妹はこの世界でただ一人の味方

サラダアブラ

久しぶり

サァァァァァァ

小雨が降り続き、地面が水たまりばかりになった。

ピチャッ!

水たまりを踏み、水が跳ねた。

「ふむ・・・ここら辺か・・・。」

魔王はそう言うと風の魔法を使い、そのまま直線で空に飛んでった。
魔王がいる場所は学たちの家があった場所である。現在は学の収納に入っているため元あった空間は不自然な広さになっているため不気味になっている。
しばらく魔王が飛んでいると不自然に揺れる物体が見えた。

「・・・すぅ・・・すぅ・・・。」

覚えているだろうか?
フーロック・レジンパー・・・通称フロである。ちなみに幽霊だ。

「起きろ。レジンパー魔王が来たんだ。歓迎くらいするものだろう?」

「・・・すぅ・・・すぅ・・・。」

魔王は声をかけても起きないフロを掴もうと手を伸ばしたが、予想通り手は何も掴むことができなかった。
魔王は黙って収納から一つの剣を取り出した。黒い光沢が輝き、2m以上ある大剣だった。
それを取り出した瞬間周りの空気が変わった。今まで小雨だった雨は体を打ち付けるような強い雨になり、風も気を抜くと吹き飛ばされるような威力があった。
流石にフロもその気配に気づき起きた。

「・・・魔王?・・・久しぶりだな。何十年ぶりだ?」

あくまでも気軽に話せる友人のように言い、魔王もそれに深くは反応しなかった。

「40年ほどではないか?相変わらず見た目は変わらないんだな。幽霊っていうものはいいもんだな。」

「ああ。いつまでも若い青年で通るって得しかないぞ。もっとも幽霊というだけで疎遠されるけどな。はっはっは!」

フロは大爆笑していたが、魔王は一切笑わなかった。魔王は持っていた剣を振り掲げるとフロは逃げ出した。

「ストップ!ストップ!俺死ぬから!直撃したら絶対死ぬやつだから!」

フロが慌ててそう言うと魔王は黙って収納に剣をしまった。
魔法を纏い、切るその剣は幽霊であるフロにも通用するため脅しにはもってこいの物だろう。

「少し話がある。」

魔王が真剣な声でそう言うとヘラヘラした態度をやめてフロも真剣に聞くことにした。

「なんだ?」

「お前は数十年前私たち魔王軍と敵対していた。それも幹部を多く倒してもいる。なのに何故盗賊なんかに殺されたのか理由が知りたい。」





パチパチと燃える一つの村。人が血を流しながら倒れ人が戦い、また倒れていく。その繰り返しだった。戦っているのは村人と盗賊であり、一目で判別できた。
年寄りは除き、基本的な女は手錠をつけられ馬車に乗せられていた。
そこにたまたま通りかかった俺はある人物の顔を見て少し驚いた。

「・・・あれって国の二番隊隊長じゃねぇか?」

あの時村を襲っていたのは国でも有名な二番隊隊長が仕切ってた盗賊だった。

その時俺は思ったことがある。

「国って腐ってるんだな。」

俺はそう思って村人を助けるために走った。別に人助けをしたかったわけではない。褒め称えられたかったわけではない。
ただあんな奴を雇い、しかも国の精鋭部隊とも言われる隊長にしてる。そのくせこんな大して無くなってもいいような村を襲う。そんな隊長の歪んだ顔が見たかっただけだ。

