冒険者は最強職ですよ?
もう守られるだけの僕じゃない 10
「貴方を拘束してあの人達に差し出すわ」
「冗談だよね?」
「マーシュ、硬い紐を持ってきてちょうだい」
「わかったわ!」
「なんか二人とも酷くない!?」
「嘘だわ。でも困ったわねぇ……多分探しているのはジンで間違いないわ……」
「迂闊でした……まさか暴走族の仲間だったなんて……」
「ホントよ! しかもあそこで喚き散らしている奴は私より強いらしいわ……聞いた話だとレベルは150前後だったきがするわ」
「150……ダネットさん程ではないのなら安心してください。もし襲われることがあったら僕が守ります」
「「じゃあ捕まりに行くわ!」」
「なんで!? 意味がわかりません!」
レベッカとマーシュは、ジンに助けてもらい抱き抱えて貰うという懇談だ。
だが、ジンに阻止される。
「と、とりあえず作戦を考え……あれは!?」
ジンが、作戦を考えようと言おうとした時だった。
とある男が、叫び散らしている男のところへ、とある女性を連れてくる。
それは……
「エレンさん!?」
そう、それは両腕を縛られていたエレンだった。
「なんでエレンさんが……」
「おら餓鬼ぃ! このウルフの女とこいつの仲間が殺されたく無きゃ出てきやがれぇ!」
「くそ……レベッカさん、マーシュさん、僕行きます」
「待なさい! たとえ出ていったとしても彼女らを殺さないとは限らないわ」
「で、でもエレンさんとウルフのみなさんが……!」
「ジンはあいつらに気づかれないように、裏から周りなさい。私達はここから出ていって時間を稼ぐわ」
「で、でもそれはなんの意味が……」
「あいつらの意識を私達に寄せるのよ。その内にあなたはウルフの女性達を探すの。多分どこかにまとめられているはずよ」
「で、でもエレンさんは!?」
「こちらからは手を出せない。だからなんとか隙を狙ってこちらから攻撃を仕掛けるわ。そして助ける」
「そんな上手くいかないですよ……」
「もし捕まったら、ジンが守ってくれるのでしょ?」
その信頼しているわと言いたげな瞳に、ジンは息を呑む。そして決断する。
「わかりました……ですが、絶対怪我だけはしないでくださいね? それと、僕も力はなるべく隠しておきたいので、そんな事態にはならないようにしてくださいね!?」
「わかっているわ。絶対エレンを助け出してみせる。だからあなたも、ウルフの皆さんを助ける。いいわね?」
「はい! レベッカさん、マーシュさん。お気をつけて!」
「「わかってるわ」」
ジンは、二人を見たあと、一度コクリと頷きその場を後にする。
レベッカとマーシュは、ジンの背中を見つめ、頑張ってと呟く。
「さぁ、マーシュ。なんとか時間を稼いで少しでもジンのために頑張ろうじゃない?」
「そうですねぇ。ジンの心は私が貰いに行きますよ?」
「ふふっ、言うようになったわね? だけど安心しなさい。ジンは絶対私が振り向かせるわ」
レベッカとマーシュは、一度目を見合うと、意を決したように目の色を変えると、暴走族の元へと向かっていく。
「すいません、そんなに喚き散らされると近所迷惑ですので声の大きさを下げてもらえます?」
レベッカが嘲笑っているかの様な笑みを浮かべながら、喚き散らしている男に言う。
「あぁ? んだテメェらは? 俺は今家の舎弟傷付けた奴を探してんだよ。女には用はねぇぞ?」
「れ、レベッカさん!?」
「あぁ? んだ知り合いか? ……はぁん、そういう懇談か」
「あら? バレちゃいました? そういう事ですので、その方を離して頂けると嬉しいのですが?」
「そりゃあ無理だな。こいつとガキは仲がいいそうだからなぁ? こいつでガキを釣るんだよ」
「それは貴方の横にいるボロボロの方から聞いた情報なの? それともエレンさんに聞きましたの?」
「どっちだと思う? この女には手は出しちゃねぇぞ?」
「手は、ですね?」
「おう。あたりめぇだろぉ? 女に手を出す趣味はねぇぞ?」
「そうですか……まぁエレンさんの目元のクマを見ればわかりますわ。全く、女の方に自白魔法をかけるなんて。それも眠らせずに。外道ですわ」
「あぁ? 俺を誰かわかってその言葉を吐いてるんだよなぁ?」
「えぇもちろん。世界に名高い……いや、悪名高いグスタフ=オズットさんてすわよね?」
「この糞女が。てめぇこの女がどうなってもいいのか? そんな口聞いてるとぶっ殺すぞ?」
「まぁ! 女の子に脅迫なんて! 怖いですわー!」
「舐めやがって……悪ぃのはてめぇだからな?」
グスタフはそう言うと、腰に付けていた短剣を取り出す。
だがレベッカは、グスタフが短剣に手を当てた瞬間に、拘束されていたエレンの元へ一瞬で行き、エレンを男から離して抱き抱えると、元いた位置へ一瞬で戻る。
グスタフは、小さく舌打ちをする。
「テメェ……上級冒険者か……本当に舐めやがって……」
「エレンさん大丈夫かしら?」
「私は大丈夫です……それよりジンは!? 大丈夫なのですか!?」
「大丈夫だわ。こいつらの裏取りをしてと私が頼んだのよ」
「そ、そうなの……良かった……」
そう言うと、自白魔法と不眠のせいでエレンは眠ってしまった。
「マーシュ。エレンさんを頼んだわ」
「えぇ。回復支援は任せてください」
「頼りにしてるわ」
そう言い、エレンをマーシュの足元へ寝かせると、レベッカはグスタフへ向き直る。
「さぁ、私が相手をしてあげますわ。その頬の傷以外にも沢山の傷をつけて差し上げますわ」
