本日は性転ナリ。
After Story…Aya.2
『彩ちゃんおはよッ♪』
「おはよう♪あら、1人なの?」
私はそう言ってバスターミナルに到着したバスから降りてきた衣瑠の背後を見つめた。常に一緒に居ると思っていたのだけれど珍しい事もあるのね。
今日はこの前のお墓参りの"憂さ晴らし"として皆でとある場所に遊びに行く事になっている。
『なんか忘れ物したって言って"先行ってて"ってさ。てゆうか彩ちゃんも今日は1人なんだね♪』
ニコッと笑うその無邪気な顔をやっぱり可愛いと思ってしまう。
それを悟られないように"ふぅ"と溜息を吐き「稚華も忘れ物っ。そそっかしい彼女を持つと大変ねっ。」と笑ってみせた。
『ホントだよッ、でもそれが莉結だからね、ふふッ♪』
"あぁその通りだな"と思わず微笑してしまう。
だって稚華もそうだから。
いつも一生懸命で、何事にも手を抜かない稚華でも、頑張り過ぎるせいで時折"えっ、そこっ?!"というような失敗をしてしまう。
そんな所も稚華。
それも含めて稚華。
自分をはっきりと持っていない他人(ヒト)は"○○を見習え"とか"○○であるべき"だとか言うけれど、それは自分の理想や固定観念を押し付けているだけのように思ってしまう。
自分はジブン。
この社会で生き抜く為には周りに合わせる事も大事なのかもしれないけれど、周りと同じでは個性を持ってこの世に生を受けた意味が無いんじゃないかしら…
『ねぇー彩ちゃん、聞いてるっ??』
膝をツンツンとされ"えっ?"と横を向いた。
『やっぱり聞いてない♪あのさぁ、アレから稚華さんどう?その…今しか聞けないじゃん?』
「"どう?"ってあの後帰ってから"ヤバい…食べ過ぎた…キモチワルイ"とか言って2〜3日お腹壊してたわ♪」
『えーっ!!…まぁアレはさすがにヤケ食いし過ぎてたもんね…ッじゃなくて気持ち的にどうってコト!!』
「ごめん冗談ッ♪聞きたい事は分かってるって♪んー…特に変わりは無いかしら。逆に清々しさすら感じるわね。」
すると衣瑠はホッと胸を撫で下ろすように小さな吐息を吐き青く澄んだ空を見上げた。
『うん、なら良かった。』
「衣瑠のおかげね。」
そう言うと衣瑠は"えっ、なんで?"と言いたげな表情を見せる。
「私も今しか言えないけれど…」
ふと恥ずかしくなり私も空へと視線を向ける。
「私の今も衣瑠のおかげだよ。衣瑠と出会ってなかったら私はずっと1人だったのかもしれない。ううん、1人だった。」
そう言い終わって横を見ると、小動物を見るような微笑みを浮かべた衣瑠が"ふふッ♪"と笑った。
『彩ちゃんってさぁ、ホンネ言う時に喋り方変わるよねッ♪』
自分でも意識したことの無いコトを言われ、慌てて直前の言葉を振り返る。
「えっ…そんな、事は無いわッ!!」
確かに自分でも衣瑠と出会ってから、何も考えずにいつのまにか自分の気持ちを口にするようになった気がする。
"その時"はすごく気分が良くて、身体がふわふわしているように感じる。衣瑠と共に過ごした日々や、稚華といる時は特に。
そんな事を考えていると、夏の陽射しを反射して眩しいほどの光に包まれたバスが、蒸し暑い風の中へブレーキ音を響かせた。
「おはよう♪あら、1人なの?」
私はそう言ってバスターミナルに到着したバスから降りてきた衣瑠の背後を見つめた。常に一緒に居ると思っていたのだけれど珍しい事もあるのね。
今日はこの前のお墓参りの"憂さ晴らし"として皆でとある場所に遊びに行く事になっている。
『なんか忘れ物したって言って"先行ってて"ってさ。てゆうか彩ちゃんも今日は1人なんだね♪』
ニコッと笑うその無邪気な顔をやっぱり可愛いと思ってしまう。
それを悟られないように"ふぅ"と溜息を吐き「稚華も忘れ物っ。そそっかしい彼女を持つと大変ねっ。」と笑ってみせた。
『ホントだよッ、でもそれが莉結だからね、ふふッ♪』
"あぁその通りだな"と思わず微笑してしまう。
だって稚華もそうだから。
いつも一生懸命で、何事にも手を抜かない稚華でも、頑張り過ぎるせいで時折"えっ、そこっ?!"というような失敗をしてしまう。
そんな所も稚華。
それも含めて稚華。
自分をはっきりと持っていない他人(ヒト)は"○○を見習え"とか"○○であるべき"だとか言うけれど、それは自分の理想や固定観念を押し付けているだけのように思ってしまう。
自分はジブン。
この社会で生き抜く為には周りに合わせる事も大事なのかもしれないけれど、周りと同じでは個性を持ってこの世に生を受けた意味が無いんじゃないかしら…
『ねぇー彩ちゃん、聞いてるっ??』
膝をツンツンとされ"えっ?"と横を向いた。
『やっぱり聞いてない♪あのさぁ、アレから稚華さんどう?その…今しか聞けないじゃん?』
「"どう?"ってあの後帰ってから"ヤバい…食べ過ぎた…キモチワルイ"とか言って2〜3日お腹壊してたわ♪」
『えーっ!!…まぁアレはさすがにヤケ食いし過ぎてたもんね…ッじゃなくて気持ち的にどうってコト!!』
「ごめん冗談ッ♪聞きたい事は分かってるって♪んー…特に変わりは無いかしら。逆に清々しさすら感じるわね。」
すると衣瑠はホッと胸を撫で下ろすように小さな吐息を吐き青く澄んだ空を見上げた。
『うん、なら良かった。』
「衣瑠のおかげね。」
そう言うと衣瑠は"えっ、なんで?"と言いたげな表情を見せる。
「私も今しか言えないけれど…」
ふと恥ずかしくなり私も空へと視線を向ける。
「私の今も衣瑠のおかげだよ。衣瑠と出会ってなかったら私はずっと1人だったのかもしれない。ううん、1人だった。」
そう言い終わって横を見ると、小動物を見るような微笑みを浮かべた衣瑠が"ふふッ♪"と笑った。
『彩ちゃんってさぁ、ホンネ言う時に喋り方変わるよねッ♪』
自分でも意識したことの無いコトを言われ、慌てて直前の言葉を振り返る。
「えっ…そんな、事は無いわッ!!」
確かに自分でも衣瑠と出会ってから、何も考えずにいつのまにか自分の気持ちを口にするようになった気がする。
"その時"はすごく気分が良くて、身体がふわふわしているように感じる。衣瑠と共に過ごした日々や、稚華といる時は特に。
そんな事を考えていると、夏の陽射しを反射して眩しいほどの光に包まれたバスが、蒸し暑い風の中へブレーキ音を響かせた。
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