京極さんと童話荘の人々と。
シンデレラですの〜!!
『ハッ!!』
京極は毛布にくるまれ玄関にもたれ掛かってそのまま寝てしまい朝を向かえていた。
「よかった。凍死してない。」
    あまりの寒さに寝ては死ぬと思っていたのだが目蓋がだんだんと重くなってきて抵抗をしたが眠ってしまった。
    京極は部屋に入ろうとまたドアを連打した。
「あの〜すみません!!このドア開けてください!!」
「誰ですの?こんな朝早くからって、なんですの!?このダンボールの山は!?」
ズタズタと玄関に勢いよく迫ってくる足音。『ガシャ』とドアが勢いよく開いた。
「まさかここはあなたの部屋ですの?」
「そうですよ!昨日の夜、急にあなたがやって来て外に追い出され朝まで外で過ごしていたんですよ!!引っ越し初日で大変でしたよ!!」
「すみませんですの、私が不注意だったせいで...」
    女の人は急にポロポロと大粒の涙を流しだした。
「あっ、いや、別に怒っているわけではないんですよ。その、あれですよ!あれ!」
    京極はなんとか泣き止ませようと必死だが全然フォローになっていない。
「あの、家まで送りましょうか?女の人一人では心配ですし。」
「よろしいですの?」
「あなたの住んでいる所は何処ですか?」
    女性に住所を聞くのは失礼だがこの場を乗り切るためだ。もう会うこともないから早く忘れて部屋の片付けをしよう。
「私の住んでいる所は童話荘の204号室ですの。」
    京極の首が錆びたネジ巻きのように右を向いた。
     み、右隣かよぉぉぉぉ!!!
「どうしんですの?あ!私の部屋発見ですの!!送っていただきありがとうございましたですの。」
    女の人は何事もなかったかの様に自分の部屋に帰っていった。
    どうするの?このままだと最悪の御近所初対面だよ!!もう一回会って挨拶をするのはかなりのハードルの高さだよ。だが、仕方がないこれからの御近所関係を良好にするためだ!!
    京極は心に決め隣の部屋のドアをノックした。
「あ、あの〜すみませ〜ん。」
「は〜い、どちら様ですのって先程家まで送ってくださった人ですの。どうなさいましたか?」
  あれ?この人、アホなのか?それとも天然?
「私は京極  誠といいまして、昨日からお隣に引っ越してきました。」
「まぁ!お隣さんでしたの!?どうりで家が近いわけですの。」
「はぁ...。」
  どうしよう。やっぱり、この人危ない人かも。
「朝御飯はまだですの?」
「えっ、まだですけど。」
  京極は突然な不意を突く質問に一瞬ポカンと気を緩めてしまった。
そういえば寒さに耐えていたから凄く腹が減ったな、温かい物が欲しい。
「じゃあ、私がお作りしますですの。部屋に上がって待っててくださいですの。」
「ほ、本当ですか!?ありがとうございます。」
    京極は言われるがままにお隣さんの家にお邪魔してしまった。
   「キレイな部屋だな〜」
   「そう言ってもらって嬉しいですの。」
    綺麗に整頓された本棚や、ピンク色のカーテンなど女の子らしい部屋だった。  
    女の人の家なんて何年ぶりだろう?久しぶりでなんだか緊張してきたな。
    正座をし、緊張と喜びが入り乱れて待つこと30分。
「お待たせしましたですの!」
    お隣さんが持ってきたのは湯気が立つ白米に味噌汁、焼き鮭にほうれん草のおひたしと日本の朝食という定番だった。
「すごくおいしそうです。頂きます!!」
    うぉぉぉ!!!温かくて美味しい!!久しぶりにこんな旨い料理食べたかも。
    京極は箸が止まらずに腕をずっと動かしていた。
「凄く嬉しいですの!!まだおかわりがありますのでもっと食べてくださいですの。」
   お隣さんは顔を赤くして満面な笑顔で喜んでいた。
「そういえば、まだお名前を聞いていなかったですね。お名前はなんて言うんですか?」
「私の名前ですの?私は『シンデレラ』と申します。」
「はい?」
  変な回答に京極の頭中が一気に真っ白になった。
「『シンデレラ』ってあの『シンデレラ』?」
「そうですの。あなたもどの物語からいらっしゃったのですの?」
    まさか、まだ僕が怒っていると思って和ませてくれようと!?なんて、なんて優しい人なんだ!!!と京極は頭の中で自らを強制的に納得させた。
「もう怒っていませんから大丈夫ですよ。冗談で和ませてくださりありがとうございます。」
   
「冗談ですの?私は真面目に答えていますですの。」
シンデレラと名乗るお隣さんは実に真面目な眼差しで京極の目をじっと見つめていた。
「へ?ど、どういうことですか?」
「まさか、お隣さんはこの世界の人間ですの!?これはヤバイですの!?大変ですの〜!!」
   シンデレラと名乗るお隣さんは急に京極の手を掴み外へと駆け出し、階段をもうスピードで降った。
  「何処に行くんですか!?まだ僕はパジャマなんですけど!!」
「大家さんに会いにいって説明をしてもらいますの!」
  京極はもう、何がなんだか分からなかった。
    
