月島 祐

カラオケ

九条駅に着き、春香とウッチーと合流した。

「久しぶり!」

僕は二人に言う。

二人は

「はじめまして。春香です。」

「ウッチーです。」

二人は初めましてだった。


ウッチーは背が高くて絶対音感の持ち主でピアノがとても上手だ。

春香は髪が長くてお嬢様のような格好をしてきた。


そんな二人との再会に僕はさっきまで考えていた「距離感」なんてものを忘れていた。



「ウッチー道案内よろしく!」

「おう!」

ウッチーは慣れた様子で言った。



カラオケに着くまでお互いの出会いを説明したり、バイクの講習の話、僕が学校に行かなかった話など懐かしい話をしていた。


カラオケ店が見えるとみんなこどものように嬉しそうだった。


「いらっしゃいませ」

カラオケの店員さんが挨拶をする。

「三人で!」

ウッチーは答えた。


僕はカラオケの案内を済まして部屋へと案内される。



カラオケは楽しく盛り上がり、気が付けば歌の練習になる程だった。

「もっと裏声出してみれば?」

ウッチーは言う。

「裏声ってどうやって出すの?」

僕はシャウトやRockばかり歌うのでイマイチ出し方がわからなかった。


「裏声出したらもっと綺麗な声になりそう」

春香は僕にそう答えた。

裏声なんて出したことがない僕はウッチーと春香から裏のレッスンをしてもらった。

カラオケも時間が過ぎていき、春香が眠そうな顔になっていた。

僕とウッチーは至って元気だ。


春香はウッチーに寄りかかる。

内心僕は少し「なにしてんだよ」と思いながらも歌い続けた。

「ねえ、肩寄っかかってるよ」

ウッチーは指摘する。

ジェントルメンだ。

僕は気にせず歌い続けた。

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