本日は性転ナリ。

漆湯講義

147.日々


『衣瑠ちゃんめっちゃ強いじゃん!!』
稚華さんが口火を切るとレイちゃんが目を輝かせて抱きついてきた。

『衣瑠ネェかっこ良かった!!』

「い、衣瑠ネェ??」

『いいでしょ??お姉ちゃんだもん♪』

「まぁ、悪い気はしないかな。」
と言いつつ親近感が湧くそのあだ名は満更でもなかった。
「ちなみに莉結のほうがもっと強いから♪」
そう言って莉結のほっぺたに指を押し付ける。
『ちょっとー!』
『えぇ?!そうなの??お姉ちゃんたち凄いんだ!!衣瑠ねぇと莉結ねぇが居れば無敵だね!!』



こうして楽しい(?)凧場巡りを終え、私たちは帰路につく。

私と莉結の間に"レイちゃん"という"妹"を挟んで仲良く手を繋ぎながら。

『また来たいなぁー…』
レイちゃんが呟く。
「また来年もみんなでこようよ♪」
『来れたらいいなぁ。』

その夜、私が携帯の待ち受けをみんなで撮った写真に変えた事は言うまでもない。


そんなこともありゴールデンウイークは毎日このメンツで過ごした。

街までプリクラを撮りに行ったり、意味もなく公園で話をしたり。

ショッピングセンターでお店巡りもした。
その理由には嬉しいものがあり、今までジーンズやTシャツという服装ばかりしていたレイちゃんが、"女の子らしい服"を見たいと言い出したのだ。

これには稚華さんも喜びを隠せないようで、"貯金を下ろしてなんでも買ってやるんだ!!"と豪語していた。
私もレイちゃんが自分自身を受け入れてくれた気がしてとても嬉しかった。

その日は一日中ショップを回って試着をして…気に入れば購入ということを繰り返した。

いざ買い物を終えると、半泣きの稚華さんが空になった財布を見つめていた。
『うん…コレでいいの。嶺が喜べばそれでっ…』


その後は頻繁に遊ぶ機会が増え、時折アヤちゃんも交えて出掛けたりもした。

これぞ青春!これぞ女子だ!!なんて日々充実した日を送っていたのだったが…

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