IF 平井ゆきは美人である。

みづか

2・【もし】私が可愛くなったら

あれからぐっすり寝て、朝起きた。
いつもの通り顔を洗おうと洗面台に向かった。
ふと鏡を見たら、私は可愛くなっていた。
睫毛は長く、目は二重でぱっちり、痩せ型で長い脚。
短くパサパサしていた髪の毛は、潤ったショートに。
これは、めいくらい…いや、明石柑奈レベルではないか?

昨日ひたすら悩んだ後だったからだろうか。私は別に驚かなかった。「あぁ、どうせ夢か何かだろうな。」
やっと可愛くなれた。やっと。やっと。やっと。
嬉しくて、口元が緩んだ。

時間も時間だったので、手早に洗顔を済ませ、リビングに向かう。
家族は別に、驚く様子もなかった。
いつもと何も変わらない朝だった。私の顔以外。

だから、いつも通り学校に向かい、いつも通り過ごそうとする。

バタフライエフェクトとでもいうのか、もっとあからさまなのか。
私が可愛い世界は、みちがえるほど違っていた。

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