冒険者は最強職ですよ?
もう守られるだけの僕じゃない 2
「問答無用!!」
剣を持った青年は、叫びながらジンへ斬りかかった。
「おっと! 話を聞いてくれって!」
「うるさい! 敵と喋ることなんて何も無い!」
そう言いながら、力任せに剣を振り回し、ジンを角へ追い詰める。
「しまっ……!」
「おりゃぁあ!!」
「あっぶねぇ……」
「……ッ!? 剣を片手で止めた……!?」
流石に少しまずいと思ったジンは、疲れているのにも関わらず、少しだけオーラを纏って剣を受け止めた。
ジンは直ぐにオーラを解き、剣を捨てさせると、青年に「他の避難者はいるんですか?」と尋ねる。
が、「くそぉ! ここまでか……みんなごめん……」
そう言い涙を流し始めた。
「待って待って! 別に僕は君を殺しに来たんじゃない。さっきも言ったろ? 助けに来たんだって!」
「……それは本当?」
「うん。本当に」
「本当に助けに来たんですか?」
「だからさっきからそう言ってるでしょ……はぁ。疲れる」
「それはありがたい! ご案内します!」
念の為、扉を閉め鍵をした後、青年の誘導で避難者が居る所へ案内してもらった。
暗くもなく明るくもない道を、暫く歩いていると「ここです。ここに皆います」と言い、少し大きめの鉄の扉の前へと案内された。
「扉の先には、また扉が……厳重な警戒だ……」
「はい、これはこの国の王様と勇者様の意見で作られた物なのです。この町に勇者様方が住んでいらっしゃるので」
「へぇ……その勇者さんの名前は?」
「ソンゲル様と言う名前です」
一度会ってはいるが、名前は知らなかったため、どんな勇者か想像ができなかった。
「へぇ……強いんですか?」
「この国では上位の方だと思います……ですが、物凄く強いと言う訳ではないんです……この町に住んでいるダネットさんの方が何倍も強いのですが……」
その名前にジンは少しビクっとする。
「知っているのですか?ダネットさんを」
「ま、まぁ名前だけはね……ははは……」
今は宿のベッドの上で寝てるなんて言えない……
「まぁいいです。とりあえず入りましょう」
中へ入れと促されたため、素直に従い扉を開ける。
するとそこには、物凄く広い空間があり、その空間にビッシリ埋まる程の人がいた。
「おぉ〜い! みんな〜! 助けが来たぞ〜!」
その言葉に反応し、下を向いて恐怖に怯えた顔をしていた人達が、一瞬にして表情を明るくさせる。
「本当か!?」「助けに来てくれたのか?」「ここから出られるのか!」
などの声が多く聞こえた。
ジンは、ここに来た経緯と、今の外の状況を教え、もう安心だということを伝える。
外から来た魔物達は倒したのか? などの質問がジンに投げかけられ、その質問一つ一つに丁寧に答えていった。
本当に安心だということがわかると、町の人々は安堵の声を漏らしていた。
そうして外へ出るよう促し、全員外へ出たことを確認すると、最後にジンが退室し、一同は地下施設を後にする。
外へ出た町の人々は、一目散に各々の家へと帰っていった。
「ふぅ〜! これで一件落着っと! 俺も帰って寝よ〜っと」
伸びをしながら歩いていると、突然声をかけられる。
「あ、あの……貴方がこの町を救ってくださったのですか?」
それは綺麗な女性の二人組だった。
「僕だけでは無いですけれど、確かにこの町を救ったのは僕達ですよ」
そう言った瞬間二人は泣きながら感謝をする。
「本当にありがとうございます。この町は本当にいい場所で、大切な思い出がある町なんです」
「そうなんですね……そんなに大事町を救えたのなら、僕達も嬉しいですよ!」
その後、もう一度礼を言って、二人は泣きながら去っていった。
「本当に、この町を救ってよかったな……」
ポツリと呟き、少し照れたような顔つきで、小さくガッツポーズをしながら宿へ帰った。
宿へ帰ると、レベッカとマーシュはまだ寝ていたが、ダネットが身体を起こしていた。
「ダネットさん大丈夫ですか? 顔とか痛みませんか?」
