本日は性転ナリ。

漆湯講義

135.団欒

『…さてと。どうしようかな。』

「もしよかったら、ウチ…泊まる??」

『えっ…いいの?』

「だって…今日は…ここに居づらいんじゃない?」

『うん。ありがと♪』

…という訳で私の家に来たものの…

「何で莉結が…?」

『なんでって!彩ちゃんが誘ってくれたの!!それより今日2人が早退した言い訳大変だったんだから感謝してよー!!』

何で彩ちゃんが…?
てかいつ連絡先交換したんだよ…

彩ちゃんの顔を見ると、"ニコッ"と無邪気な笑顔が返ってきた。

ま、いっか♪この笑顔が見れたなら♪

『よしっ♪今日は莉結ちゃん特製鍋だからね!!』

「自分で言わんでよー。てかこの時期に鍋っ??」

『いいのっ!!はいっ!鍋パすたーとーっ♪』


半ば強引にスタートした"鍋パ"だったが、莉結の料理はいつになく絶品で、ガールズトークなる女子特有の会話の付加効果だろうか…5人前作った鍋もあっという間に無くなってしまった。
だけど、こういうのって幸せ♪

莉結は何も聞いてこなかったが、彩ちゃんも"莉結には"聞いてもらいたいとの事で、今日の出来事を話した。

莉結は『そっか。良かった…』と胸をなで下ろすと、急に泣き出してしまった。

「何で莉結が泣いてんの??」

『だって…良かったじゃん。彩ちゃん…辛かっただろうなって…私が泣くとこじゃないの分かってるよ!!だけどさぁ…』

彩ちゃんと顔を見合わせ微笑する。

莉結はこういうところが可愛いんだ。って。

片付けも3人いると早いもので、洗い終わった器を水切りに乗せ台拭きをぎゅっと絞り、アンテナみたいな布巾掛けに掛け、流し台の電気を消す。

「部屋行こっか♪」そう言ってキッチンの電気を消すと、窓の外から柔らかな月明かりが暗い部屋を彩った。

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