本日は性転ナリ。

漆湯講義

143.2人の姉

『えっと…夏菜子(かなこ)は…ねっ?』

そう言って手を胸の辺りまで上げる。

「えぇ?!それって…ホントっ?!」

そう、その手が隣にたつ"夏菜子さん"としっかりと指を絡ませて繋がれていたのだ。

夏菜子さんは驚いた様子で手を解こうとするが、『ダイジョーブ♪この子達は理解あるから♪それに…ほらっ♪ね?』そう言って私と莉結の繋がれた手に視線を送る。

え?なに?なんか今合図みたいなのしなかった…?

話を聞くと夏菜子さんは麗美さんのバイト先の後輩で、いい感じになっているらしい…

大変だろうな…夏菜子さん。

麗美さん達は自分の町で参加しているらしく、集合があるとの事で足早に去っていった。

『台風みたいな子だったね…でも、幸せそうだね♪…君たちも♪』
私の背中を"パン"と叩いて稚華さんが囁いた。

『こんな人混みの中でも知り合いに会うもんなんだねぇ♪』
莉結は辺りを見回して言った。

『私はあんまり会いたくない。知り合い。』

『レイは知り合いに会っても気付かれないからダイジョーブだって♪』

『私のモンダイ!!』

「あれ、レイちゃんって学校でどうしてるの??」

『"アレから"行ってないもん。』

あ…そうなんだ。確かに私みたいに平然と学校に通える方がおかしいのかもな。

『そーだ!!もしさぁ、私の知り合いに会ったら衣瑠ちゃんの"イモウト"って事にしてよ♪』

「え?別にいいけど親戚の子とかでも通るんじゃ…」

『そんなんじゃつまんないでしょ?それに"イモウト"って方がレイも嬉しいでしょ??』

するとレイちゃんはモジモジとしつつも満更でもなさそうだ。

『よろしく"オネエチャン"』

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