ハガルの雨
生成と斜陽
 白い息と唸る風
 斜陽と重なり合った君は、今もここに居るみたいに鮮明で
 この手を広げれば今すぐ飛び込んできそうなくらい温かくて
 
 寒いね
 そう言って笑った君の顔
 きっと泣いていた
 
 またね
 そう言って振った君の手
 きっとかじかんでいた
 
 これが最後なんだ
 もうこれで本当に最後なんだ
 白い息と斜陽に重ねた僕の手
 寒いな
 そう言って泣いた
 
 またね
 そう言って握った君の手
 すごく冷たかった
 もう遅いんだ
 これで終わりなんだ
 君は儚く
 そして今も美しい
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