冒険者は最強職ですよ?
俺、冒険者だってよ.... 4
ジンたちは急いで赤毛で帽子を被った女の子を追った。
段々と距離を詰めていくが、街の大通りに入ると女の子は人の間をひょいひょい、と軽快に進んでいく。ジンたちは体が大きい故、「すいません! 通してください!」と言いながら女の子を追う。
ジンたちは一瞬女の子を見失うが、ランは女の子が細い道に入っていく所を目撃し、「ジンさんあそこの細い路地に入りました!」と言い、ジンたちは女の子を追いかけ細い路地に入る。暫く細い路地が続いていたのだが、女の子が曲がった先は壁があり行き止まりだった。
ジンたちもそこに追いつき逃げ道を無くす。
ジンは走り疲れて息が上がっているがランは余裕の表情であった。
そして息を切らしながらもジンが女の子に話しかける。
「よし……追いついた……はぁ……とりあえずその袋を……返して……」
「嫌だ! お金が必要なんだ!」
「頼むよ……その中には大事なものがいくつもあるんだよ」
「嫌だ! 絶対返さない。こうなったら……」
と言うと女の子は懐からナイフを取り出す。
その手は震えていた。そして頬に汗が垂れていた。
ジンとランはなぜそこまでお金を欲しがるのかが気になり、顔を見合わせてから女の子に質問する。
「なんでそんなにお金が必要なんだ?」
「お金を持っていかないと、黒い服を来た男の人たちがまた来てお父さんとお母さんを殴るから……」
「……それは本当?」
「本当……だからお金が必要……」
二人は何かまずいことになっていると察した。
「わかったわ、とりあえずナイフはしまって。そして私たちも協力するわ」
「本当? 手伝ってくれるの?」
「えぇ、手伝うわ」
そういうと女の子の表情が明るくなりナイフをしまう。そして盗んだ袋もジンに返す。
ジンはホッとした。
「とりあえず何故そうなったのかの理由を聞こうかしら。あなた名前は?」
「ネイン、ネイン=メイト」
「私達はジンとランよ。よろしくね!」
「うん! よろしくね、ジンお兄ちゃん! ランお姉ちゃん!」
自己紹介をした後は事情を聞いた。
「大体はわかったわ……とりあえずその黒い服の人達を追うのがいいのかしら……」
「そうですね……ですがいつ現れるかもわかりませんし……」
「それならわかる。昨日来たばっかだったんだけど、帰るときにまた明日の夜に来るって言ってた」
「本当か! なら今日はネインの家に行ってもいいか?」
「わかった! お父さんとお母さんは働いてて帰るのはいつも六時すぎなの。だから今は家には誰もいないの」
「そうか……だから一人でいるんだな……でもいいか? もう盗みは絶対だめだぞ? 大事なもの盗んでしまったらそれこそ黒い服の人たちと同じになっちゃうぞ? だからもうやらない事! わかった?」
「うん! 絶対やらない!」
ジンとネインは約束をしてその場を後にした。
ネインの両親が帰ってくるまでは時間があったが、早めにネインの家へ向かった。ネインの家へ向かう途中ジンたちはネインの事について聞いた。年齢は13歳、種族は人族、職業は十八歳からでないとなれないので職業はまだない。
「そういえば聞いてなかったんですがランさんって種族は何ですか?」
ジンがそう聞くとランはそのばで歩くのを止める。
「どうしたんですか? ……ランさん?」
ランは少し時間を置いてから答えた。
「……ジンさんは私の家に置いてある本を読みましたよね? その中に忌み嫌われる存在があるというのは読みましたか?」
「あぁ、読みましたよ! なんでしたっけ? 違う種族間で産まれた子供だとかでしたっけ?」
ジンがそういうとランはなぜか俯いてしまう。
「ランさんそれがどうかしたんですか?」
ジンがそう質問するとランは少し間を開けてから答える。
「私はエルフと人族の間に生まれたの」
その言葉にジンは言葉を失う。
ランは耳のあたりの髪の毛を上げ、耳をジンに見せる。それはエルフ族特有の形をした耳だった。
「それは……エルフ族がもつ耳……」
「そう。私の父は人族で母はエルフでした。ある日、傷ついたエルフ族の母を私の父が助けたそうです。それから密かに会うようになり、二人隠れて住み始め私を産んだです。」
ジンは何も言えなくなりその場に固まる。そして一つ疑問が浮かぶ。