「あぁ……身体はあまり痛くは無いが、顔面はすごく痛いな」
「まぁそうですよね……諸に顔面殴られましたもんね……」
「あれは効いたぜぇ〜? それよりあの嬢ちゃん達は大丈夫なのか? 後坊主も」
「えぇ、僕は大丈夫ですし、多分マーシュさんもレベッカさんも大丈夫です! レベッカさんは何時目を覚ますかわかりませんが……」
「そうか……わりぃな……一番年上の俺が足引っ張っちまって……って言うか勝ったのか?」
「いえいえ、本当にダネットさんが居なかったら勝てませんでしたよ! あの魔王幹部はもういませんよ! 安心してくださいね!」
「そうか……坊主。お前何もんだ? 上級職なのか?」
「……ええっと……」
ダネットは興味有り気な顔でこちらを見てくる。
「ぼ、冒険者です……よ?」
「ん? よく聞こえん。もう一度頼む」
「冒険者です」
「は? 冒険者なのはわかるが、職業を聞いてるんだぞ?」
「はい……その職業の中で最弱職と言われてる冒険者です……」
ダネットは暫く無言になると、突然顔色を変えて叫び出した。
「は、はぁぁぁぁぁああ!?」
ま、まぁそうなりますよねぇ……と心の中で呟いた。
剣を持った青年は、叫びながらジンへ斬りかかった。
「おっと! 話を聞いてくれって!」
「うるさい! 敵と喋ることなんて何も無い!」
そう言いながら、力任せに剣を振り回し、ジンを角へ追い詰める。
「しまっ……!」
「おりゃぁあ!!」
「あっぶねぇ……」
「……ッ!? 剣を片手で止めた……!?」
流石に少しまずいと思ったジンは、疲れているのにも関わらず、少しだけオーラを纏って剣を受け止めた。
ジンは直ぐにオーラを解き、剣を捨てさせると、青年に「他の避難者はいるんですか?」と尋ねる。
が、「くそぉ! ここまでか……みんなごめん……」
そう言い涙を流し始めた。
「待って待って! 別に僕は君を殺しに来たんじゃない。さっきも言ったろ? 助けに来たんだって!」
「……それは本当?」
「うん。本当に」
「本当に助けに来たんですか?」
「だからさっきからそう言ってるでしょ……はぁ。疲れる」
「それはありがたい! ご案内します!」
念の為、扉を閉め鍵をした後、青年の誘導で避難者が居る所へ案内してもらった。
暗くもなく明るくもない道を、暫く歩いていると「ここです。ここに皆います」と言い、少し大きめの鉄の扉の前へと案内された。
「扉の先には、また扉が……厳重な警戒だ……」
「はい、これはこの国の王様と勇者様の意見で作られた物なのです。この町に勇者様方が住んでいらっしゃるので」
「へぇ……その勇者さんの名前は?」
「ソンゲル様と言う名前です」
一度会ってはいるが、名前は知らなかったため、どんな勇者か想像ができなかった。
「へぇ……強いんですか?」
「この国では上位の方だと思います……ですが、物凄く強いと言う訳ではないんです……この町に住んでいるダネットさんの方が何倍も強いのですが……」
その名前にジンは少しビクっとする。
「知っているのですか?ダネットさんを」
「ま、まぁ名前だけはね……ははは……」
今は宿のベッドの上で寝てるなんて言えない……
「まぁいいです。とりあえず入りましょう」
中へ入れと促されたため、素直に従い扉を開ける。
するとそこには、物凄く広い空間があり、その空間にビッシリ埋まる程の人がいた。
「おぉ〜い! みんな〜! 助けが来たぞ〜!」
その言葉に反応し、下を向いて恐怖に怯えた顔をしていた人達が、一瞬にして表情を明るくさせる。
「本当か!?」「助けに来てくれたのか?」「ここから出られるのか!」
などの声が多く聞こえた。
ジンは、ここに来た経緯と、今の外の状況を教え、もう安心だということを伝える。
外から来た魔物達は倒したのか? などの質問がジンに投げかけられ、その質問一つ一つに丁寧に答えていった。
本当に安心だということがわかると、町の人々は安堵の声を漏らしていた。
そうして外へ出るよう促し、全員外へ出たことを確認すると、最後にジンが退室し、一同は地下施設を後にする。
