冒険者は最強職ですよ?
もう守られるだけの僕じゃない 8
「「「ありがとうございます!!!」」」
「きゅ、急にどうしたんですか……?」
そう尋ねると、多くのウルフの女性の中から、エレンが一歩前へ出てくる。
「ジンさん。本当にありがとうございます。先程も言いましたように、あのお方は本当に凶暴で強引な人だったのです。その凶暴さ故に、私達は太刀打ちできず、ただ従うだけしかできなかったのです……そんな時です。英雄様が来てくれたと聞き、もしかしたら……と思ったのです」
少し照れくさいなぁ……
「そして、本当に噂通りの強さで、あの凶暴な人を追い出していただき、我々一同はジンさんに感謝しているのです。本当にありがとうございます。このご恩は忘れないです」
エレンが頭を下げると、同時に後ろにいた他のウルフの女性達も頭を下げてくる。
そ、そんな大事でもないような……
「ま、まぁとりあえず、助けられたなら良かったです! さ、さぁ皆さん! お店に入りましょう?」
そう言うと、何故か冒険者達は店から離れていく。
「ちょ、ちょっと皆さん!? なんで帰っちゃうんですか!?」
そして、そこにいた全冒険者が口を揃えて「「「今日はお前の貸切だ!」」」と言って笑顔で帰って行った。
「へ? 貸切……って、ちょ!? 何での腕を掴むんですか!? あ、身体まで持ち上げて……あっ、今変なとこ触ったの誰だ!?」
ウルフの女性達はみんな揃ってジンに感謝の意を伝えるため、店でパーティーが開かれることになった。
「さぁさぁ! 今夜は私たちがもてなします! 存分にたのしんでください!」
「は、はぁ……」
もういいや、この際楽しもう……
最初はガチガチに緊張していたが、それは最初の数分だ。慣れてきてしまえば大丈夫。
ジンの周りには、沢山の美人ウルフ達に囲まれて、両手に花といった状態だった。
パーティーでは、ワイワイご飯を食べたり、ゲームをしたりと、楽しい時間を過ごしていた。
ジンは、少し休憩がてら外で風に当たっていた。
すると、エレンが隣に来たため少し喋ることにした。
「獣人族の皆さんは……」
「ウルフ、で結構ですよ」
「は、はぁ……では、ウルフの皆さんはどうしてここに?」
「それはですね、最初は小さな村で私達は一同は生活していました。その村では、女性だけでなく、男性のウルフも生活していたんです。ですがある日、男ウルフ達が村の食糧確保のために旅に出て以来、戻ってこなかったのです……」
「そ、それは……悪い事を聞いてしまいました……」
「いえいえ! いいんです。それで、私達の村は小さく、男ウルフ全員がいなくなったため、女ウルフしか残っておらず、村にも居られなくなったのでここまできたのです。そして、ここに店を建てたと言うことです」
「そうだったんですね……」
ジンは深刻な顔をするが、エレンはそんな顔は全くしていなかった。
「ですが、今は楽しいのです。確かに仲間が減ってしまったことは悲しく思います。ですが、こうして皆さんと触れ合っていると、楽しくて仕方がないのです。皆と食事をして、皆とお遊びをして。私は、今の仕事を初めて良かったと思ってます」
「そうなんですね……なら、僕もなにも言いません。ささ、そろそろ食事に戻りますか!」
「そうですね! ……良ければ尻尾とか触ります?」
その突然の発言に、ジンは歩くのを止める。
「い、今なんと……?」
「え? 尻尾を触りませんかと……」
「い、いいんですか!?」
「ええもちろん」
ジンは、とても気になってはいたが、なかなか尻尾を触らせてくれと頼むことができずにいたため、この申し出はとても嬉しかった。
「こ、心の準備が……」
「そんな緊張しなくても尻尾は逃げませんよ?」
エレンはクスッと笑いだし、その可愛らしい笑顔に、ジンは見惚れてしまう。
「ほらほら、いつでもいくらでも触っても構いませんよ?」
「で、でわ……」
ジンはゆっくりと、エレンの尻尾を触る。
そして、その尻尾の完璧な触り心地に感激の声を漏らす。
「気持ちいい〜」
「ふふっ……そう言ってもらえると嬉しいですわ」
あぁ……触り心地が良すぎてずっと触ってたいなぁ……これは忘れられなくなるわなぁ……
「あ、あのぉ……ジンさん?」
「はいぃ……?」
「尻尾を堪能するのは良いのですが、貴方の後ろで腕を組みながら睨んでくる女性が二人いるのですが……」
「女性が二人? 腕を組んでいる……念の為に聞きますが、ウルフですか? 人族ですか?」
「……人族です」
その言葉に、ジンは汗が止まらなくなる。
「ま、まさかぁ……」
「こんな所で何もしてるのかしら? 私達を宿に残して自分はパーティーですか? まぁなんとも楽しそうですねえ?」
「どれくらいジンを待ったと思ってるのですか? お腹すいたから早く帰ってこないかな〜? って待ってても帰ってこない。そして町中を探してみたらこんな所でウルフの尻尾を触っている。どうして?」
「こ、これには深いわけがありまして……って言うか、二人とも喧嘩してたんじゃ……」
「「うるさい!!!」」
そう言ってレベッカとマーシュは、ジンにビンタをする。
「なんで殴るの!? 痛いよぉ……」
レベッカとマーシュが、ジンを引きずって帰ろうとすると、エレンがとある提案を持ち出す。
「そうだ! まだお二人とも夕食がまだでしたら、ここで食べていきませんか?」
「「そうします!!!」」
そう返事をすると、ジンを引き摺りながら二人は店へ入っていく。
エレンは、ジンにこっそり耳打ちをして「愛されているのですね」と微笑みながら言うと、ジンは「どこがですか!?」と泣き顔で言うのであった。
