チート仮面と世界を救え、元英雄の異世界サバイバル救国記
第六十話 新たな仲間
牛車は幌を落とせばトンネルを通過できることが分かった。
物資輸送に牛車が使えるのと使えないのは雲泥の差があったので一安心だ。
「あ、トンネル魔石で広げて補強もしておきました。
入口は擬装用の上っ面と扉に変更しておきました」
仕事のできる男カインによって牛車も楽々通過できる快適なものに変更されていた。
「とりあえず持ってきた資材で倉庫と集会所を作ろうか」
メリウスたちは手慣れた手つきで建築を進めていく。
シャロン、プリテは牛車で砦へと資材のお代りを取りに行く。
一面草原で資材面では期待できないこの国はそうして発展させていく。
天然の砦の形態をとっているこの村にしっかりとした生活基盤を構築していく。
初日の夜、村人と杯を交わせば、きっと村に変化は訪れるだろう。
「それではささやかではありますが、卯の村、ラビテ村と私たちの村の交友を祝って。
かんぱーい」
ラビテ村には住人は30人ほどの村人が生活していた。
地中の虫や、草原に点在する果実、きのこ、牧草などを主体とした食生活を送ってきた村人にとって、メリウスたちが持ってきてくれた数々の食材は夢のようだった。
兎は草食動物だが、獣人はどちらかと言えば人に近い食生活を必要とする。
もちろん兎と同じように牧草からも栄養を得られるので、この草原地帯でも生き残れたといってもいい。
「このような立派な家具の数々に、文字通り家まで……改めて村を代表してお礼を申し上げます」
「そんなにかしこまらないでください。これからは建築などにも村の人々のお力をお借りしますから」
村長は若い村人たちが嬉しそうに食事をほおばっている姿を幸せそうに見つめていた。
メリウスは村長とはいってももこもこの獣人を撫でたい欲求をぐっと我慢していた。
同時に、明日になったら人の姿になってしまうのかと、少し寂しかった。
このかわいらしい村人の姿を目に焼き付けておこう。
メリウスたち一同はぎらぎらとした目で村人たちを見ていたため、後日、取って食われるのかと思った。と誤解されてしまった。特にフーの目が怖かったそうだ。
「め、メリウス様!プリテ様になんとか言ってください!
もう、もみくちゃにされて……」
「どこいった~~~」
「ひぃ!」
村長の横にいた真っ白のモフモフの一人。アンとドワのアンの方だ。
プリテに気に入られてずっと膝の上でなでなでされ続けてさすがに逃げてきたようだった。
「そっかー、大変だなぁ(棒)」
メリウスはチャンス到来とばかりにがっしりとアンをつかみ膝の上に乗せる。
そのまま優しくほわほわの毛をなでなでする。
「め、メリウス様?」
「いやぁ、なに。守ってやらんとなぁ……ほわぁ~」
極上のふわふわである。
メリウスも恍惚とした表情で一心不乱に撫で続ける。
「め、メリウス様、メリウス様! ……ちょっと、あんまり、そこは……男性ですから……」
アンは最初は抵抗するもののだんだんとおとなしくなってしまう。
メリウスは気が付かないうちにいろいろとやらかしていたのだが、それがわかるのは少し先になる。
アンを見失ったプリテは代わりにドワをとらえて満足していた。
------翌朝------
「うわああああぁぁぁぁぁぁ!!」
メリウスの叫び声で村人たちは起こされるハメになってしまった。
「朝から騒々しいよメリウス……あっ……ふーん……」
「どうされたのですかメリウス様! あっ……酷いです……」
「ち、違うんだ二人共!! これは、起きたら、気がついたら!」
「メリウス、プリテは気にしないよ……英雄色を好む。なのです」
「そ、そうですよね。こういうことを気にしていたらメリウス様のお側にはいられません!