外へ出た町の人々は、一目散に各々の家へと帰っていった。
「ふぅ〜! これで一件落着っと! 俺も帰って寝よ〜っと」
伸びをしながら歩いていると、突然声をかけられる。
「あ、あの……貴方がこの町を救ってくださったのですか?」
それは綺麗な女性の二人組だった。
「僕だけでは無いですけれど、確かにこの町を救ったのは僕達ですよ」
そう言った瞬間二人は泣きながら感謝をする。
「本当にありがとうございます。この町は本当にいい場所で、大切な思い出がある町なんです」
「そうなんですね……そんなに大事町を救えたのなら、僕達も嬉しいですよ!」
その後、もう一度礼を言って、二人は泣きながら去っていった。
「本当に、この町を救ってよかったな……」
ポツリと呟き、少し照れたような顔つきで、小さくガッツポーズをしながら宿へ帰った。
宿へ帰ると、レベッカとマーシュはまだ寝ていたが、ダネットが身体を起こしていた。
「ダネットさん大丈夫ですか? 顔とか痛みませんか?」
「あぁ……身体はあまり痛くは無いが、顔面はすごく痛いな」
「まぁそうですよね……諸に顔面殴られましたもんね……」
「あれは効いたぜぇ〜? それよりあの嬢ちゃん達は大丈夫なのか? 後坊主も」
「えぇ、僕は大丈夫ですし、多分マーシュさんもレベッカさんも大丈夫です! レベッカさんは何時目を覚ますかわかりませんが……」
「そうか……わりぃな……一番年上の俺が足引っ張っちまって……って言うか勝ったのか?」
「いえいえ、本当にダネットさんが居なかったら勝てませんでしたよ! あの魔王幹部はもういませんよ! 安心してくださいね!」
「そうか……坊主。お前何もんだ? 上級職なのか?」
「……ええっと……」
ダネットは興味有り気な顔でこちらを見てくる。
「ぼ、冒険者です……よ?」
「ん? よく聞こえん。もう一度頼む」
「冒険者です」
「は? 冒険者なのはわかるが、職業を聞いてるんだぞ?」
「はい……その職業の中で最弱職と言われてる冒険者です……」
ダネットは暫く無言になると、突然顔色を変えて叫び出した。
「は、はぁぁぁぁぁああ!?」
ま、まぁそうなりますよねぇ……と心の中で呟いた。
「冒険者は最強職ですよ?」を読んでいる人はこの作品も読んでいます
-
絶対守護者の学園生活記
-
4,350
-
-
異世界転移は分解で作成チート
-
4,779
-
-
よくある?異世界物語
-
2,724
-
-
異世界生活は突然に〜いきなりチートになりました〜
-
962
-
-
Lv.1なのにLv.MAXよりステ値が高いのはなんでですか? 〜転移特典のスキルがどれも神引き過ぎた件〜
-
4,515
-
-
異世界を楽しみたい転生者
-
3,037
-
-
進化上等~最強になってクラスの奴らを見返してやります!~
-
5,408
-
-
チートあるけどまったり暮らしたい
-
1,272
-
-
異世界に転生したら貴族になってたんだが.........
-
2,563
-
-
天才過ぎて世間から嫌われた男が、異世界にて無双するらしい。
-
4,289
-
-
妖刀使いがチートスキルをもって異世界放浪 ~生まれ持ったチートは最強!!~
-
9,242
-
-
加護とスキルでチートな異世界生活
-
2,756
-
-
世界にたった一人だけの職業
-
1,905
-
-
貴族に転生したけど追放されたのでスローライフを目指して自前のチートで無双します
-
2,127
-
-
異世界に転生したので楽しく過ごすようです
-
1,541
-
-
俺の学年が勇者として召喚されたが、俺は早速腹黒王族にマークされたようです
-
3,008
-
-
魔法陣を描いたら転生~龍の森出身の規格外魔術師~
-
2,628
-
-
選択権〜3つの選択肢から選ぶチートは!?〜
-
1,799
-
-
Re:legend
-
1,891
-
-
異世界に召喚された殺し屋は自由に生きる
-
2,302
-
コメント