妹はこの世界でただ一人の味方
熱中症
「ズビ...おびぐるしいところをお見せしました...」
ミリーはやや涙声になりつつも多少落ち着いたのか学たちに頭を下げて謝ってきた。
「辛いならもう少し休んでてもいいんだぞ。お前たちの人間嫌いから察するに信じないと思うけど俺たちは何もしないぞ。」
「・・・お気遣い感謝します。でももう大丈夫ですので・・・。」
学が言葉を発していた5秒程度の短い時間だったが気分が落ち着いたのかハキハキとしていた。
「ねぇねぇこれ何?」
学の後ろをついていた結衣は部屋の壁に飾られていた写真を指差しそう言った。
その写真には幼い少女とその父親らしき人物、そして日本人特有の顔つきをした人物が笑い合いポーズを取っていた。写真に写っている幼い少女はミリーの面影がある。
学もそう思った矢先、ミリーはそれに答えるかのように言葉を放った。
「それは私と・・・父と・・・まだ私たち獣人族が人間を拒絶してなかった時に撮った写真です。」
「昔は大丈夫だったんだな。」
「そりゃ何もしなければ嫌うことはないですよ・・・。無関心ってことはあるかもしれないですけどね。」
ミリーの付け足した言葉で学はあることを思った。
「無関心だった人間とそうじゃない人間がいたってことか?」
「ええ、そうですよ。元々この辺りをうろつく人は変な人ですけれどその中でも仲良くなった人はいますし逃げる人もいました。逃げられると言うのは昔からなので慣れっこなんですけどね・・・。」
「仲良くなった人ってのが一緒に写真に写ってるこいつか?」
そう言い学は写真に写っている男を指した。ミリーは頷きその言葉を肯定した。
「確か名前が天王寺 海助。彼は自分のことを特別な人間と言っていたかわいそうな人でした。」
「いやそれもうただの厨二びょ...」
「お兄ちゃん、それ以上は言っちゃダメだよ。その人の威厳の関わることだろうし。」
学の言おうとした言葉を結衣が遮った。顔も見たことのない人だが流石にかわいそうだろうと思ったんだろう。
「まあ痛い人ではありましたが優しい人でもありました。あなたたちみたいに強い力を持っているわけではありません。多分戦ったら幼かった私でも勝てる程度だと思います。」
どんだけ弱いんだよそいつ・・・。
学はそう思いつつもミリーの言葉を聞き続けた。
「その当時は例年以上の暑さのせいか気を失う者もいればそのまま命を落とす者もいました。」
ふぅ、とそこで一旦区切るかのようにミリーは息を吐いた。
「彼が言うにはどうやら熱中症というものらしいです。心当たりはありますか?」
「まぁそれなりに知識はあるな。」
「博識なんですね。私たちはその時初めて熱中症というものを知りました。」
ミリーは空を見上げたが天候は曇りだった。
「今日は曇りですね。」
「曇りは嫌いか?」
「そうですね・・・嫌いではないです。一番好きな天候は雪ですかね。」
「あっ、私と同じだ。」
結衣も割り込むように声を発した。かくいう学もミリーが雪と言った瞬間結衣のことを思ったのだった。
「獣人族というだけあってか私たちの種族は体温が高いんですよ。なのでできるだけ寒いほうが快適に過ごせますね。・・・きっと熱中症は暑さに耐性がないからかかったんでしょう。」
「たしかに暑さに慣れてないときついかもな。」
ふと思い出したように学はミリーへ疑問をぶつけた。
「そういえばその海助って人は今どうしてるんだ?あそこまでの人間嫌いだとここにいなそうな気がするんだが。」
「さぁ・・・私たちもそれを知りません。またいつか来ると言ってすでに10年近くが経っています。」
そう語るミリーの目は悲しそうに虚空を見つめていたのだった。
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以下作者のコメント
今更ですけど学いるじゃないですか?あれ最初の方に読み方書いたかもしれないんですけど皆さんなんて読んでます?がく、まなぶ、大半はこのどっちかだと思いますけど・・・
答えはコメント欄にて発表しまーす。
あ、そうそう。今友人が出したネタを僕が書いてる作品を投稿してます。面白くないのはネタがダメなのか、僕の書き方が悪いのか、もしくはその両方か・・・見て下さる人がいたら温かい目で見てやってください。
あとは・・・そうですねぇ。来週卒業式です。そんくらいしか思いつかないな。
終わり!また次回!(一応明日も投稿するけど3.11についてだから気分を害しそうな人は見ないことをオススメします。あといつものノリは明日しないんで。)
ミリーはやや涙声になりつつも多少落ち着いたのか学たちに頭を下げて謝ってきた。
