rowdy(仮名)
1-10(魔女事後編)
「痛い!イダダダダダタァ!」
蝋燭の明かりが頑丈な、
しかし何処か暖かみのある部屋を優しく照らす一室で、
アラン神父に腕の包帯を巻かれているルーカスが悶絶の声を上げる。
「自業自得ですよ、ルーカス。
全く、80代の女性にあのような仕打ちをするとは…
少しはいろいろ考えなさい。」
ルセディオ大修道院からの帰り道、
二人が頼みたい事があるとアラン神父に見せたものは、
布で包まれたまま車のトランクに入れられたタニアの姿だった。
「あの時は驚きました。
最初はご遺体かと思いましたが…まさか生きていたなんて!
重傷人に対しての配慮があまりにも掛けています。
貴方もですよ、ヘンリー。」
包帯をギチギチと締め上げるアラン神父の後ろで、コーヒーを飲んでいたヘンリーの肩がビクリと揺れる。
「二人共大きく立派になったとついさっきまで思っていたのに…
まだまだ昔と変わりませんね。」
包帯を巻き終わったアラン神父の小言に、
ヘンリーは目を逸らし、ルーカスの眉がへにょんと下がる。
「いやー、あの、アラン神父ー?
少し包帯を締めすぎじゃ…」
包帯を指差しながら冷汗を流すルーカスに、
アラン神父は溜息をつきながら
「そのままでいいです。
君も少しは反省したほうがいいでしょう。」
そう言ってヘンリーに
「君は怪我をしていないのかい?」
と聞いた。
慌てて首を振るヘンリー。
アラン神父はそれを見て、
そうか、と言うと燭台を持ってドアを開ける。
「これから私はタニアの様子を見てたあとに休むから、
君たちも今日は休みなさい。
この部屋は好きに使っていいよ。」
そう言ってドアをパタンと閉めた。
部屋を沈黙が満たす。
先に沈黙を破ったのはヘンリーだった。
「…明日の朝にここを出発するから、さっさと準備して寝ろ。」
「うん…」
精神的にも肉体的にも疲れきっていた二人は、
アラン神父の小言でとどめを刺されていた。
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短めです!
ごめんなさい!!
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