ハガルの雨

Huyu.

黄枯茶と全て


 蝶、それはこの世を去ろうとする少女のように可憐に舞う
 飛べなかったのは雨のせいじゃない
 蝶は誰にも知られることなく、秘密に微笑んだ

 夢、それは縛り付けられた家畜のように いつも私たちの隣に
 夢を諦めることさえ許されない家畜は 一体どこに夢を抱けばいいのだろうか

 夜明け、それは答えを追い求める少年のように曖昧で
 見下ろす世界に全てを託してつぶやく

 斜陽、それは蝶に恋した最後の光
 儚く悲しい恋はすぐに終わりを迎える

 振動、それは0と1じゃ伝わらない 通じ合う声との格差
 まだ始まってもいないのに、もう終わったかのようだ

 雨粒、それは全てをつないだ過去の記憶
 人は常に過去に生きている
 今という感覚を知ることの出来ない私たちは 一体どこに生きればいい


 絡まって離れない空間と時間
 どこか一箇所を思い切り引っ張ったら、するりと解け始めた
 そんなことは無いのだろうか

 空間があるから時間がある
 そうだとしたら、思い切り引っ張ったそれは世界を終わらせる悪夢だろうか

 いや、新しい世界を始める新たな悪夢だろう

 そしてハガルの雨は、いつか私たちの頭上に降り注ぐ

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