あの日、あなたに

ヒナ

蓮と里桜~出会い 1 ~

~4月8日高校の入学式~
蓮「(ドンッ)…って」
空手部1「なんだ?…その花、一年か」
空手部2「なにしてんだよ?はなく行くぞ」
空手部1「おう」
蓮「あの、当たったうえに謝りもしないんですか?それに、大柄な男が3人も並んで歩くと邪魔だってことにも気づかないんですか?」
空手部3「何が言いたいの?」
蓮「だから、邪魔だって言ってんの」
空手部1「こいつっ!おい、お前。名前は?」
蓮「はぁ?言う必要ある?どうせ、俺よりバカの癖に」
空手部2「お前さー。なに言ってんのか分かってる?たかが1年の癖に調子のってんじゃねーよ」
空手部1「おい、お前。ちょっとついてこい」

~校舎裏~
空手部1「俺たちは優しいから今ここで土下座でもするんだったら許してあげるぞ?」
蓮「はぁ?なんで俺があんたらに土下座しないといけないわけ?」
空手部3「(ハッ)馬鹿かよ。こいつ。いいか、お前は先輩に文句をつけた。それを謝罪しろっつってんの」
蓮「じゃあ、言い直そうか。なんで、人間のクズに土下座しないといけないわけ?」
空手部2「おとなしく聞いてりゃ、お前。ふざけんじゃなーぞ!(ゴッ)」
蓮「…っ」
空手部1「1年の癖に生意気なんだよ!(ガンッ)」
空手部3「あー、俺もやりてーわ(ゴンッ)」
蓮「…(ズサッ)」

里桜「なにしてんの?」
空手部1「あ?…なんだ、笹木かよ」
里桜「その子。1年生だよね?」
空手部2「そうだよ。こいつ、年上に対してマナーがなってないから今しつけてんの」
里桜「ふーん。私には、3人がそのこの事、殴って楽しんでるように見えるけど。あんたら、人殴って楽しいの?バカなんじゃない?」
空手部3「てめっ…」
空手部1「楽しんでるつもりは更々ないが、こんなやつ殴っても俺らに得はねーからな。こい、行くぞ」
空手部2「お、おう」
空手部3「っち」


里桜「大丈夫?」
蓮「…はい、あんたこそ…」
里桜「(ズサッ)…」
蓮「ちょっ、どうしたんだよ」
里桜「怖かった~(ニコッ)」
蓮「…。助けてくれて、ありがと、ございます」
里桜「(キョトンッ)(フッ)…どういたしまいて。もうすぐチャイム鳴るね。よっと、はい(ヒョイッ)」
蓮「…?」
里桜「手、だよ?手」
蓮「…ありがと、ございます」
里桜「気にしないで、教室まで送ろうか?」蓮「いや、大丈夫です」
里桜「そっか、気を付けてね(ヒラヒラ)」
蓮「はい。(ヒラヒラ)」


生徒会会長「これで、生徒会からの連絡は終わります。続いて、部活紹介をします。最初に運動部の…」

蓮友達A「怜。お前、部活はいんの?」
蓮「んー、どースッかなー」

生徒会会長「では、続いて。放送部の人おねがいします」
里桜「あ、はい!」

里桜「(スタスタ)…えーと、はじめまして。放送部2年の笹木です。放送部部長は、その、『めんどくさいから』と言って私に丸投げした人ですが…」
1年生「あははは(爆笑)」
里桜「あ、はは。でも、やるときはやる。そんな人ですので安心してください。早速、放送部の紹介をします。私たち、放送部は3年生5人、2年生2人の計7人で活動しています。人数が少ない分、学年問わず仲が良いので是非おすすめします。活動場所は放送室で活動内容は緩いですが、毎週火曜、木曜、金曜日に集まったりしています。気になった人は是非体験に来てみてください。(ニコッ)」


蓮友達A「やばっ、なにあの部活。ゆるすぎだろ。…怜?」
蓮「…見つけた」
蓮友達A「は?何が?」
蓮「俺、放送部に入る」
蓮友達A「は?マジで言ってんの?怜、お前…」
蓮「(キラキラッ)笹木先輩…」
蓮友達A「(フーッ)…まぁ、お前なら大丈夫か。頑張れよ?」
蓮「当然だろ?」



~放課後   放送室~
里桜「はー、1年生。来てくれますかね?」
放送部部長「来てくれるだろ?笹木の発表はよかったらしいしな」
里桜「あの!普通は先輩がやるんですよ?なのに、なんで私が…」
放送部部長「俺より断然、紹介がうまいから」
里桜「(バンッ)それ!理由になってませんから!」
放送部部長「でも、実際。部長の俺とかよりお前でよかったと思うぞ?」
里桜「そう、でしょうか?」
放送部部長「そうだって。自信をもて!」
里桜「…はーい」
蓮「(コンコンッ)(ガラッ)…入部希望者なんですけど?」

コメント

コメントを書く

「恋愛」の人気作品

書籍化作品