私も気にしません!」
「だ、だから誤解だよ!!」
「ふむふむ、誤解と言っても素っ裸で二人も抱きかかえていては説得力がないのぉ……
ホッホッホ。お盛んなことじゃのぉ~」
目が覚めたメリウスを待っていたのは、二人の幼子にしか見えない子供がピッタリと寄り添って寝ているという理解できない現状だった。
「「あ、メリウス様おはようございます」」
「ああ、おはよう。じゃなくて、これは一体全体どうなってこうなってるんだ?」
「私達、アン、ドワ。メリウス様にお使えするためにご寝所に罷り越しました」
「ま、罷り越しましたって……なんで裸なの?」
「その方が喜ぶってプリテ様が……それに、メリウス様の身体……逞しくて、僕もドワも憧れちゃいます……」
「プリテが?」
素っ頓狂な声にプリテは我慢できなくなってしまう。
「プークスクス、メリウスめっちゃ慌ててたクスクス、二人は男の子、卯の村の御子たる存在。
戦う力無きともメリウスとの縁を結びし者。
あとはこの地に眠る御神像を取り戻すだけ、ついでに卯の民の加護は細工加工の加護。
細かな作業は彼らに任せればいい」
「なるほど……って、真面目モードで誤魔化そうとしてないかプリテ?」
「さー何の話でしょー?」
「ぐぬぬ……」
「さらに言うなら、この場はうちらの民に任せてもう一つの大陸へと急いだほうがいい。
辰の民が待っている」
「ず、ずるいぞプリテ、人を弄んどいておいてそういう重要な話をするのは!」
「ククク、メリウスもまだまだじゃな!」
「そうだったの、メリウス様は男色も……」(小声)
一名盛大に勘違いをしていたが、メリウス達はラビテ村の整備は仲間たちに任せ、もう一つの大陸へと急ぐことになる。
丑の国ノタ村から北上し、砦より新大陸へと急ぐ。
「これからはアン、ドワが牛車を護ります。
戦う力はなくとも魔石の扱いと危機察知能力は人一倍です!」
プリテの助言でアンとドワも同行する。
旅の仲間に可愛らしい双子の兄弟が増えた。
アンは真っ白な髪でクリクリとした大きな茶色の瞳。
ドワは真っ黒な髪でクリクリとした大きな茶色の瞳。
背は低いし、まるで少年のようだけどこれでも成人一歩手前だ。
見た目では分からないが、強力な脚力を利用して風のように駆ける。
蹴り技も使えるが、基本的には戦いを好まない。
サポートとしてメリウス達を支えていくことになる。
こうして新たな仲間が増えたメリウス一行。
慌ただしく新大陸へと突入していく。
物資輸送に牛車が使えるのと使えないのは雲泥の差があったので一安心だ。
「あ、トンネル魔石で広げて補強もしておきました。
入口は擬装用の上っ面と扉に変更しておきました」
仕事のできる男カインによって牛車も楽々通過できる快適なものに変更されていた。
「とりあえず持ってきた資材で倉庫と集会所を作ろうか」
メリウスたちは手慣れた手つきで建築を進めていく。
シャロン、プリテは牛車で砦へと資材のお代りを取りに行く。
一面草原で資材面では期待できないこの国はそうして発展させていく。
天然の砦の形態をとっているこの村にしっかりとした生活基盤を構築していく。
初日の夜、村人と杯を交わせば、きっと村に変化は訪れるだろう。
「それではささやかではありますが、卯の村、ラビテ村と私たちの村の交友を祝って。
かんぱーい」
ラビテ村には住人は30人ほどの村人が生活していた。
地中の虫や、草原に点在する果実、きのこ、牧草などを主体とした食生活を送ってきた村人にとって、メリウスたちが持ってきてくれた数々の食材は夢のようだった。
兎は草食動物だが、獣人はどちらかと言えば人に近い食生活を必要とする。
もちろん兎と同じように牧草からも栄養を得られるので、この草原地帯でも生き残れたといってもいい。
「このような立派な家具の数々に、文字通り家まで……改めて村を代表してお礼を申し上げます」
「そんなにかしこまらないでください。これからは建築などにも村の人々のお力をお借りしますから」
村長は若い村人たちが嬉しそうに食事をほおばっている姿を幸せそうに見つめていた。
メリウスは村長とはいってももこもこの獣人を撫でたい欲求をぐっと我慢していた。
同時に、明日になったら人の姿になってしまうのかと、少し寂しかった。
このかわいらしい村人の姿を目に焼き付けておこう。
メリウスたち一同はぎらぎらとした目で村人たちを見ていたため、後日、取って食われるのかと思った。と誤解されてしまった。特にフーの目が怖かったそうだ。
「め、メリウス様!プリテ様になんとか言ってください!
