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月島 祐

誘い

電話を掛けてもなかなか繋がらない期間が半年ほど続いた。


掛かってもする話はたわいも無い会話だった。


だんだん季節も移り変わり、春が過ぎ、夏が過ぎ、秋が過ぎ、冬になろうとしていた。


あの出会った8年前と同じ季節。


そんなことを思っていた。


僕は専門学校の友達のウッチーと遊ぶ約束を立てた。

と言っても大概僕が一方的に2時間前くらいに電話を掛けて何をするか決める。


「ウッチーなにしてる??暇なら遊ぼうよ!」

「いいよ!なにするか決めよう」

「カラオケでよくない?」


大概こんな感じでやることが決まる。



「九条駅で待ち合わせようよ」


九条駅。

初めて行くから不安はあったがウッチーに久しぶりに会うために行く事にした。



九条に向かう途中。

プルプル…

一通の電話が僕のスマートフォンに入った。


春香


久々の春香からの電話だ。


僕はハンズフリーにして電話に出た。


「もしもし」

「今から遊ぼうよ」

また突拍子もなく春香を巻き込む僕。

「やだ」

彼女は眠いからと言って誘いを断ろうとした。


「今日はウッチーも一緒だから」


「これから寝るもん」

僕はそんな春香にだんだんイライラしてきた。

「こんな機会滅多にないじゃん!いつなら遊んでくれるの?会ってくれるの?」

開いていく距離感にイライラが積もっていたのかも知れない。

「わかった行くよ!」

彼女はそう言って電話を切った。


僕は運転をしながらこの「距離感」に違和感を感じていた。

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