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ようこそ!生徒会室から異世界部へ!

時塚オイモ

第8話 ようこそ!夢の世界へ!

昼休み 屋上・・・・・・・・・


「さて……それじゃあ説明してもらおうか?何故、勇姫さんが優に………」


不味い……希が小声で喋った言葉が金寺には聞こえていたのか?エル先輩に部活の事は内緒にしておくようにって言われているのに。


「優に…………」


ドクンドクンと心臓の音が鳴る。


「優に…………」


ドクンドクン、ドクンドクン………


「優に………ウインクした事について!」


「…………………え?」


「え?じゃないだろ!あの勇姫さんにウインクされるなんてどういう事か説明しやがれ!」


金寺は泣きながら怒り、僕の両肩を掴んで僕を揺さぶる。てか、泣くのか怒るのかどっちかにしてほしい。だけど良かった……希の声は聞こえてなかったみたいだ。


「いや……なんて言ったらいいか………」


とりあえず、何か言い訳を考えて誤魔化さないと!


「………まあいいや。言いたくないんだったら仕方ない。」


「え?いいの?」


「無理に聞くのは俺のルールに反してるからな!」


金寺は、ちょっと残念そうな笑顔で言うので諦めてくれたのかと思ったら


「だが!必ず俺の調査でお前達の事、絶対に暴いてやるからな!」


そう言って金寺は笑顔で捨て台詞っぽい事を言って、教室に戻って行った。


「ごめんな金寺…………」


そう言って僕も教室に戻る事にした。


・・・・・・・・・・・・


「うーん……あれ?ここは何処だ?」


気がつけば僕は見た事もない森の中に居た。小鳥の鳴き声が聞こえて日差しが気持ち良い。それに静かで落ち着く。辺りを見渡しながら歩いていくと、遺跡みたいのが見えた。僕は、遺跡に向かって歩いた。そして辿り着いた時、突然女の子の声が聞こえた。声のする方を向くと大きな石があり、その石の上に1つの白く綺麗な剣が刺さっていた。すると、白い剣の方から声が聞こえた。


「…………待ってる。」


そして、その言葉を最後に僕は気を失った。目が覚めると、そこは1年Aクラスの教室だった。


キーンコーンカーンコーン・・・・・・


「はい!今日の授業はここまで!」


授業終わりのチャイムが鳴り、先生は教室から出ていく。皆は疲れ果てた顔をして寛ぐ。そうか……授業の間にいつの間にか寝ていたのか。じゃあ、あれは唯の夢……だったのか?


放課後 異世界部(生徒会室)


「さて!今日も行きましょうか。」


エル先輩は微笑みながら両手を合わせる。


「行くって、異世界ですか?」


「それ以外、何処に行くにゃ!」


凛は当然のように僕にツッコミを入れる。


「えっと……それで、異世界の何処に行くんですか?」


少し不安ではあったが、同時に楽しみでもあった……のだが


「そうですねぇ。何処へ行きましょう。」


『…………え?』


突然の言葉にエル先輩以外、全員が呆然とした顔でエル先輩を見る。


「実はですね。異世界部の部活内容は、異世界の人々の『クエスト』、所謂お願い事やモンスターの討伐といった依頼をするのですが、今日は1つもクエストが来ていないのです。」


「えっと……それはつまり………」


「はい!暇です!」


エル先輩は両手を合わせて輝くような笑顔で清々しい程の即答で答えた。


「ええっ!?じゃあ、部活はどうするんですか?」


僕は慌ててエル先輩に聞くと


「なので、ちょっと困ってます。」


エル先輩は天使のような輝く程の笑顔で返す。てか、天使だったけ……じゃなくて!そんな、眩い笑顔で困ってます。って言われても全然困ってるように見えませんよ!てか、そこ2人!何で、簡単に納得してお菓子をボリボリ食べてるの!クエスト……だっけ?それが無かったら部活出来ないじゃん!部活の意味が無いじゃん!唯の溜まり場じゃん!というか、凄い今頃なんだけど……『生徒会室』を部室にしてたら、生徒会委員の会議室が無いじゃん!無いじゃん……じゃん………


僕はツッコミながらそう思っていると、エル先輩が後から付け足したような言い方で重大な事を喋った。


「あ!後ですね。異世界部は悪魔でも裏の部活です。表では私達は『生徒会委員』ですので、生徒会委員の仕事も部活の活動に入ってますから忘れないで下さいね。」


・・・・・・いつの間か生徒会委員になっていた………


しばらくして、急に希が僕に聞いて来た。


「そうだ!ねぇねぇ!優君は何処か行きたい場所はある?」


「え!?行きたい場所?行きたい場所って言われても、僕は異世界の事はまだ全然知らないからなぁ……」


「あ!そっか……ごめんね。」


希は僕が昨日、初めて異世界に行った事を思い出し謝る。


昨日、入ったばかりの異世界部に異世界の事なんて分かるはずもない。てか、やっぱり希って天然……と言うよりも、うっかり屋さんなのかな?けどそこも可愛い。


「そうにゃ!優に聞いても無駄にゃ!」


何故か凛は偉そうに両手を腰に当てて威張りながら笑う。というか、なんかムカつく!!


「そうねぇ。それじゃあ、希かリィンに良い場所を……」


そう言ってエル先輩は2人に頼もうとした時、僕は凛の言葉に少しイラッときたので、右手を挙げてエル先輩の言葉を止めた。


「あの!待って下さい!」


「どうしたのですか?優さん。」


「僕に……僕に!行きたい場所を選ばさせてくれませんか!」


『…………え!?』


皆は、僕が言った言葉にびっくりして呆然としていた。それもそうだ。昨日まで異世界が実在していた事に全く知らなかった僕が、異世界の何処かに本当に移動する事が出来るのか?でも……何故だろう?確証は無い。けど、何故か上手く行くような気がする。この自信は一体何処から来るのだろうか。自分でも不思議だ。


「ちょっ……ちょっと待つにゃ!優は私達の世界の事を全く知らない筈にゃ!そんなの出来る筈が無いにゃ!」


「そう……だよね。やっぱり僕じゃ………」


珍しく真面目な凛の正論に言葉が出ない。僕は諦めかけた時、突然エル先輩が僕の両手を握ってきた。


「いえ!もしかして優さんなら……」


そう言ってエル先輩は僕の手を離し、異世界に通じるドアを出す呪文を唱え始めた。


「汝。我が声を聞き、異界の門を解き放ちなさい。承認せよ。我が名はウリエル=チェシル!」


そして、呪文が唱え終わると目の前に異世界へと繋ぐ大きなドアが現れる。


「さあ、優さん。ドアの前に立って、行きたい場所を思い浮かべながらドアを開いてみて下さい。」


そう言ってエル先輩は、僕をドアの前まで誘導して立たせる。けど、ドアの前で行きたい場所を思い浮かべながらって、急に言われても……とりあえずやってみるか!悩んだってしょうがない!僕は覚悟を決めて目を閉じ、場所を思い浮かべる。そして目を開けてドアを開く。光が眩しすぎて一瞬、目を閉じて直ぐに目を開けるとそこは………………


「こ、ここは!?」


「嘘にゃ!?成功したにゃ!」


「優君!すっごーい!」


「あらあら。うふふふ。」


そこは………森の中だった。小鳥の鳴き声が聞こえて日差しが気持ち良い。それに静かでとても落ち着く。そう……ここは僕が今日、夢の中で見た景色と全く同じ場所だった。

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