「今ジンさん、私の両親はどこにいるのだろう? と思いませんでした?」
ジンは心を読まれたかと思い、焦り、言葉を返せなかった。
そしてランは落ち着きながらも言う。
「私の両親は……殺されました。とある男に」
「とある……男?」
「はい。その男は、なぜか私の両親が一緒にいるということを知っていたのです。そして私が買い物から帰ると倒れてる両親がいたのです。戻った時には既に手遅れでした」
「よくそんな状況でランさんは生き延びれましたね……それはなぜですか?」
「エルフ族と人族には両親が一緒にいることはバレました。ですが子供がいるというのは誰も知らなかったのです。その時はみな批判し、家を焼き払おうとしたのです。ですが良くも悪くも近づくと呪われるだとかいう噂が流れ誰も寄り付かなかったのです」
「だからそこで密かにくらせてたと……その……生活してる中でバレなかったのですか? 耳とか……」
「いえ、出かける時は絶対耳が髪から出ないように注意をしてますので」
「そうだったんですか……ま、それを知ったところでランさんはランさんなので特に今までと態度を変えるつもりはありませんから。それに自分だって一応この世界ではありえない存在みたいなものなので!」
ジンは笑顔をランに向ける。ネインも「ランお姉ちゃんは優しいからそんなのは関係ない」と言う。
ランは涙を浮かべながら質問する。
「私は忌み嫌われる存在ですよ? ……なのに一緒にいてもし私の存在がバレてしまった時ジンさんも嫌われてしまうのですよ? ……それでもですか?」
「それでもです! あったばかりで偉そうなことは言えないのですが、自分はものすごくお世話になってるんです! そんな恩人を嫌おうなんて罰当たりにも程がありますよ!!」
ジンは照れながらも言う。
ランは涙を拭き「これからも仲良くしてください!」と涙声でジンに言うと、ジンも「こちらこそです!」と答える。
そしてネインも「私も仲良くする!」と言い飛び跳ねる。
そして三人は、再び動き出しネインの家へと向かったのだった。
段々と距離を詰めていくが、街の大通りに入ると女の子は人の間をひょいひょい、と軽快に進んでいく。ジンたちは体が大きい故、「すいません! 通してください!」と言いながら女の子を追う。
ジンたちは一瞬女の子を見失うが、ランは女の子が細い道に入っていく所を目撃し、「ジンさんあそこの細い路地に入りました!」と言い、ジンたちは女の子を追いかけ細い路地に入る。暫く細い路地が続いていたのだが、女の子が曲がった先は壁があり行き止まりだった。
ジンたちもそこに追いつき逃げ道を無くす。
ジンは走り疲れて息が上がっているがランは余裕の表情であった。
そして息を切らしながらもジンが女の子に話しかける。
「よし……追いついた……はぁ……とりあえずその袋を……返して……」
「嫌だ! お金が必要なんだ!」
「頼むよ……その中には大事なものがいくつもあるんだよ」
「嫌だ! 絶対返さない。こうなったら……」
と言うと女の子は懐からナイフを取り出す。
その手は震えていた。そして頬に汗が垂れていた。
ジンとランはなぜそこまでお金を欲しがるのかが気になり、顔を見合わせてから女の子に質問する。
「なんでそんなにお金が必要なんだ?」
「お金を持っていかないと、黒い服を来た男の人たちがまた来てお父さんとお母さんを殴るから……」
「……それは本当?」
「本当……だからお金が必要……」
二人は何かまずいことになっていると察した。
「わかったわ、とりあえずナイフはしまって。そして私たちも協力するわ」
「本当? 手伝ってくれるの?」
「えぇ、手伝うわ」
そういうと女の子の表情が明るくなりナイフをしまう。そして盗んだ袋もジンに返す。
ジンはホッとした。
「とりあえず何故そうなったのかの理由を聞こうかしら。あなた名前は?」
「ネイン、ネイン=メイト」
「私達はジンとランよ。よろしくね!」
「うん! よろしくね、ジンお兄ちゃん! ランお姉ちゃん!」
自己紹介をした後は事情を聞いた。
「大体はわかったわ……とりあえずその黒い服の人達を追うのがいいのかしら……」
「そうですね……ですがいつ現れるかもわかりませんし……」
