今日も俺は採取系の依頼をこなす。

ノベルバユーザー69231

女神との邂逅

「はぁ、もう一度言いますね。私の名前はアフロディアです。空間をつかさどる女神で、今いる場所は異世界転移の間と呼ばれる場所です。あなたは地球では死んでしまいましたが、異世界に行けます。
詳しく説明してもよろしいでしょうか。」


「大丈夫です。」
今度は間を開けずに答えられた。
ここで断る選択肢をとるのは考えられない。
 

「わかりました。では今すぐに異世界に転移させますね。」


「えっ、待ってください。」

・・・マジかよ。すごい焦った。
急に足元が光りだした時はもう終わったと思ったよ。
何もわからずに未知の世界に放り出されるとか、死刑宣告以外の何物でもないと思う。

でも、なんでいきなりそんなこと言ったんだろうか。
・・・
ああ、なるほどね。大丈夫ですを否定的?に解釈したというわけか。
確かに紛らわしい受け答えをしたけれども、普通に考えればわかると思うんだよ。
・・・もしかして馬鹿なんじゃないのかな。


「冗談ですよ。 最初に無視したいじわるのつもりです。
ちょっとくらいおちょくったっていいじゃないですか。あと、馬鹿とは失礼ですね。」

そういいながら、女神は近づいてきて、お互いに手を伸ばせば触れられる距離に来た。
すると、右手の人差し指を自分のおでこに軽く当ててきた。

「わっ、わかりました。
わかりましたから離れてください。お願いします。」

ちなみに女神が二度目?の紹介をする時にはもう神々しい光は消えていて、目線をそらす理由がなくった。しっかりと女神の顔をとらえている。
もちろん、こんな状況に高3の童貞が耐えられるわけもなく、心拍数が絶賛上昇中である。

高校にいたときは、遠くで見たらなかなかかわいいと思う女性でも近くで見たら、ちょっとないわーとか日常茶飯事の事だった。俺以外の男性だってみんな経験しているはずだ。

対して、目の前の女神は近くで見れば見るほど美しさが増して、しぐさやおちょくり?でキュートな感じも伝わってきた。今まで見てみてきた女性が少し哀れに感じるくらいだった。

・・・流す所だったが、考えていたこと地味に読んできた。
馬鹿と考えていたことが、しっかりと伝わっていた。
ごめんなさい。


「ふふ、ありがとうございます。 許しますよ。
説明の件ですが、詳しくと言ったのですが、質疑応答形式でもよろしいでしょうか。その方があなたが知りたいことを的確に教えられると思いますので。」


「わかりました。
それではまず、俺は一般人ですか。」

女神が離れて少し心に余裕が生まれたので、考えた末に答えが出なかったことをまず聞いた。
正直に言うと期待している。
他に大事なことがたくさんある気がするが、どうしても気になっている。
そして、やっぱり普通に心読んでいるな。
あーあ、離れたときに、確かに気持ちが楽になった。
けど、同時に後悔の気持ちがあることも伝わっているのかな。



「伝わってますね。」
「その質問が最初ですが・・・。
少し、いえかなり変わっていますね・・・。きっぱりと言いますと、一般人ですね。
私は空間の神ですので詳しくは知りえませんが。」


「そうですか・・。」
やっぱり一般人だったのか。
まあ、期待していたが、正直今更どうでもいいことだ。
しかし悲しい気持ちがない訳でもない。



「そうです。逆に一般人だったからこそ転生の権利を持つことができたのですよ。考えてみてください。
例えば、ヒトラーのような方を異世界に送ったとします。転移者は莫大な力を持つことが多いので、その力と生まれ持った人心掌握術を使い、彼は異世界を支配しようと動くでしょう。そして、たぶんそれは可能です。今回の転移で私達が望むのは、2つの世界の調和を図ることです。だから支配欲や独占欲の強い人では対象になりません。」


「どういうことですか。」

確かに、第一次、第二次異世界対戦とか壮大なことになりそうだけど、どういうことだろうか。
小説やアニメの異世界転移の定番といえば、女神にチートスキル貰って、俺強えーなのに。
各国の姫様を嫁に貰ってハーレム生活とかほぼその世界支配しているのと変わらないと思うけれど。



