あの日、あなたに

ヒナ

里桜と真生

〜真生のモデルデビューの時〜

里桜「(ドタドタ)真生!」
真生「なに?騒がしいんだけど?」
里桜「いやいや、なんでそんなに冷静なの!?(バンッ)これ、真生だよね!?!?」
真生「…そうだね。おれだね。で?」
里桜「『で?』って冷たくない?これいつ撮ったの?真生、モデルすんの?」
真生「さぁ、どうだろ?母さんたちが『してもいい』って言うんならやってみようかなって思うけど…」
里桜「やりなよ!真生って、美形だからさ、すぐ有名になるかもね(ニコッ)」
真生「…美形じゃないし、まだやるとは決めてない。だからさ…(ガタッ)」
里桜「…真生?」
真生「あんま、広めたりしないでよ?」
里桜「…あ、うん」



里桜「お母さん〜、これ見た?」
母「何?あ~、これね。知ってるわよ?前にお父さんから教えてもらったの」
里桜「え!?ちょっ、知らなかったの私だけ?」
母「(フフフ…)かもね」
里桜「で?お母さんはどう思ってるの?真生がもし、『モデルしたい』って言ったら?」
母「別にどうともしないよ?反対もしないし、賛成もしない」
里桜「どういうこと?」
母「あの子、真生の夢が『モデル』なんだったらその道に進んだらいいの」
里桜「反対はしないんだ…賛成、なの?」
母「正直いうと、本当は安全な道に進んでほしい。でも、こんなこといったら、縛り付けてるみたいで嫌なの。だから。…反対もしないし、賛成もしない」
里桜「そっか…昔から真生って、『モデルに興味ありませんか?』って言われやすかったからかな?本当に、モデルとしての道を選びそうだね」
母「真生もだけど、あんたの方が将来について早く考えないといけないんじゃないの?」
里桜「う…。そうなんだけど…」



里桜「(コンコンツ)真生?入ってもいい?」
真生「…なに?またなんか言いにきたわけ?そういうのウザいんだけど…」
里桜「(ガタッ)…あのね、真生。…私は、真生の幸せを願ってるんだよ(ニコッ)」
真生「…里桜?何、どうしたんだよ(ガタッ)…里桜?おい、本当にどうした!?何で…泣いてんだ?」
里桜「う、嬉し泣きっ!!!(ギュッ)」
真生「里桜!?」
里桜「…お願いだから、自分を貶すようなことは言わないで。真生は、私の大切な…大事な…弟なんだから。自信をもってほしいの。迷わずまっすぐに進んでほしいの。お姉ちゃんは、どんなことがあっても真生の味方だよ(ニコッ)」
真生「…うん。ありがと、里桜。…(ギュッ)…うん、ありがと。おれ、モデルになってもいいかな…父さんは嫌がるかな…」
里桜「嫌がらないよ〜。そもそも、お父さんたちも、その業界にいた人なんだから大丈夫だよ~。もし『ダメ』って言われたら私も一緒に説得するから〜。大丈夫、大丈夫。だから、安心してね。真生」
真生「うん。ありがと。里桜」

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