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月島 祐

繋がり

講習が進むごとに僕と彼女の会話も進んで行く。

「高校はどこ?」

僕は聞いた。

「私は泉高校だよ」

「おれは光学園」

泉高校と光学園は隣町にある高校同士だった。


僕は泉町を歩いていくのは初めてだった。

「場所が全くわからない」

僕は不安そうに言う。

彼女もわからなそうに
「私も家この辺じゃないからわからないんだよね」

と答えた。

ふたりで迷子じゃないか!なんて思いながら進んで行くとバイクの講習所があった。

バイク講習所と言ってもちょっと広い敷地にバイクが何台か並んでいるだけだった。

講習も難なく終わり、帰り道。

僕は何となくこのままバイバイはしたくないと思った。

「途中まで一緒に歩いて行っていい??」

僕のくちからとっさに出た言葉だった。

「途中まで一緒歩いて行こうか」

彼女もそう言うとふたりで一緒に歩く帰り道だった。


当時はガラケー時代だったので、メールアドレスも電話番号も全く聞いていなかった。

「あ…もしよかったら、アドレスと電話番号交換しようよ」

またすかさず出た言葉だった。

彼女は迷わず、
「いいよ!月島くんのアドレス登録するね!」
と言ってくれた。

僕は内心ドキドキしながらもこれが嬉しさなのかわからなかった。









これが彼女との最初の繋がりだ。

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