箱の中で
第5話 ウサギの恐怖。
綾「でも、私たちがもし嘘を付いていてもバレないんじゃないかしら。」
ポツリと綾が呟いた。
輝花「そうか…そうだよ!嘘つけばいいんだ!」
私と綾は小声で会話をする。
うさお「あっ!嘘を使うなんて、考えないでね…?君たちが寝てるあいだに、頭の中に特殊な装置を仕込んでおいたんだ!」
綾「そ、そうち…?」
綾が不安そうに言う。
うさお「そう!だから、もし君たちが嘘をついていたら、この部屋の警報機が作動するんだ!そしたらボクが殺しに行くよ…!」
ウサギのキャラクターは、不敵な笑みを浮かべる。
輝花「そんな……」
うさお「ふふふっ!じゃあ!行くよ!ゲームスタート!」
チャラリラチャラ〜ン!!
うさお「まずは、綾ちゃんから!君は、輝花ちゃんに嘘をついている。YESかNoで、答えてね!それ以外の言葉を発してはいけないよ!」
綾「…YES……」
綾の言葉を聞いて悲しくなった。私に、嘘をついているなんて…
うさお「綾ちゃんは、昔、輝花ちゃんのクマのぬいぐるみを故意に壊したことがあるね?」
その言葉を聞いた瞬間、綾の顔が豹変する。すごく焦っていた。
綾「…い、YES……」
輝花「…っ…!…そんな……綾!…」
うさお「さぁ!輝花ちゃん!この嘘を受け入れる?受け入れない?」
綾は少し震えていた。
輝く 花「こんな、事で……綾との絆を切ったりしない!」
うさお「ほほう!やっぱり、幼馴染なだけあって仲がいいな…じゃあ!次は輝花ちゃん!君は綾ちゃんに嘘を付いているね?」
私は、答えたくはなかった…バレたくない…そんな感情が心を巡る。
輝花「………YES……」
私が言うと、綾がびっくりしたような顔でこっちを見る。私はギュッと目を瞑った。
うさお「じゃあ、輝花ちゃんは学校にいる女子不良グールプと綾ちゃんの陰口を言ってるね?」
心拍が上がる。ドクッドクッドクッドクッと、どんどん早くなるのが分かる。冷や汗が、止まらない。
うさお「どうなの?YES?それともNo?」
輝花「……ぃ……いえ、、す……」
綾が、
今にも泣きそうな顔でこっちを見ていた。
綾「こう…か…?…」
うさお「あっはははははは!言っちゃったねぇ〜!さぁて、綾ちゃん!受け入れる?受け入れない?」
お願い!受け入れて…じゃないと…殺される。私は心の中で叫んでいた。
うさお「輝花ちゃんは、君の知らないところで、悪口言ってたんだって〜!許せないよねぇ?ボクが殺してあげようかぁ?君が受け入れなければ、ボクが殺してあげるよぉ?どぉするぅ〜?」
輝花「いやぁ!やめてぇ!」
ウサギのキャラクターは、二タニタと笑いながら綾を唆していた。綾は、ブルブル震えながら私の方を見ていた。目から涙が、ポロポロとこぼれ落ちる。怖くて、怖くて、仕方なかった。
綾「…う……け…れ…………」
綾は、俯きながらボソボソと喋っている。
うさお「なになにぃ?」
綾「受け入れるわ!私達の絆をなめないでもらえるかしら?」
輝花「あっ…あや………ごめん…わ、たし……」
私は泣きながら謝る。
綾「泣かないで…誰にだって秘密の一つや二つあるものよ…だから…大丈夫!」
そう言って綾は私を抱き寄せる
輝花「あや、ありがとう!」
私はこの時気づかなかったのです。綾の目から涙が流れていたことに。
うさお「すごい精神力だ!うーん…このゲームは飽きたから違うゲームにしよう!もっと残酷なゲームにさ!」
私達は1回目のゲームをクリアした。
?「いきなり白い部屋に連れ込まれて、怯えているはずなのに……この精神力はなんだ…?早く…早く、壊してやらないと……まぁ次のゲームで終わると思うけどね………」
黒い影が笑う。
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