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月島 祐

ツンデレ

ウッチーと別れて春香と二人きりになった。

春香とは色々な話をしながら帰った。

なんで彼女と別れたのか、なんで甘えん坊なのか、そんな話が主だった。

「ん」

僕は半分冗談で春香に手を差し出す。

「え」

春香は不思議そうに答えた。

「だから手。」

僕は手を差し出したままそう言った。


「手は繋げないよ」

ようやく理解した春香は真面目そうに答える。


僕は「なんでだよ!」と軽く春香の頭をぺしっと叩きながら笑う。


「私は求めてないもん」

春香は真面目に答えた。


「おれは繋ぎたいの!心が寂しがってるんだ」

僕はなにを言っているのかと思いながらもそう言う。


「私は求めてないもん」

春香は半分眠そうに答えた。

「別に本気じゃないから」

僕はそんなことを言った。


僕はツンデレなのかもしれない。


ほんとは繋ぎたかった手。

春香を心のどこかで想っているのかもしれない想い。


素直になれなかった。


そんな会話を続けるうちに春香の家に着いた。

「じゃあまたね」

その言葉で僕たちは別れた。


僕にとってはとても嬉しい一日だった。

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