もう、もみくちゃにされて……」
「どこいった~~~」
「ひぃ!」
村長の横にいた真っ白のモフモフの一人。アンとドワのアンの方だ。
プリテに気に入られてずっと膝の上でなでなでされ続けてさすがに逃げてきたようだった。
「そっかー、大変だなぁ(棒)」
メリウスはチャンス到来とばかりにがっしりとアンをつかみ膝の上に乗せる。
そのまま優しくほわほわの毛をなでなでする。
「め、メリウス様?」
「いやぁ、なに。守ってやらんとなぁ……ほわぁ~」
極上のふわふわである。
メリウスも恍惚とした表情で一心不乱に撫で続ける。
「め、メリウス様、メリウス様! ……ちょっと、あんまり、そこは……男性ですから……」
アンは最初は抵抗するもののだんだんとおとなしくなってしまう。
メリウスは気が付かないうちにいろいろとやらかしていたのだが、それがわかるのは少し先になる。
アンを見失ったプリテは代わりにドワをとらえて満足していた。
------翌朝------
「うわああああぁぁぁぁぁぁ!!」
メリウスの叫び声で村人たちは起こされるハメになってしまった。
「朝から騒々しいよメリウス……あっ……ふーん……」
「どうされたのですかメリウス様! あっ……酷いです……」
「ち、違うんだ二人共!! これは、起きたら、気がついたら!」
「メリウス、プリテは気にしないよ……英雄色を好む。なのです」
「そ、そうですよね。こういうことを気にしていたらメリウス様のお側にはいられません!
私も気にしません!」
「だ、だから誤解だよ!!」
「ふむふむ、誤解と言っても素っ裸で二人も抱きかかえていては説得力がないのぉ……
ホッホッホ。お盛んなことじゃのぉ~」
目が覚めたメリウスを待っていたのは、二人の幼子にしか見えない子供がピッタリと寄り添って寝ているという理解できない現状だった。
「「あ、メリウス様おはようございます」」
「ああ、おはよう。じゃなくて、これは一体全体どうなってこうなってるんだ?」
「私達、アン、ドワ。メリウス様にお使えするためにご寝所に罷り越しました」
「ま、罷り越しましたって……なんで裸なの?」
「その方が喜ぶってプリテ様が……それに、メリウス様の身体……逞しくて、僕もドワも憧れちゃいます……」
「プリテが?」
素っ頓狂な声にプリテは我慢できなくなってしまう。
「プークスクス、メリウスめっちゃ慌ててたクスクス、二人は男の子、卯の村の御子たる存在。
戦う力無きともメリウスとの縁を結びし者。
あとはこの地に眠る御神像を取り戻すだけ、ついでに卯の民の加護は細工加工の加護。
細かな作業は彼らに任せればいい」
「なるほど……って、真面目モードで誤魔化そうとしてないかプリテ?」
「さー何の話でしょー?」
「ぐぬぬ……」
「さらに言うなら、この場はうちらの民に任せてもう一つの大陸へと急いだほうがいい。
辰の民が待っている」
「ず、ずるいぞプリテ、人を弄んどいておいてそういう重要な話をするのは!」
「ククク、メリウスもまだまだじゃな!」
「そうだったの、メリウス様は男色も……」(小声)
一名盛大に勘違いをしていたが、メリウス達はラビテ村の整備は仲間たちに任せ、もう一つの大陸へと急ぐことになる。
丑の国ノタ村から北上し、砦より新大陸へと急ぐ。
「これからはアン、ドワが牛車を護ります。
戦う力はなくとも魔石の扱いと危機察知能力は人一倍です!」
プリテの助言でアンとドワも同行する。
旅の仲間に可愛らしい双子の兄弟が増えた。
アンは真っ白な髪でクリクリとした大きな茶色の瞳。
ドワは真っ黒な髪でクリクリとした大きな茶色の瞳。
背は低いし、まるで少年のようだけどこれでも成人一歩手前だ。
見た目では分からないが、強力な脚力を利用して風のように駆ける。
蹴り技も使えるが、基本的には戦いを好まない。
サポートとしてメリウス達を支えていくことになる。
こうして新たな仲間が増えたメリウス一行。
慌ただしく新大陸へと突入していく。
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