「それならわかる。昨日来たばっかだったんだけど、帰るときにまた明日の夜に来るって言ってた」
「本当か! なら今日はネインの家に行ってもいいか?」
「わかった! お父さんとお母さんは働いてて帰るのはいつも六時すぎなの。だから今は家には誰もいないの」
「そうか……だから一人でいるんだな……でもいいか? もう盗みは絶対だめだぞ? 大事なもの盗んでしまったらそれこそ黒い服の人たちと同じになっちゃうぞ? だからもうやらない事! わかった?」
「うん! 絶対やらない!」
ジンとネインは約束をしてその場を後にした。
ネインの両親が帰ってくるまでは時間があったが、早めにネインの家へ向かった。ネインの家へ向かう途中ジンたちはネインの事について聞いた。年齢は13歳、種族は人族、職業は十八歳からでないとなれないので職業はまだない。
「そういえば聞いてなかったんですがランさんって種族は何ですか?」
ジンがそう聞くとランはそのばで歩くのを止める。
「どうしたんですか? ……ランさん?」
ランは少し時間を置いてから答えた。
「……ジンさんは私の家に置いてある本を読みましたよね? その中に忌み嫌われる存在があるというのは読みましたか?」
「あぁ、読みましたよ! なんでしたっけ? 違う種族間で産まれた子供だとかでしたっけ?」
ジンがそういうとランはなぜか俯いてしまう。
「ランさんそれがどうかしたんですか?」
ジンがそう質問するとランは少し間を開けてから答える。
「私はエルフと人族の間に生まれたの」
その言葉にジンは言葉を失う。
ランは耳のあたりの髪の毛を上げ、耳をジンに見せる。それはエルフ族特有の形をした耳だった。
「それは……エルフ族がもつ耳……」
「そう。私の父は人族で母はエルフでした。ある日、傷ついたエルフ族の母を私の父が助けたそうです。それから密かに会うようになり、二人隠れて住み始め私を産んだです。」
ジンは何も言えなくなりその場に固まる。そして一つ疑問が浮かぶ。
「今ジンさん、私の両親はどこにいるのだろう? と思いませんでした?」
ジンは心を読まれたかと思い、焦り、言葉を返せなかった。
そしてランは落ち着きながらも言う。
「私の両親は……殺されました。とある男に」
「とある……男?」
「はい。その男は、なぜか私の両親が一緒にいるということを知っていたのです。そして私が買い物から帰ると倒れてる両親がいたのです。戻った時には既に手遅れでした」
「よくそんな状況でランさんは生き延びれましたね……それはなぜですか?」
「エルフ族と人族には両親が一緒にいることはバレました。ですが子供がいるというのは誰も知らなかったのです。その時はみな批判し、家を焼き払おうとしたのです。ですが良くも悪くも近づくと呪われるだとかいう噂が流れ誰も寄り付かなかったのです」
「だからそこで密かにくらせてたと……その……生活してる中でバレなかったのですか? 耳とか……」
「いえ、出かける時は絶対耳が髪から出ないように注意をしてますので」
「そうだったんですか……ま、それを知ったところでランさんはランさんなので特に今までと態度を変えるつもりはありませんから。それに自分だって一応この世界ではありえない存在みたいなものなので!」
ジンは笑顔をランに向ける。ネインも「ランお姉ちゃんは優しいからそんなのは関係ない」と言う。
ランは涙を浮かべながら質問する。
「私は忌み嫌われる存在ですよ? ……なのに一緒にいてもし私の存在がバレてしまった時ジンさんも嫌われてしまうのですよ? ……それでもですか?」
「それでもです! あったばかりで偉そうなことは言えないのですが、自分はものすごくお世話になってるんです! そんな恩人を嫌おうなんて罰当たりにも程がありますよ!!」
ジンは照れながらも言う。
ランは涙を拭き「これからも仲良くしてください!」と涙声でジンに言うと、ジンも「こちらこそです!」と答える。
そしてネインも「私も仲良くする!」と言い飛び跳ねる。
そして三人は、再び動き出しネインの家へと向かったのだった。
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コメント
ノベルバユーザー89126
ハーフエルフで20歳くらいに見えるってことは結構な歳なのでは