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闇と雷の混血〜腐の者の楽園〜

音絃 莉月

2話〜【契約の儀】〜

お久しぶりです。皆様方。私1歳になりました。

パチパチパチパチ

イェーイ!
まぁ、はい。テンションがおかしい事は自覚しておりますよ。えぇ。

な・ん・と!
本日ついに、自分の姿を確認出来る!
いやぁ〜長かった。
今まで自分の姿を映してくれる物が周りになかったから、確認出来なかったんだよ。
いやね、俺の今までの行動スペースは水面もさらには、両親の瞳にすら映らないんだよ。さすがにおかしいな、って思い始めて来た頃にお母様とお父様が説明してくれた。

それによると、お母様はダンジョンマスター権限で、ダンジョン内の存在のステータスを表示することが出来る。それにより、俺は、パッシブスキル【魅了】を持ってるらしい。で、それがどんなものかというと。

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パッシブスキル【魅了】

常時発動で無差別に魅了しまくる為、使い所以前に傍迷惑なもの。だが、このスキルは『精神年齢が幼く本当に弱いスキルも抵抗レジスト出来ない者でないと効かない』という特性がある。具体的に言えば、1歳くらいまで。
例え、効いたとしても成長すると共に色々な物事を知っていく為余り効果はない。
そして、自分自信にも効果はある。

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と、こんな感じのスキルらしい。
.........使えねぇ。
強いて言うならベビーシッター?
でも、お母様が言うには『アクティブスキル【魅了】』が無効になるらしい。
プラス要素はここら辺だろう。

このスキルは魔族であれば割と多くの者が持っているらしく、それを知らずに自分の姿を見て魅了されることが結構あるらしく、魔族の大体が自信家で傲慢なのは、それが理由らしい。そして俺はそうならない為に今まで見せてくれなかったと。
なるほど、納得。納得。
...まぁ、俺の場合精神年齢とかは大丈夫そうだけど。

ちなみに、見せてもらったステータスプレートは読めなかった。お父様曰く、魔人族語と呼ばれるものらしい。
この情報はお父様が設けてくれた勉強の時間に得た情報だ。1歳で勉強とは早いと思うだろう。それが、俺が全ての言葉を理解している事に気付かれたのだ。むぅ、鋭い。

ちなみに、俺はこれまでで伝い歩きまでできる様になった。一応一人歩きも出来るのだが、すぐ転ぶ。転んでも、パッシブスキル【自己再生】があるから、すぐ治るのだが痛いものは痛いのだ。
それと言葉は単語をギリ伝えられるくらいまでしか成長してない。喉の発達は6ヶ月頃から急速に進み、殆どを喋れる筈なのだが何せ元日本人である。発音が難しい。

今までの勉強で教えてもらったのは大雑把なこの世界の事。
まず、此処は世界で一番大きな大陸である【ガラナシア大陸】の【ハラムス王国】に存在する【暗黒迷宮】と呼ばれるダンジョンである。
この世界には、人族ヒューマンの他にお父様の種族である獣人族ガブラスとお母様の種族である魔人族リベラ。その他にも、【ハラムス王国】の北西にある森の奥深くに住む森人族エルフ、火山地帯の一角に住む岩人族ドワーフ、上位竜の縄張りがある【龍王山脈】を超えた一年中雪景色の土地に住む竜人族ドラゴニュート、火山地帯の西の海に住む魚人族マーマン、雲の上にある天界に住む聖人族アンジェロが存在する。魔人族イビラは【魔大陸】に居て、獣人族ガブラスは【ガラナシア大陸】の人族領と火山地帯の間にある森に住む。

ちなみに、勇者とかはいない。魔物から国を救った英雄とかはいるらしいが、この世界の神々は争いが嫌いらしい。この世界にいる種族は、同じ神を崇めていてその神が争いを嫌う事で、仲の悪い種族や人族ヒューマンの間で小競り合いはあるものの、大規模な戦争は起きていない。正確には戦争を仕掛けようとすれば、何かしらの天罰が与えられて、戦争どころでは無くなるらしい。個人的な争いや、迫害とかはあるらしいが。
この世界の魔王は魔人族リベラの王の事を言って、特に世界征服を企んだり、破壊衝動があったりはせず、人族ヒューマンの王と同じ様な物らしい。
【ハラムス王国】は南西にある獣人国と交易をしていて、仲は割と良いらしい。
テンプレではなくて、何よりである。

