冒険者は最強職ですよ?
与えられた試練 5
翌日、レベッカとマーシュが謝り、このことは一件落着する。まぁそんな大きな事でも無かったが……
エレン、へレーナは依然として変わらない。だが、どうもへレーナだけは元気が無い。理由を尋ねるのはは、もしかしたら、訊かれて嫌なことがあるかもしれないので、ジンはそっとしておくことにした。
朝食を取ったあと、一同はそれぞれの訓練場所へと移動する。レベッカ達はホワイトと、ジンはレッドと一緒にその場所へ向かう。
その途中で、レッドが突然独り言のように喋り出す。
『あのエルフ、今は元気が無いだろ? あれは試練の一環だ。お主が気にすることではない。だからほおっておけ』
「…………」
ジンは無言のまま、ただ横を歩いた。
昨日と同じ庭に着き、準備体操をしたあと、ジンはレッドへ、とある提案をする。
「レッドさん、僕に何か制限を掛けてください。例えば目を瞑って闘えとか、剣は使わないで闘えとか……」
 
『その気持ちは悪くない。が、ダメだ。そのレベルにまだ達してはいない。我に一発でも攻撃を入れてみろ。そうしたら考えてやる』
「わかりました。ならいきます!」
ジンは、力強く地面を蹴る。
そして一時間後。
「はぁ……はぁ……」
『お主なぁ……頭が硬いぞ? 攻撃にばかり気を取られて防御が疎かになっている。それだから簡単な攻撃を食らってしまうのだ』
「そう言われてもですねぇ……」
『自分がやられる前にやる。それはたしかに良い、だがな? その相手にもよる。お主は格上の相手……前日の魔王幹部じゃな。あの様な相手と闘うときもそのスタイルで闘っておったのか?』
「そ、それは……」
『はぁー……図星か。本当に硬い。硬すぎる。一回脳ミソ改造してみるか?』
「それは嫌ですよ! サイボーグじゃないんですよ!」
『そういう事だ。嫌なら考え方を変えろ。まずはそこからだ』
「……と言われましても……僕にはそれ以外の考え方なんて思い浮かばないですけど……」
『しょうがない。参考までにだが我のスタイルを教えてやろう。我はこうだ。とりあえずぶっ殺す。以上』
「いやいや参考にならねぇ!!」
『そうか? このスタイルでずっとやってきたんだがなぁ……』
「脳筋だ……」
『まぁでもお主の考え方よりは良いだろう』
「たいして変わりませんよ……」
『だが我はやられる前にやる、というやり方はしておらん。そこの差だ』
「……ぐうの音も出ないです……」
『もっと周りも見ろ。気をさぐれ、魔力を感じろ、よく言うだろ? 考えるな感じろ、と』
「そんなの今の僕にできませんよ!?」
『じゃあまずはそこからだ。それが出来なければ我はお主とは組手はせん。良いな?』
「えぇ!? 具体的にはどんな訓練を……」
『我が魔法を放つ。それを目隠ししたジンが避ける。簡単だろ?』
「そんなの怖すぎるでしょ!? 下手したら死んじゃいますよ僕!?」
『そこは安心しろ。威力は極力抑えるからな!』
「何でサムズアップしてるんですか……信用なさすぎるでしょ……」
『まぁ課題ができた事は良かったじゃないか、これならただこうやって闘うだけの日々を過ごさなくて済む。良いじゃないか。な?』
「まぁそうですね。僕の欠点が見つかる事はいい事です。じゃあ午後はその訓練をしましょう」
『わかった。あ、念の為に言っておくが、一回も避ける事が出来なかったら夕飯抜きだぞ?』
「えぇ!? それは本当にですか!?」
『あぁ。じゃなきゃ面白くないだろ?』
「面白くないだろ? じゃないですよ! 魔法で死ぬ前に餓死で死にますよ僕!?」
『安心しろ。水は飲ませてやるからな?』
「いやだぁぁあ!?」
その後、ジンとレッドは一旦お昼休憩にする。汗でベトベトだったため、ジンは一度着替えて、その後に昼食とした。
そして、レッドが『そろそろ始めるぞ。それと場所を変える。あそこは我の魔法では壊しかねん。だから移動するぞ』
「はーい……ん? まって、あの広い庭が壊れるって何? 威力抑えてくれるんですよねぇ?」
『抑えるとも。だけども庭はダメだ。もしもの時のために場所を変える』
「もしもの時のためってなんだ!? 僕嫌な予感しかしないんですけど!?」
『お主の信じる師匠を信じろ。我は嘘はつかぬからな!』
「もうすでに嘘くせぇ!!」
『よし、では訓練場へいざ参るぞ!』
「やる気満々だぁ……死にたくねぇ……」