京極は毛布にくるまれ玄関にもたれ掛かってそのまま寝てしまい朝を向かえていた。
「よかった。凍死してない。」
    あまりの寒さに寝ては死ぬと思っていたのだが目蓋がだんだんと重くなってきて抵抗をしたが眠ってしまった。
    京極は部屋に入ろうとまたドアを連打した。
「あの〜すみません!!このドア開けてください!!」
「誰ですの?こんな朝早くからって、なんですの!?このダンボールの山は!?」
ズタズタと玄関に勢いよく迫ってくる足音。『ガシャ』とドアが勢いよく開いた。
「まさかここはあなたの部屋ですの?」
「そうですよ!昨日の夜、急にあなたがやって来て外に追い出され朝まで外で過ごしていたんですよ!!引っ越し初日で大変でしたよ!!」
「すみませんですの、私が不注意だったせいで...」
    女の人は急にポロポロと大粒の涙を流しだした。
「あっ、いや、別に怒っているわけではないんですよ。その、あれですよ!あれ!」
    京極はなんとか泣き止ませようと必死だが全然フォローになっていない。
「あの、家まで送りましょうか?女の人一人では心配ですし。」
「よろしいですの?」
「あなたの住んでいる所は何処ですか?」
    女性に住所を聞くのは失礼だがこの場を乗り切るためだ。もう会うこともないから早く忘れて部屋の片付けをしよう。
「私の住んでいる所は童話荘の204号室ですの。」
    京極の首が錆びたネジ巻きのように右を向いた。
     み、右隣かよぉぉぉぉ!!!
「どうしんですの?あ!私の部屋発見ですの!!送っていただきありがとうございましたですの。」
    女の人は何事もなかったかの様に自分の部屋に帰っていった。
    どうするの?このままだと最悪の御近所初対面だよ!!もう一回会って挨拶をするのはかなりのハードルの高さだよ。だが、仕方がないこれからの御近所関係を良好にするためだ!!
    京極は心に決め隣の部屋のドアをノックした。
「あ、あの〜すみませ〜ん。」
「は〜い、どちら様ですのって先程家まで送ってくださった人ですの。どうなさいましたか?」
  あれ?この人、アホなのか?それとも天然?
「私は京極  誠といいまして、昨日からお隣に引っ越してきました。」
「まぁ!お隣さんでしたの!?どうりで家が近いわけですの。」
「はぁ...。」
  どうしよう。やっぱり、この人危ない人かも。
「朝御飯はまだですの?」
「えっ、まだですけど。」
  京極は突然な不意を突く質問に一瞬ポカンと気を緩めてしまった。
そういえば寒さに耐えていたから凄く腹が減ったな、温かい物が欲しい。
「じゃあ、私がお作りしますですの。部屋に上がって待っててくださいですの。」
「ほ、本当ですか!?ありがとうございます。」
    京極は言われるがままにお隣さんの家にお邪魔してしまった。
   「キレイな部屋だな〜」
   「そう言ってもらって嬉しいですの。」
    綺麗に整頓された本棚や、ピンク色のカーテンなど女の子らしい部屋だった。  
    女の人の家なんて何年ぶりだろう?久しぶりでなんだか緊張してきたな。
    正座をし、緊張と喜びが入り乱れて待つこと30分。
「お待たせしましたですの!」
    お隣さんが持ってきたのは湯気が立つ白米に味噌汁、焼き鮭にほうれん草のおひたしと日本の朝食という定番だった。
「すごくおいしそうです。頂きます!!」
    うぉぉぉ!!!温かくて美味しい!!久しぶりにこんな旨い料理食べたかも。
    京極は箸が止まらずに腕をずっと動かしていた。
「凄く嬉しいですの!!まだおかわりがありますのでもっと食べてくださいですの。」
   お隣さんは顔を赤くして満面な笑顔で喜んでいた。
「そういえば、まだお名前を聞いていなかったですね。お名前はなんて言うんですか?」
「私の名前ですの?私は『シンデレラ』と申します。」
「はい?」
  変な回答に京極の頭中が一気に真っ白になった。
「『シンデレラ』ってあの『シンデレラ』?」
「そうですの。あなたもどの物語からいらっしゃったのですの?」
    まさか、まだ僕が怒っていると思って和ませてくれようと!?なんて、なんて優しい人なんだ!!!と京極は頭の中で自らを強制的に納得させた。
「もう怒っていませんから大丈夫ですよ。冗談で和ませてくださりありがとうございます。」
   
「冗談ですの?私は真面目に答えていますですの。」
シンデレラと名乗るお隣さんは実に真面目な眼差しで京極の目をじっと見つめていた。
「へ?ど、どういうことですか?」
「まさか、お隣さんはこの世界の人間ですの!?これはヤバイですの!?大変ですの〜!!」
   シンデレラと名乗るお隣さんは急に京極の手を掴み外へと駆け出し、階段をもうスピードで降った。
  「何処に行くんですか!?まだ僕はパジャマなんですけど!!」
「大家さんに会いにいって説明をしてもらいますの!」
  京極はもう、何がなんだか分からなかった。
    
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