異世界スロータイム
序話
少し前に、テレビで見たか何かで読んだかであった話だけど。
人が想像できるものは、実現できるんだって。
なるほど……。
たしかに、人が想像できるものは現実に起こるものなんだなぁと……
目の前に広がる光景に、妙に納得してしまった。
この日。
高校に入学して早一ヶ月。
GWに突入して、学校は休みだけど部活は朝からあるので、登校するために最寄りのバス停でバスを待っていた。
夏日の予報で朝からすでに暑い……。
バスを待つ間にもうっすら汗ばんで、早くバスがこないかな〜と思っていると。
チリ〜ン……
どこからか風鈴の涼しい音。
まだ五月になったばかりなのに、ちょっとフライングじゃない?と思いつつ、この暑さならOKかもと音の出所を見まわす。
チリ〜ン……
音はするけど、どこのお宅にも風鈴は見当たらない。
見えないところに吊るされているのかな?
見回してる間にバスがやってきた。
けど、スピードが落ちない?あれ?止まらないの?
私の他にも何人もバス停に並んでいるのに止まらないのかと不思議に思っていると、フラッと目眩がして、世界がスローモーションになった……
チリ〜ン……
目の前をゆっくりとバスが通り過ぎる……
と!
開けた視界の先は、見渡す限りの草原だった!
で、冒頭に戻る……。
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