エレン、へレーナは依然として変わらない。だが、どうもへレーナだけは元気が無い。理由を尋ねるのはは、もしかしたら、訊かれて嫌なことがあるかもしれないので、ジンはそっとしておくことにした。
朝食を取ったあと、一同はそれぞれの訓練場所へと移動する。レベッカ達はホワイトと、ジンはレッドと一緒にその場所へ向かう。
その途中で、レッドが突然独り言のように喋り出す。
『あのエルフ、今は元気が無いだろ? あれは試練の一環だ。お主が気にすることではない。だからほおっておけ』
「…………」
ジンは無言のまま、ただ横を歩いた。
昨日と同じ庭に着き、準備体操をしたあと、ジンはレッドへ、とある提案をする。
「レッドさん、僕に何か制限を掛けてください。例えば目を瞑って闘えとか、剣は使わないで闘えとか……」
 
『その気持ちは悪くない。が、ダメだ。そのレベルにまだ達してはいない。我に一発でも攻撃を入れてみろ。そうしたら考えてやる』
「わかりました。ならいきます!」
ジンは、力強く地面を蹴る。
そして一時間後。
「はぁ……はぁ……」
『お主なぁ……頭が硬いぞ? 攻撃にばかり気を取られて防御が疎かになっている。それだから簡単な攻撃を食らってしまうのだ』
「そう言われてもですねぇ……」
『自分がやられる前にやる。それはたしかに良い、だがな? その相手にもよる。お主は格上の相手……前日の魔王幹部じゃな。あの様な相手と闘うときもそのスタイルで闘っておったのか?』
「そ、それは……」
『はぁー……図星か。本当に硬い。硬すぎる。一回脳ミソ改造してみるか?』
「それは嫌ですよ! サイボーグじゃないんですよ!」
『そういう事だ。嫌なら考え方を変えろ。まずはそこからだ』
「……と言われましても……僕にはそれ以外の考え方なんて思い浮かばないですけど……」
『しょうがない。参考までにだが我のスタイルを教えてやろう。我はこうだ。とりあえずぶっ殺す。以上』
「いやいや参考にならねぇ!!」
『そうか? このスタイルでずっとやってきたんだがなぁ……』
「脳筋だ……」
『まぁでもお主の考え方よりは良いだろう』
「たいして変わりませんよ……」
『だが我はやられる前にやる、というやり方はしておらん。そこの差だ』
「……ぐうの音も出ないです……」
『もっと周りも見ろ。気をさぐれ、魔力を感じろ、よく言うだろ? 考えるな感じろ、と』
「そんなの今の僕にできませんよ!?」
『じゃあまずはそこからだ。それが出来なければ我はお主とは組手はせん。良いな?』
「えぇ!? 具体的にはどんな訓練を……」
『我が魔法を放つ。それを目隠ししたジンが避ける。簡単だろ?』
「そんなの怖すぎるでしょ!? 下手したら死んじゃいますよ僕!?」
『そこは安心しろ。威力は極力抑えるからな!』
「何でサムズアップしてるんですか……信用なさすぎるでしょ……」
『まぁ課題ができた事は良かったじゃないか、これならただこうやって闘うだけの日々を過ごさなくて済む。良いじゃないか。な?』
「まぁそうですね。僕の欠点が見つかる事はいい事です。じゃあ午後はその訓練をしましょう」
『わかった。あ、念の為に言っておくが、一回も避ける事が出来なかったら夕飯抜きだぞ?』
「えぇ!? それは本当にですか!?」
『あぁ。じゃなきゃ面白くないだろ?』
「面白くないだろ? じゃないですよ! 魔法で死ぬ前に餓死で死にますよ僕!?」
『安心しろ。水は飲ませてやるからな?』
「いやだぁぁあ!?」
その後、ジンとレッドは一旦お昼休憩にする。汗でベトベトだったため、ジンは一度着替えて、その後に昼食とした。
そして、レッドが『そろそろ始めるぞ。それと場所を変える。あそこは我の魔法では壊しかねん。だから移動するぞ』
「はーい……ん? まって、あの広い庭が壊れるって何? 威力抑えてくれるんですよねぇ?」
『抑えるとも。だけども庭はダメだ。もしもの時のために場所を変える』
「もしもの時のためってなんだ!? 僕嫌な予感しかしないんですけど!?」
『お主の信じる師匠を信じろ。我は嘘はつかぬからな!』
「もうすでに嘘くせぇ!!」
『よし、では訓練場へいざ参るぞ!』
「やる気満々だぁ……死にたくねぇ……」
「ファンタジー」の人気作品
書籍化作品
-
-
11128
-
-
440
-
-
37
-
-
63
-
-
58
-
-
238
-
-
2
-
-
2813
-
-
768
コメント
くりす
支離滅裂