冒険者は最強職ですよ?

夏夜弘

僕が守らなきゃだめなんだ 2

「かなり突然ですね……場所はどこです?」

『場所はベルネードル。前回と同じね。敵討ちと言ったところかしら?』

「まぁ来るとは思ってましたけど……到着予定はどれくらいです?」

『この調子だと三日ね。それと、数は前回の倍近くいるわ。それに今回はやばいのが一人いるわ……』

「女神様がやばいって言うなんて……相当なんですね?」

『えぇ……』

 何が起きてるのかわからないへレーナは、レベッカに訊く。

「ジンは誰と話してるの? それに女神様って……」

「その事は後ほどジンから聞いてください。今は静かにジンが話し終わるのを待ちましょう」

 そう言われたへレーナは、とりあえず頷いてジンを見る。

「じゃあ今から走って帰ってベルネードルで待機します。もし接近が早まったら教えてください」

『わかったわ。最後に一つ。そのやばい奴からは私も今まで感じたことのない力を感じる。多分魔王が何かしたんだわ……充分に注意して。じゃあ一旦この力は切るわね』

「わかりました。では後ほど」

 話し終わると、ジンからはオーラが散っていく。

「ジン……今のは何なの?」

「今から話します。時間がないので細かいところは省きながら話します」

 それから、ジンは自分の力の事をへレーナに伝える。その事に最初は驚いたへレーナだが、無理やり理解する。

「そう……だいたい分かったわ。まだ少し信じ難いけれどね……」

「しょうがないです。でも今は時間が無いです。急いでベルネードルへ戻りましょう」

「それなら私に任せて頂戴。一週間に一度しか使えない私だけの魔法を使ってあげるわ!」

「「ま、まさか!?」」

「「んん?」」

 レベッカとマーシュは目を輝かせ、ジンとエレンは何の事だかわからず首を傾げる。すると、突然へレーナが詠唱を始める。

「……転移魔法陣展開。到着地点ベルネードル。瞬間移動魔法発動!」

 一分に渡る詠唱の後、へレーナが魔法名を口にすると、突然目の前が明るくなり目を瞑ってしまう。

「な、なんだ!?」

 ジンは何が起きたかまだ理解ができない。

「到着したわよ」

 どこに到着? まさか……

 恐る恐る目を開いてみると、ベルネードルの門が目の前にあった。

「何が起きて……」

「瞬間移動魔法ですよ! この魔法を使えるのはへレーナさんだけなんです! まさか体験できるとは……凄い凄い!」

 なんかマーシュさんが今までにない目の輝きをしている……そんなに凄いのか……?

「これ詠唱が長いから面倒なのよね……今回は時間が無いって言ったから特別よ?」

「やっほい!」

 お、またマーシュさんよやっほいが聞けた! 僕はそっちの方が嬉しいな……レベッカさんとかもやってくれないかな……

 そんなことを考えて、余裕ぶってはいたが、ジンは心のどこかで緊張していた。

 とりあえず門を潜り、宿へ向かった六人は、三日後の戦闘に備えて、できる限りの支度をする。

 レベッカ、マーシュは瞑想をし、へレーナは昼寝。……ただの昼寝。ジンは、ダネットから貰った剣の手入れ。エレンはウルフハウスへ戻った。

 剣の手入れが終わったジンは、ずっと女神が言ったことを考えていた。

「女神様が言ってた、やばい奴ってとんなやつなんだ……それに倍の数ってことは確実に僕達を殺しに来てる。エレンさんを巻き込む訳にはいかない。この町の人も避難させないと……」

 すると、扉をノックして、誰かが訪ねて来たため、ジンは中へ入るように促す。と、入ってきたのはへレーナだった。

「どうしたんです? 女神様の事が気になったんですか?」

「そうね。詳しく聞きに来たの。それと、私の力を一応教えとこうと思って。その方が作戦を立てやすいでしょ?」

「ですね。わかりました、僕が誰で、何をしなきゃいけないかを話しましょう……」

 それからは、ジンは事細やかに説明し、質問されては丁寧に答えた。

「へぇ……じゃあジンは元々は別の世界の人なのね?」

「そうですよ。僕は魔王を倒すために女神様に呼ばれたんですよ」

「そうなの……お互い、頑張りましょう」

「はいっ! それで、へレーナさんのステータスや得意魔法を教えてくれるんですか?」

「えぇ。後でレベッカ達にも教えに行くつもりよ。まずはジンに見せようと思って」

「そうですか! 早く見たいです!」

「そう焦ることもないわ。ちょっと待ってなさい……」

 ジンの持っていた剣で、本の少しだけ指先を切り、血をステータスカードにつける。

 そして、文字が浮かび上がる。その数値を見て、ジンは言葉を失う。あまりの異常なそのステータスカードの文字に……

「冒険者は最強職ですよ?」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く