱいになったら眠くなっちゃったーみんなおやすみ~」
「ちょっとプリテちゃん自分で歩いてよー、もー変なとこ揉まないでー」
二人の悪戯している光景に青年たちはドギマギとしてしまう。若さというものは仕方ない。
「私達も休むとしましょうか。明日もまた牛車に揺られる旅です」
「うむ、また明日だな」
翌朝、中継地点では狼煙が上げられている。
次の拠点へのサインだ。
「メリウス様、どうぞお気をつけて!」
「皆もお役目ご苦労! 十分気をつけてな!」
「うむ、何が起きるかわからんから十分に備えるんじゃぞ」
「はい!」
4人はメリウスたちが見えなくなるまで必死に手を振って送り出してくれた。
その後の道中も大きな問題も起きず、順調そのものだった。
そして、最後の中継点でゆったりと最後の休憩をとったメリウス達は目的地である谷間の砦へとたどり着いた。
谷の両側に切り立った山岳部、その中腹に赤目が守る入り口がある。
メリウス達は全体を見通せる森から状況を把握していた。
「何種類もの動物型赤目が守っています」
「今までの外にいる奴らより強力、さらにチームで動いている」
カインとプリテが状況を調べてくれている。
メリウス達も状況を把握しやすい場所に牛車を隠し、牛にたっぷりと牧草と水を置いておく。
「プリテ、シャロン、いつもどおりの手で行こう。俺達は迂回して山側から接近する。
二人の射撃に合わせて見張りを始末する」
「わかったー」「わかりました」
「それじゃぁフー大老、カイン、行くとしようか」
「うむ」「はい!」
森を音もなく移動し、山岳部の背後へと回り込む。
そこから慎重に入り口に接近していく。
カインとプリテがタイミングを合わせていく。
「メリウス様、いつでも……」
「よし! 行こう!」
見張りの赤目は5体、熊が二体、狼三体。
プリテとシャロンの弓は見事に狼の頭部に突き刺さる。
同時に飛び出したメリウス、カインの刃が熊の首を一刀のもとに切り落とす。
残った狼は音もなくフーに首をへし折られる。
素早く魔石を処理してプリテとシャロンも合流する。
あっという間の早業だ。
「よし、進もう」
洞窟の入口には踏むとパキパキと音のなる砂を撒いておく、こうすることであとから洞窟に入ってきたものが居た場合、カインやプリテが気が付きやすくなる。
背後からの不意打ちを防ぐ工夫だった。
こうしてメリウス達の洞窟探索が開始される。
「メリウス様、フー大老!」
「おお、お勤めご苦労じゃな」
「今日は支援物資を持ってきました。ゆっくりと休んでください」
カインは酒瓶を取り出すと若い者たちが色めきだつ。
この中継地点ではある程度の戦闘能力を持つものが4人一組で交代して守っている。
中継地点とは言ってもいずれは村にする予定なので、かなりしっかりとした防壁と中心となる建物は作られている。
守る青年たちの装備も現状では最高の物を持っている。
撤退用の足として騎乗用ビッグマウスも準備されている。
基本的な役目は戦闘による赤目の侵攻を防ぐ、ということではなく、敵の本拠地方面からの異変にいち早く気がついてそれを村へと伝えることだ。
戦闘では無理をせず、少しでも危険であれば施設を放棄しての撤退が許可されている。
「やはり屋根があると落ち着きますな」
「たしかに。次の中継点までは2日、今日はゆっくり休みましょう。
さぁフー大老まずは一杯」
「おお、すまないなカイン。メリウス殿もいかがかね」
「頂きます」
「3人共飲み過ぎちゃ駄目だよ~」
「そしたら皆さんもどうぞ、すぐに料理も作りますから」
「シャロンも一緒に飲んでてください。今日はボクが作りたいものがあるので」
「そうそうシャロン、一緒に飲もーカインに任せちゃおう」
「あ、ありがとうございます」
綺麗どこもいて4人の青年たちのテンションはマックスだ。
青年と言ってもまだ2歳くらいなんだが、肉体的精神的成熟が加護によって早くなっているのだ。
人口数が低下している状態だけの緊急的な加護と言える。
しばらく簡単なツマミやマリネなどで食事を楽しんでいると、素晴らしい香りが食卓へと漂ってくる。
「お待たせしました。牛ヒレ肉のローストビーフ、それにサーロインステーキです」
獣人と動物は完全に別物。それが獣人達の考え方だ。