「きゅ、急にどうしたんですか……?」
そう尋ねると、多くのウルフの女性の中から、エレンが一歩前へ出てくる。
「ジンさん。本当にありがとうございます。先程も言いましたように、あのお方は本当に凶暴で強引な人だったのです。その凶暴さ故に、私達は太刀打ちできず、ただ従うだけしかできなかったのです……そんな時です。英雄様が来てくれたと聞き、もしかしたら……と思ったのです」
少し照れくさいなぁ……
「そして、本当に噂通りの強さで、あの凶暴な人を追い出していただき、我々一同はジンさんに感謝しているのです。本当にありがとうございます。このご恩は忘れないです」
エレンが頭を下げると、同時に後ろにいた他のウルフの女性達も頭を下げてくる。
そ、そんな大事でもないような……
「ま、まぁとりあえず、助けられたなら良かったです! さ、さぁ皆さん! お店に入りましょう?」
そう言うと、何故か冒険者達は店から離れていく。
「ちょ、ちょっと皆さん!? なんで帰っちゃうんですか!?」
そして、そこにいた全冒険者が口を揃えて「「「今日はお前の貸切だ!」」」と言って笑顔で帰って行った。
「へ? 貸切……って、ちょ!? 何での腕を掴むんですか!? あ、身体まで持ち上げて……あっ、今変なとこ触ったの誰だ!?」
ウルフの女性達はみんな揃ってジンに感謝の意を伝えるため、店でパーティーが開かれることになった。
「さぁさぁ! 今夜は私たちがもてなします! 存分にたのしんでください!」
「は、はぁ……」
もういいや、この際楽しもう……
最初はガチガチに緊張していたが、それは最初の数分だ。慣れてきてしまえば大丈夫。
ジンの周りには、沢山の美人ウルフ達に囲まれて、両手に花といった状態だった。
パーティーでは、ワイワイご飯を食べたり、ゲームをしたりと、楽しい時間を過ごしていた。
ジンは、少し休憩がてら外で風に当たっていた。
すると、エレンが隣に来たため少し喋ることにした。
「獣人族の皆さんは……」
「ウルフ、で結構ですよ」
「は、はぁ……では、ウルフの皆さんはどうしてここに?」
「それはですね、最初は小さな村で私達は一同は生活していました。その村では、女性だけでなく、男性のウルフも生活していたんです。ですがある日、男ウルフ達が村の食糧確保のために旅に出て以来、戻ってこなかったのです……」
「そ、それは……悪い事を聞いてしまいました……」
「いえいえ! いいんです。それで、私達の村は小さく、男ウルフ全員がいなくなったため、女ウルフしか残っておらず、村にも居られなくなったのでここまできたのです。そして、ここに店を建てたと言うことです」
「そうだったんですね……」
ジンは深刻な顔をするが、エレンはそんな顔は全くしていなかった。
「ですが、今は楽しいのです。確かに仲間が減ってしまったことは悲しく思います。ですが、こうして皆さんと触れ合っていると、楽しくて仕方がないのです。皆と食事をして、皆とお遊びをして。私は、今の仕事を初めて良かったと思ってます」
「そうなんですね……なら、僕もなにも言いません。ささ、そろそろ食事に戻りますか!」
「そうですね! ……良ければ尻尾とか触ります?」
その突然の発言に、ジンは歩くのを止める。
「い、今なんと……?」
「え? 尻尾を触りませんかと……」
「い、いいんですか!?」
「ええもちろん」
ジンは、とても気になってはいたが、なかなか尻尾を触らせてくれと頼むことができずにいたため、この申し出はとても嬉しかった。
「こ、心の準備が……」
「そんな緊張しなくても尻尾は逃げませんよ?」
エレンはクスッと笑いだし、その可愛らしい笑顔に、ジンは見惚れてしまう。
「ほらほら、いつでもいくらでも触っても構いませんよ?」
「で、でわ……」
ジンはゆっくりと、エレンの尻尾を触る。
そして、その尻尾の完璧な触り心地に感激の声を漏らす。
「気持ちいい〜」
「ふふっ……そう言ってもらえると嬉しいですわ」
あぁ……触り心地が良すぎてずっと触ってたいなぁ……これは忘れられなくなるわなぁ……
「あ、あのぉ……ジンさん?」
「はいぃ……?」
「尻尾を堪能するのは良いのですが、貴方の後ろで腕を組みながら睨んでくる女性が二人いるのですが……」
「女性が二人? 腕を組んでいる……念の為に聞きますが、ウルフですか? 人族ですか?」
「……人族です」
その言葉に、ジンは汗が止まらなくなる。
「ま、まさかぁ……」
「こんな所で何もしてるのかしら? 私達を宿に残して自分はパーティーですか? まぁなんとも楽しそうですねえ?」
「どれくらいジンを待ったと思ってるのですか? お腹すいたから早く帰ってこないかな〜? って待ってても帰ってこない。そして町中を探してみたらこんな所でウルフの尻尾を触っている。どうして?」
「こ、これには深いわけがありまして……って言うか、二人とも喧嘩してたんじゃ……」
「「うるさい!!!」」
そう言ってレベッカとマーシュは、ジンにビンタをする。
「なんで殴るの!? 痛いよぉ……」
レベッカとマーシュが、ジンを引きずって帰ろうとすると、エレンがとある提案を持ち出す。
「そうだ! まだお二人とも夕食がまだでしたら、ここで食べていきませんか?」
「「そうします!!!」」
そう返事をすると、ジンを引き摺りながら二人は店へ入っていく。
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