「簡単に説明しますと、現在、地球は人口増加や自然破壊などといった多くの問題を抱え込んでいます。
そのため、近未来、地球から異世界への大移動を起しなければなりません。その時にこの世界は、地球人には合わなかったと死なれても困ります。だから調和が必要なんですよ。数ある異世界のうち全く異なった世界をいくつか選び、そこに転移者を送り、過ごしてもらうことで、世界のマナを地球人に合うようにするんですよ。だから、普通に生活してくれればそれでいいのです。」



「大体わかりました。
でもそれじゃあ、行く世界が俺に合わなきゃ死んでしまうんじゃないですか。」
確かに大体の理由は分かった。
でも、異世界行っても酸素がなくて息できなくて即死亡とかなんかありそうで怖いんだが。


「そういうことにはなりません。行く世界にあった力を一つ、まあ、今回の世界では魔法になる訳ですね。その力を得ることによって、その世界のマナに合うようにして送るんですよ。
言ってしまえば、地球人と異世界人のハーフというわけですね。息できなくて即死なんてことにはなりませよ。だから、安心して下さい。」

そこら辺はきちんと対応してくれるらしい。

「とりあえず安心しました。どんな世界なんですか。」
まあ、次の質問はこれだね。アニメのような世界だといいな。
男しかいないみたいな世界だったら、潔く死のう。


「よかったですね、望んだような世界ですよ。わかりやすく言うと小説やアニメの世界のように”剣と魔法の世界”という感じです。職業やスキルがあったり、ステータスと呼ばれる概念もあったりします。」

やったね。これはぜひ行きたい。
それと...

「力をもらえるんですよね・・・。どんな感じですか。」
これも大事だよな。せっかく転移するんだから、あまり縦横無尽には振舞えないけれでも、チートスキルは手に入れたい。



「地球人は知識と技術はありますが身体はそれほど強くないことや、今回は魔法を覚えてもらう関係で、職業は魔導師にさせていただきますが、スキルのほうは、適正があるものなら自由に選んで結構です。
簡単に死んでもらってはこちらも困りますので、強力なものを引き出す予定です。
また、ステータスもそれなりに上げさせてもらいますよ。」

やっぱりこの流れは定番通りだ。
死なれては困るなら、いっそのこと...

「不老不死とかにできないのでしょうか。」

結構いい考えだと思うんだけどな。
自分も一生遊べるようになるわけだし。
一挙両得だ。


「無理ですね。不老不死にするためには、地球のマナがほとんど残らなくなります。
それを避けるためには、1つの力とそれを補助するもの、そして多少のステータスの上昇が限界です。
ひどいようですが地球では死んでしまった者、言ってしまえば、元の世界ではもう未来のない者の中から選んでいます。死ぬよりはマシという意識をもっていただければ、幸いです。
もちろん拒否もできますよ。その場合は、ここにいた記憶をすべて忘れてもらいますが。そうしましょうか。」


「すみませんでした。転生でお願いします。。」
ここまで来て、全部なかったことにするとか冗談じゃない。女神だと信じ地理由の約半分を信じた理由が消えてしまう。天に順うしたがう者は存し、天に逆らうものは亡ぶということわざ通りの展開になってしまう。これからは素直に従ったほうがいい。

「そのほうがいいですよ。では、手を出してください。」

「わかりました。」
そう言うと女神が再び近づいてきた。やっぱりドキドキする。
緊張して体が硬くなり頬が紅潮するのを感じた。手汗を心配した。  
深呼吸をして息を整えたのちに、右手を差し出した。

「・・・、・・・。」
その手を受け取った女神が両手で俺の右手を包むように触り、何か呪文のような言葉を詠んだ。
その瞬間、右手から暖かい感覚が伝わってきて、全身に広がっていくのを感じた。
俺ではないものが入ってくる感じがしたのだが、自然と不快に感じなかった。
































読んで下さり、ありがとうございます。
1話と違い、考えていること時の表現が少しワイルド?になっているようですが、それは緊張したり、焦ったりしているためです。
気になった方がおりましたら、ご都合主義だと考えてくれると幸いです。
基本的主人公は、論理完結型です。
成績は普通ですが、考えることが多いため、難しい表現や雑学を知っていたりします。
気になった方がおりましたら、4行前にの言葉で納得していただけると幸いです。



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