「冗談だよね?」
「マーシュ、硬い紐を持ってきてちょうだい」
「わかったわ!」
「なんか二人とも酷くない!?」
「嘘だわ。でも困ったわねぇ……多分探しているのはジンで間違いないわ……」
「迂闊でした……まさか暴走族の仲間だったなんて……」
「ホントよ! しかもあそこで喚き散らしている奴は私より強いらしいわ……聞いた話だとレベルは150前後だったきがするわ」
「150……ダネットさん程ではないのなら安心してください。もし襲われることがあったら僕が守ります」
「「じゃあ捕まりに行くわ!」」
「なんで!? 意味がわかりません!」
レベッカとマーシュは、ジンに助けてもらい抱き抱えて貰うという懇談だ。
だが、ジンに阻止される。
「と、とりあえず作戦を考え……あれは!?」
ジンが、作戦を考えようと言おうとした時だった。
とある男が、叫び散らしている男のところへ、とある女性を連れてくる。
それは……
「エレンさん!?」
そう、それは両腕を縛られていたエレンだった。
「なんでエレンさんが……」
「おら餓鬼ぃ! このウルフの女とこいつの仲間が殺されたく無きゃ出てきやがれぇ!」
「くそ……レベッカさん、マーシュさん、僕行きます」
「待なさい! たとえ出ていったとしても彼女らを殺さないとは限らないわ」
「で、でもエレンさんとウルフのみなさんが……!」
「ジンはあいつらに気づかれないように、裏から周りなさい。私達はここから出ていって時間を稼ぐわ」
「で、でもそれはなんの意味が……」
「あいつらの意識を私達に寄せるのよ。その内にあなたはウルフの女性達を探すの。多分どこかにまとめられているはずよ」
「で、でもエレンさんは!?」
「こちらからは手を出せない。だからなんとか隙を狙ってこちらから攻撃を仕掛けるわ。そして助ける」
「そんな上手くいかないですよ……」
「もし捕まったら、ジンが守ってくれるのでしょ?」
その信頼しているわと言いたげな瞳に、ジンは息を呑む。そして決断する。
「わかりました……ですが、絶対怪我だけはしないでくださいね? それと、僕も力はなるべく隠しておきたいので、そんな事態にはならないようにしてくださいね!?」
「わかっているわ。絶対エレンを助け出してみせる。だからあなたも、ウルフの皆さんを助ける。いいわね?」
「はい! レベッカさん、マーシュさん。お気をつけて!」
「「わかってるわ」」
ジンは、二人を見たあと、一度コクリと頷きその場を後にする。
レベッカとマーシュは、ジンの背中を見つめ、頑張ってと呟く。
「さぁ、マーシュ。なんとか時間を稼いで少しでもジンのために頑張ろうじゃない?」
「そうですねぇ。ジンの心は私が貰いに行きますよ?」
「ふふっ、言うようになったわね? だけど安心しなさい。ジンは絶対私が振り向かせるわ」
レベッカとマーシュは、一度目を見合うと、意を決したように目の色を変えると、暴走族の元へと向かっていく。
「すいません、そんなに喚き散らされると近所迷惑ですので声の大きさを下げてもらえます?」
レベッカが嘲笑っているかの様な笑みを浮かべながら、喚き散らしている男に言う。
「あぁ? んだテメェらは? 俺は今家の舎弟傷付けた奴を探してんだよ。女には用はねぇぞ?」
「れ、レベッカさん!?」
「あぁ? んだ知り合いか? ……はぁん、そういう懇談か」
「あら? バレちゃいました? そういう事ですので、その方を離して頂けると嬉しいのですが?」
「そりゃあ無理だな。こいつとガキは仲がいいそうだからなぁ? こいつでガキを釣るんだよ」
「それは貴方の横にいるボロボロの方から聞いた情報なの? それともエレンさんに聞きましたの?」
「どっちだと思う? この女には手は出しちゃねぇぞ?」
「手は、ですね?」
「おう。あたりめぇだろぉ? 女に手を出す趣味はねぇぞ?」
「そうですか……まぁエレンさんの目元のクマを見ればわかりますわ。全く、女の方に自白魔法をかけるなんて。それも眠らせずに。外道ですわ」
「あぁ? 俺を誰かわかってその言葉を吐いてるんだよなぁ?」
「えぇもちろん。世界に名高い……いや、悪名高いグスタフ=オズットさんてすわよね?」
「この糞女が。てめぇこの女がどうなってもいいのか? そんな口聞いてるとぶっ殺すぞ?」
「まぁ! 女の子に脅迫なんて! 怖いですわー!」
「舐めやがって……悪ぃのはてめぇだからな?」
グスタフはそう言うと、腰に付けていた短剣を取り出す。
だがレベッカは、グスタフが短剣に手を当てた瞬間に、拘束されていたエレンの元へ一瞬で行き、エレンを男から離して抱き抱えると、元いた位置へ一瞬で戻る。
グスタフは、小さく舌打ちをする。
「テメェ……上級冒険者か……本当に舐めやがって……」
「エレンさん大丈夫かしら?」
「私は大丈夫です……それよりジンは!? 大丈夫なのですか!?」
「大丈夫だわ。こいつらの裏取りをしてと私が頼んだのよ」
「そ、そうなの……良かった……」
そう言うと、自白魔法と不眠のせいでエレンは眠ってしまった。
「マーシュ。エレンさんを頼んだわ」
「えぇ。回復支援は任せてください」
「頼りにしてるわ」
そう言い、エレンをマーシュの足元へ寝かせると、レベッカはグスタフへ向き直る。
「さぁ、私が相手をしてあげますわ。その頬の傷以外にも沢山の傷をつけて差し上げますわ」
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