ハガルの雨
木蘭と針
 与えられたモノが多すぎてしまったんだ
 僕らは大変な時代に生まれたものだ
 多すぎるモノの中から新しい何かを探さなくてはならない
 それは藁の中にまぎれた針のように僕らを待っている
 
 終わりの見えないその作業に飽きてしまったんだ
 どうせ与えられたモノの中からでも幸せは見つかる
 幸せなんてモノはそこらじゅうに落ちている
 怠けたこの世界に
 僕らはただ一人として疑問を抱かない
 僕ら人間はこの世界を汚染し
 その汚染に汚染されたどうしようもなく退屈な生き物なんだ
 でも僕らは生きてる
 情けないほど退屈でも僕らは生きてる
 地球のひとかけの感動を目撃して笑ったり
 僕ら同士喧嘩して落ち込んだり
 ちょっとくらいいいじゃないか
 情けないほど退屈な生き物でもいいじゃないか
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