もと丑人であっても、牛は別物、食べることも忌避感はない。
「凄いなこれは!」
「こっそり熟成しておいたのがいい感じになりまして、前回はかなり厳しい戦いになりましたし、精をつけて挑もうかと思いまして! 次の中継点でも秘策がありますのでお楽しみに」
カインはできる男だった。
「う、旨い!!」
「くはーーーー!! 中継点務めでよかったー!!」
「ぬぬぬ、おにーちゃん、やるな」
「とっても美味しいですカインさん!」
皆も大絶賛だ。
塩と香辛料を肉にかけ、水が出ないうちにすぐに油を引いたフライパンで、表面は軽く焼き目をつける。
それから香草と味付けを丁寧に表面に刷り込む。
内臓を包み込む脂肪の網で巻き込む。
それを塩と卵白を泡立てたもの、小麦を入れて肉を包み込む。
そのままオーブンへ入れて弱火でしっかりと火を入れる。
塩釜を壊して肉を取り出せば、中はうっすらとピンク色の絶品のローストビーフの完成だ。
驚くほど柔らかい肉質、噛みしめると肉汁と香草、絶妙な塩味が混ざり合い口の中に楽園を広げる。
「素晴らしいな、ステーキも絶妙な焼き具合、驚くほど柔らかく脂身もたっぷりなのに決して重くない。
いくらでも食べれてしまうな……」
さらに最近ぐんぐんと品質をあげている赤ワインとの相性は筆舌に尽くしがたい。
余談だが、赤ワインなど熟成を必要とする物に闇の魔石を利用する裏技がある。
バッドステータスである老いをよわーく当てることで時間経過を短くすることができる。
魔道具のいろいろな使い方の開発は子人達が積極的にやってくれていた。
「いやー……至福の時じゃった……」
「うまく出来て良かったです」
「最高だよカイン。あれは素晴らしい物だった」
「お腹いっぱいになったら眠くなっちゃったーみんなおやすみ~」
「ちょっとプリテちゃん自分で歩いてよー、もー変なとこ揉まないでー」
二人の悪戯している光景に青年たちはドギマギとしてしまう。若さというものは仕方ない。
「私達も休むとしましょうか。明日もまた牛車に揺られる旅です」
「うむ、また明日だな」
翌朝、中継地点では狼煙が上げられている。
次の拠点へのサインだ。
「メリウス様、どうぞお気をつけて!」
「皆もお役目ご苦労! 十分気をつけてな!」
「うむ、何が起きるかわからんから十分に備えるんじゃぞ」
「はい!」
4人はメリウスたちが見えなくなるまで必死に手を振って送り出してくれた。
その後の道中も大きな問題も起きず、順調そのものだった。
そして、最後の中継点でゆったりと最後の休憩をとったメリウス達は目的地である谷間の砦へとたどり着いた。
谷の両側に切り立った山岳部、その中腹に赤目が守る入り口がある。
メリウス達は全体を見通せる森から状況を把握していた。
「何種類もの動物型赤目が守っています」
「今までの外にいる奴らより強力、さらにチームで動いている」
カインとプリテが状況を調べてくれている。
メリウス達も状況を把握しやすい場所に牛車を隠し、牛にたっぷりと牧草と水を置いておく。
「プリテ、シャロン、いつもどおりの手で行こう。俺達は迂回して山側から接近する。
二人の射撃に合わせて見張りを始末する」
「わかったー」「わかりました」
「それじゃぁフー大老、カイン、行くとしようか」
「うむ」「はい!」
森を音もなく移動し、山岳部の背後へと回り込む。
そこから慎重に入り口に接近していく。
カインとプリテがタイミングを合わせていく。
「メリウス様、いつでも……」
「よし! 行こう!」
見張りの赤目は5体、熊が二体、狼三体。
プリテとシャロンの弓は見事に狼の頭部に突き刺さる。
同時に飛び出したメリウス、カインの刃が熊の首を一刀のもとに切り落とす。
残った狼は音もなくフーに首をへし折られる。
素早く魔石を処理してプリテとシャロンも合流する。
あっという間の早業だ。
「よし、進もう」
洞窟の入口には踏むとパキパキと音のなる砂を撒いておく、こうすることであとから洞窟に入ってきたものが居た場合、カインやプリテが気が付きやすくなる。
背後からの不意打ちを防ぐ工夫だった。
こうしてメリウス達の洞窟探索が開始される。
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