「辛いならもう少し休んでてもいいんだぞ。お前たちの人間嫌いから察するに信じないと思うけど俺たちは何もしないぞ。」
「・・・お気遣い感謝します。でももう大丈夫ですので・・・。」
学が言葉を発していた5秒程度の短い時間だったが気分が落ち着いたのかハキハキとしていた。
「ねぇねぇこれ何?」
学の後ろをついていた結衣は部屋の壁に飾られていた写真を指差しそう言った。
その写真には幼い少女とその父親らしき人物、そして日本人特有の顔つきをした人物が笑い合いポーズを取っていた。写真に写っている幼い少女はミリーの面影がある。
学もそう思った矢先、ミリーはそれに答えるかのように言葉を放った。
「それは私と・・・父と・・・まだ私たち獣人族が人間を拒絶してなかった時に撮った写真です。」
「昔は大丈夫だったんだな。」
「そりゃ何もしなければ嫌うことはないですよ・・・。無関心ってことはあるかもしれないですけどね。」
ミリーの付け足した言葉で学はあることを思った。
「無関心だった人間とそうじゃない人間がいたってことか?」
「ええ、そうですよ。元々この辺りをうろつく人は変な人ですけれどその中でも仲良くなった人はいますし逃げる人もいました。逃げられると言うのは昔からなので慣れっこなんですけどね・・・。」
「仲良くなった人ってのが一緒に写真に写ってるこいつか?」
そう言い学は写真に写っている男を指した。ミリーは頷きその言葉を肯定した。
「確か名前が天王寺 海助。彼は自分のことを特別な人間と言っていたかわいそうな人でした。」
「いやそれもうただの厨二びょ...」
「お兄ちゃん、それ以上は言っちゃダメだよ。その人の威厳の関わることだろうし。」
学の言おうとした言葉を結衣が遮った。顔も見たことのない人だが流石にかわいそうだろうと思ったんだろう。
「まあ痛い人ではありましたが優しい人でもありました。あなたたちみたいに強い力を持っているわけではありません。多分戦ったら幼かった私でも勝てる程度だと思います。」
どんだけ弱いんだよそいつ・・・。
学はそう思いつつもミリーの言葉を聞き続けた。
「その当時は例年以上の暑さのせいか気を失う者もいればそのまま命を落とす者もいました。」
ふぅ、とそこで一旦区切るかのようにミリーは息を吐いた。
「彼が言うにはどうやら熱中症というものらしいです。心当たりはありますか?」
「まぁそれなりに知識はあるな。」
「博識なんですね。私たちはその時初めて熱中症というものを知りました。」
ミリーは空を見上げたが天候は曇りだった。
「今日は曇りですね。」
「曇りは嫌いか?」
「そうですね・・・嫌いではないです。一番好きな天候は雪ですかね。」
「あっ、私と同じだ。」
結衣も割り込むように声を発した。かくいう学もミリーが雪と言った瞬間結衣のことを思ったのだった。
「獣人族というだけあってか私たちの種族は体温が高いんですよ。なのでできるだけ寒いほうが快適に過ごせますね。・・・きっと熱中症は暑さに耐性がないからかかったんでしょう。」
「たしかに暑さに慣れてないときついかもな。」
ふと思い出したように学はミリーへ疑問をぶつけた。
「そういえばその海助って人は今どうしてるんだ?あそこまでの人間嫌いだとここにいなそうな気がするんだが。」
「さぁ・・・私たちもそれを知りません。またいつか来ると言ってすでに10年近くが経っています。」
そう語るミリーの目は悲しそうに虚空を見つめていたのだった。
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以下作者のコメント
今更ですけど学いるじゃないですか?あれ最初の方に読み方書いたかもしれないんですけど皆さんなんて読んでます?がく、まなぶ、大半はこのどっちかだと思いますけど・・・
答えはコメント欄にて発表しまーす。
あ、そうそう。今友人が出したネタを僕が書いてる作品を投稿してます。面白くないのはネタがダメなのか、僕の書き方が悪いのか、もしくはその両方か・・・見て下さる人がいたら温かい目で見てやってください。
あとは・・・そうですねぇ。来週卒業式です。そんくらいしか思いつかないな。
終わり!また次回!(一応明日も投稿するけど3.11についてだから気分を害しそうな人は見ないことをオススメします。あといつものノリは明日しないんで。)
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コメント
さらだ
報告有難う御座います
たーくん
買いてる作品になってますよ
さらだ
ぶっちゃけどっちでもいい(笑)
オタクの端くれ
まなぶ、の方が言いやすいからまなぶって読んでた。
(俺は凄く滑舌が悪い)
さらだ
あってる!