言語は人語、獣人語、魔人語、が一般的で、それぞれの国では森人語、岩人語、竜人語、魚人語、聖人語があるらしいが、そもそも国に立ち入る事が殆ど無い為、覚えておかなくても良いらしい。あと、精霊語と古代語だ。
精霊語は、この世界の至る所に存在する精霊と契約を結んだ者が自然と使える様になるらしく、精霊との会話で使うらしい。
古代語は解明されていないものが多く、人々が神を信仰し始める前から存在する遺跡等で見られる。魔導具に使われる術式も古代語が使われている為、魔導具は価値が高い。

明日からは、口頭ではなく本格的に本を使って字の勉強も同時にするらしい。これまでも絵本(字がなかったから紙芝居?)の読み聞かせをしてくれてた。
勉強してて思ったが、この身体は容量が良いというか、一度覚えたら忘れないし、検索をかけるイメージで関連項目を探すみたいに思い出せるから、物凄く便利なのだ。前世からトラウマのせいで引きこもってた時間を、勉強と二次元1:1で消費するくらいには、勉強好きだったしな。

「ア〜ルく〜ん。七霊王様へのお披露目の準備するよ〜。」

「れぇおー?」

お母様『七霊王』ってなんぞ?

「七霊王様の説明はこれからするよ。
今日はお披露目。アルはまだ契約は出来ないだろうからね。」

「...?」

「鏡のある場所までは、ちょっと遠いからアルくんは抱っこだよ〜。」

「あーい。」

まぁ、その方が早いですもんね。楽ですし。
...え?プライドはないのかって?
そんなものこの1年で砕け散りましたよ?

お母様の腕の中から初めて出る未知の空間を見渡す。
今までの俺の生活空間は大きいベビーベッドのある子供部屋とそこから直接行けるバスルームのみだったからね。必要な物は全部用意されてたし。
子供部屋からは初めて出るなぁ。
なんか大理石みたいな長い廊下が続いてる。
これ、壁に掛かってるランタンの灯りって火じゃなくて、光る石?
高そうなふわふわの絨毯も敷かれてる。
ダンジョンマスターの能力すごい。

「でも、大丈夫かしら?アルくんは魅了がなくてもと〜っても可愛いもの。アルくんは私の天使だものねぇ。」

「大丈夫だよ。魅了の力で幻さえ見なかったら、一応は周りと全く別のものを見るわけじゃないからね。アルは賢いから自分と他人の感性が違う事はすぐ理解できるよ。」

お母様。流石の親バカですね。
お父様は現実を見れてますよね。常識人が居てくれて助かります。
まぁ、今世の身体には期待してるけど。
だってねぇ。両親の外見を見てれば期待したくもなるよ。

ここでもう一度、両親の容姿を説明しよう。

父、アルムは黒髪青目の獣人。
癖っ毛にタレ目っていうなんともおっとりした見た目だけど、たまに見せる肉食獣の本性がまた普段とのギャップがある。笑うと八重歯が少し見えるところもまた良いのだ。

母、マートルは黒髪赤目の吸血鬼。
直毛で長い黒髪は艶が出て天使の輪が出来てる。直毛なのに柔らかい髪質で、それなのに癖は付かない。不思議だ。
いつも目は細めてて柔らかい雰囲気が出てるけど、よく見るとちょっとつり目気味で涙ボクロが色っぽい。八重歯に関しては可愛いとかいうレベルじゃないけど。

取り敢えず、物凄い美男美女なのだ。
その2人の間に産まれたんだから、期待しても良いだろう。

「着いたよ〜。さあ、思う存分天使の姿を堪能して良いよ〜。」

俺は大きいドレッサー?の上に乗せられた。
目の前の大きな鏡には俺が...え?

あ...アルビノだったぁぁぁあっ ︎
...うそ?マジで?真っ黒な両親から白が産まれるのは不思議だが、それよりも!
俺ってこのまま成長したらアルビノの少年になるの?おぉ!本物のアルビノだ!

少し癖の付いたふわふわの真っ白い髪と、血のような赤い瞳。少しつり目気味だけど下向きの白い睫毛で目が隠れてるから伏せ目気味に見えて癒しオーラが出てる。
雪のような白い肌に少し薄い朱がさして、幼い見た目なのにお母様譲りの色っぽさがもう出て来てる。

でも、ケモミミも羽もない?
今までの感覚的にも有りそうな気はしなかったけど。

うぅーむ。それこそ、お母様の持つ堕天使っぽい翼が俺にもあれば完璧な天使なのに。
紙芝居?でお父様が教えてくれたけど、お母様のというかこの世界での『天使』っていうのは天空に住む聖人族アンジェロを『天の使い』だと崇めたことが起因だから、白い翼が生えたら今世でいう聖人族アンジェロの姿になれるのになぁ。
天使の輪はないけど。

俺は鏡の中の自分に向けていた視線を、振り向いて後ろで待ってるお母様の翼に向ける。

「ん?どーしたの?アルくん?」

「アル?」

生えないかなぁ。翼。
うむむ。まぁそんな簡単に生えるわけ...

