世界最強も異世界に連れてかれると生きるのは本当に難しい

霊怜

プロローグ 召喚

「...では、こちらの依頼を受けますのね、御兄様」

「あぁ、でも、流石に相手は大群だ。俺ひとりでやれるのか?」

「御兄様なら大丈夫ですわ。だって、『覇王』ですもの」

「肩書きだけで実力を決められるのは嫌だな」

「実力から付いた肩書きですのよ?喜ばないと...」

『覇王』と呼ばれた1人の青年、レイス・ライラスは、魔獣の大群が現れたという報告を受け、その討伐の依頼を承諾した。

「さっ、行ってくるわ」

「いってらっしゃいませ、御兄様」

「おう、んじゃあまた...」

目の前の風景が変わった。

「あれ?」

「「1、2!1、2!1、2!」」

整地された砂の地面を、白と青の服を着た少年少女が列を作り、掛け声をしながら走っていた。

「...は?」

その時、1人の大人がレイスの姿に気付いた。

「そこの人!君は誰だ!」

「...ん?俺?」

急に声をかけられ、レイスは驚き、戸惑っていた。

「すみません、ここ、何ていう国ですか?」

レイスは恐る恐る聞いた。貫禄がすごい。俺より強いんじゃね?と、心の中では本気でビビっていた。

「日本だ」

「ニホン?」

なんだ、ここは。
その時、レイスは一つの可能性に気付く。

「瞬間、転移...!」
異世界へ転移させられたという事実に気付き、レイスはどうにかして目の前の先生に説明した。

納得してもらうのに、約4時間かかった。

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