ようこそ!生徒会室から異世界部へ!

時塚オイモ

第23話 ようこそ!精霊の森と謎の声!

「この先が『精霊の森』です。」


僕達は、ルイーナ様の御息女、セシーナ様と一緒に馬車に乗って『精霊の森』に向かっていた。


2時間前・・・・・・・・・


『皆様に『精霊の森』へ行って頂きたいのです。』


『精霊の森?』


僕は、クランを見ながら不思議そうに聞く。


『そうですね。『精霊の森』については移動の途中にお話させて頂きましょう。私は王女の身ですので、行く事はかないませんが、私の娘セシーナが一緒に同行させます。ですので、場所についてはセシーナにお聞きください。』


『宜しくお願い致します。』


セシーナ様は笑顔で頭を下げ、挨拶をする。


青く長い髪はとても綺麗で、美しさを象徴していた。そして、まだ小さな姿はまるで天使にでも会ったかのような気がするほどの魅力を感じた。


まあ、小さな姿と天使なら直ぐ横にいたりするのだけど…………


『では皆様。どうかお気をつけ下さい。ご武運を祈っています。』


そして現在・・・・・・・・・


僕は馬車に乗り、何故かクランに抱きつかれながらセシーナ様に『精霊の森』がどういう所か聞こうとした。


「そういえば、セシーナ……さまは、えっと………」


「うふふふ。私は今、国の姫ではなく1人の冒険者です。ですので、気軽に『セシル』とお呼び下さいませ。ユウ様。それに皆様も。」


彼女は僕達を見ながら笑顔で微笑んだ。


「分かった。それじゃあ、セシル。僕の事もユウって呼んで。様は付けなくていいからさ。」


「分かりました。ユウさん。」


すると、他の皆もセシルに声をかける。


「宜しくね!セシルちゃん!私の事もノゾミって呼んでね!」


「宜しくにゃー!セシル!あ!私の事もリィンで良いにゃー!」


「あらあら。うふふふ。宜しくお願いしますね。セシルさん。私の事はエルとお呼び下さい。」


「はい!皆様。どうか宜しくお願い致します。」


皆の自己紹介が終わった所で、もう一度僕は彼女に聞きたかった事を聞いてみる。


「ところでセシル。さっき聞こうと思ったのだけど、『精霊の森』って一体どういう所なの?」


「はい。『精霊の森』は文字通り、『精霊』が住む森と言われており、その森には今は亡き『エルフ』も一緒に住んでいたとか。ですが、400年前災厄のドラゴン『パンドラ』が精霊の森を襲い『精霊』や『エルフ』を森と一緒に焼き尽くしてしまい絶滅させたと言われています。そして、後に来た英雄ユウ=フォルトシアスによって『精霊の森』でパンドラを封印したと言い伝えられています。それ以来、『精霊の森』は立ち入る事を禁じられてきました。」


僕は無表情に抱きつくクランを見ながら、『精霊の森』がどういう場所なのか、理解した。


てか!『精霊』に『エルフ』がいたのかよ!それが、絶滅ってふざけんなよ!この2つの種族は、ファンタジー世界になくてはならない存在だろうが!!一度は美人で有名な精霊様やエルフ様を拝んでみたかったよチクショーーー!!パンドラめー!この怨み必ず晴らしてやる!!


僕は赤い涙を流しながら、歯を食いしばっているとセシルが喋り出した。


「ここからが『精霊の森』です。」


其処は、本当にパンドラに焼き尽くされたのか疑ってしまうほど、周りは自然に溢れていた。


此処が………精霊の森……………


『ふふふふ。やっと来てくれた。』


僕は、呆然と自然豊かな光景を見ていると横から急に人の気配と女の子の声が聞こえたので慌てて横を振り向く。


「どうかしましたか?優さん。」


エル先輩が、僕の行動に気づいて聞いてきた。


「いえ……その、女の子の声が聞こえませんでしたか?」


僕はそう言って辺りを見渡すが、誰もいない。


「声………ですか?いえ、私には何も…………」


「空耳じゃないかにゃー?」


エル先輩や凛、それに他の2人も聞こえていないようだ。


「気のせい………なのかな。」


僕は不思議そうに思っていると、また何処からか女の子の声が聞こえてきた。


『こっちだよ。』


僕は、馬車から飛び降り声のする方に走った。


皆は慌てて馬車を止め、馬車から降りて僕を追いかけた。


『こっち。』


「待って!君は誰なんだ!」


僕は必死に声のする方へ走る。


『こっちこっち。』


僕は必死に追いかけた。そして、茂みから出ると僕は目の前の光景に驚いた。


其処は、大きな木が何本も立っており、その大きな木に人間が出入り出来る程の穴があった。そして、その穴から明らかに人間が建てただろう吊り橋が別の大きな木の穴に繋がっていた。そう。何処からどう見ても其処にあるのは…………『村』だった。


「何で………こんな所に村が…………」


僕は、驚きながら村に近づいた。すると


「誰だ!!!」


後ろから、気の強そうな女性の声が聞こえた。

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