「ひっ ︎」

なっ、なんかいきなり背中とお尻らへんに違和感が?
あわわわわ、へっ ︎...うぅー。勝手に服の中でもぞもぞ動いて、物凄い不快感が。

「...アル?」

「うぅー。」

あーやばい。いきなり来て今も続く不快感に緩くなった涙腺がぁ〜。


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結果、大泣き。
異変に気付いたアルムによって背中に二つの切れ目との付いたダボダボの服に着替えさせられ、二人にあやされて30分やっと落ち着いた。

お尻らへんに生えたモノの所為でパンツも履けず、現在ダボダボのシャツ一枚のみ。
物凄い恥ずかしい。砕け散ったプライドの欠片が反応してる。
落ち着いてから、鏡見て気付いたけど、翼生えてた。
...翼って言って良いのか分からないくらい小さいけど。
さらにはお母様にある様な尻尾と尖った耳。
髪に隠れて見えないけど耳の上に硬い感触もあるから角も生えたんだろうな。
八重歯が鋭くなって、舌を切らないか怖い。
つまりは、吸血鬼になりました。見た目も。
お母様を見て翼が生えるイメージをしたから、俺の中にある吸血鬼の血が反応したのだろうか。

取り敢えず、自分の状態を確認したところで、自分の天使が自分と同じ姿になって嬉しさ半分困惑半分のお母様に俺は笑顔で言った。

「てーしっ!」

そして、そんな事をすれば親バカのお母様は悶え苦しむ事になる。今も奇声を発しながら床を転げ回ってる。
そしてお父様は...。

「前に教えた聖人族アンジェロを想像して吸血鬼になったってことは、マートルの血の影響か。
ってことは、獣人族ガブラスを想像すれば俺と同じになるのか?いや、しかし...。」

なんか考え込んでた。お父様研究熱心ですね〜。
...ふむふむ。確かにイメージは完璧だったのに聖人族アンジェロにはならなかったしな。
獣人族ガブラスか。...豹。豹...うむむむむ〜。
...変わんないなぁ。じゃあ、猫科?
うむむ〜。ネコ〜ネコ〜ネコになれ〜。

「ん?どうしたアル?俺の顔に何か付いてるか?」

ネコ〜ネコ〜。.........っ!
頭の上に違和感が。背中の違和感は消えてるし。なんか、変な感じはするけど予想はしてたから今度は平気だ。

「ア、アル...。」

俺は困惑してるお父様に今世で一番のドヤ顔で言った。

「いっしょ!」

「っ!」

俺は『ピシッ』という効果音が聞こえそうな感じで時が止まったお父様を放っておいて、自分の姿を確認する。

頭の上に生えた耳と尻尾は、ふさふさで毛は割と長い方か?メインクーン程長くはないけど、短毛種の中でも長めみたいな?
それに物凄い毛が柔らかい。
これで自前のもふもふが出来た。耳の方の感触があるのが、違和感すごいけど。

床を転がってる人と石化した人が復活するまで、これで遊んどこ。


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体感一時間程経った今、獣人族ガブラスの方の姿でお父様の腕の中でお披露目の場所へ移動中。
石化サナギから復活しんかしたお父様が親バカになった。
親バカへと至ったお父様は獣人族ガブラスの姿を気に入ったらしく、腕の中から離してくれなくなった。お母様は『仲間が出来た』って喜んでるし。
あぁ、唯一の常識人が...。

「アル。着いたよ。ここが、薔薇園でありお披露目の会場だ。」

長い廊下が終わり見えたのは、青の世界。
蒼い空に青薔薇の庭園。見渡す限りの青の世界の中央に白い祭壇があった。
お父様とお母様はゆっくりとその祭壇へ歩いて行く。
その祭壇の上にあったのは、四本の青薔薇と青薔薇の大輪の花束でその中心に一本だけある虹色の輝きを放つ薔薇だった。

俺は祭壇の前に立たされお母様に青薔薇と一本の虹薔薇の花束を渡された。

「アル。七霊王様達は、この世界の至る所に存在する沢山の精霊達の王だよ。神様から虹薔薇を受け取った者は、七霊王様達に会う機会を与えられる。楽しんでおいで。」

「頑張ってね〜。アルくん。」

「え...」

お母様とお父様が少し離れると、祭壇と俺の周りは光に包まれた。

ちょ、ちょっと、お父様⁈
七霊王についての説明って、それだけなんですかぁぁぁぁあ⁈





遅くなりました。申し訳ないm(_ _)m

七霊王達の設定が決まらないぃぃ!

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