村人を結果的に助け、二番隊隊長の絶望した顔を見れたので帰ろうとすると明日を滑らせて転んだ。転んだ先には刃物を持っている兵士がいてそのまま心臓へとーーー




「あのさ・・・あんまり過去を詮索するのはやめないか?人には思い出したくないことだってあるんだ。」

「いきなりドヤ顔みたいな顔で言われても説得力がないのはわかってるか?」

答える気がないと分かったらしく、魔王はため息をついた。

「ため息をつくと幸せが逃げるらしいぞ。やめておいた方がいいんじゃないか?」

「余計なお世話だ。私はもう帰る。・・・そういえば写真は見つかったのか?」

フロは一瞬言うべきか悩んだ後、軽いノリで別に大丈夫だと判断して言った。

「そんなもの最初っからない。」

魔王は驚き、少し目を見開いた。

「本当か?」

「本当だ。」

「・・・何故そんな嘘を?」

「面白いからだ。」

薄く笑いながらフロはそう言った。

「何故今それを言ったんだ?仮にお前が私達を見て手のひらで踊らされていたいて面白かったのなら今それを言うべきではなかったのではないか?」

「たしかに普段なら言わないだろうな。だけどもうすぐお前たちが始めることがあるだろ?俺は今それを楽しみに待っているんだよ。どちらが勝っても、負けても世界は大きく変わる。それを楽しみにしてるさ。・・・俺以外にもいると思うぞ。同じ考えの人間、もしくは魔族が。ふふふ・・・楽しみだ! しっかり楽しませてくれよ。」

魔王はフロを一瞥すると何も言わずに下に降りてった。完全に姿が見えなくなるとフロは誰にも聞こえないように小さな声で呟いた。

「最初っからないというのが嘘だと知ったらどんな顔するんだろうな。」

そう言ってまた小さな笑みを浮かべるのだった。



場所は打って変わりダンジョン二階
学と結衣の2人は目の前のあるものを見て呆然と佇んでいた。
学の目線で見ると、ダンジョンの通路は縦6m、横4mほどの大きさである。その大きさにぴったりと茶色く、所々に穴がある物体が張り付いていた。そのため2人は前に進むことができなくなった。

「うむ・・・どうするか・・・。別の道もなさそうだしな。」

鑑定で見てみるとこれはキラービーンの巣らしいしな・・・。嫌な予感っていうのはよく当たるもんだな。それはともかく、問題なのはこの中に何匹いるかってことだ。流石にさっきの量をこの距離で戦うのは辛い。もう少し距離あれば別だが。

「強行突破とかは? これを壊して。」

「まあ・・・それしかないか。念のため遠距離からの魔法で撃とう。ここまで接近してると戦いになった時辛くなる。」

2人は10mほど離れて、結衣が魔法の詠唱を唱え始めた時、その巣から一体のキラービーンが出てきた。学は結衣に詠唱を中断させると、学たちの方向にくるそれを見ていた。
学たちの目の前のくると、そのキラービーンは口を開いた。

「あなた達ですか?僕たちの仲間をたくさん葬ったのは?」

「・・・仲間ってのはあの虫か? 虫を殺しただけなのにあれこれ言われなくちゃいけないのか?それとも敵討ちでもするのか?」

「ええ・・・死んでったなかばっ!!」

多分「死んでった仲間」って言いたかったんだろうな。まあその前に殴って最後まで言えてなかったけど。

「結衣。詠唱続けて。」

「あ、うん。」

結衣が詠唱を始めると同時に、巣からは沢山の魔物が出てきた。学は刀を持って結衣の目の前に立った。キラービーン達は一斉に針を飛ばしてきた。学は浅く息を吐くと刀を小刻みに動かし針を全て斬っていた。
そんな攻防が3回ほど続くと結衣の詠唱が完了したので、学は後ろに下がった。
そして再びキラービーンが針を飛ばしてきた瞬間、結衣の魔法が炸裂した。
結衣が唱えた魔法はとても熱く、威力も高かった。しかしコンパクトにまとめ、キラービーンが広がってた広さ分にまとめられていた。
火が収まって2人は前を見てみると先程まであった巣は完全に消滅していた。
2人は何も言わずに先に進むと13階に上る階段を見つけた。お互い向き合って微笑み、無言でハイタッチした。


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以下作者のコメント
昨日に投稿できなくてすいません。夜書いてたらいつのまにか寝落ちしてしまいました。本当に申し訳ないです。

始業式が4/9だと思ってたら4/6でした。ショックを受けたと同時に宿題をやってない焦りが出てきました。
クソ・・・あの社会の先生め・・・。最後の最後に宿題を出しやがって。

序盤でフロが出てきましたが、覚えてましたか?何回風呂と変換したことか・・・。こいつもう出したくない(笑)
フロは幹部をいっぱい倒してます。けど殺してはいません。面白そうだからやってただけです。
実力は学たちよりは下ですが、それでも十分化け物のレベルです。

それじゃーまた。しつれーします。

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そういえば・・・この作品にアンチだと思うコメントがきたことありませんね・・・。まあきたら心がズタボロになる自信はありますが。読者の皆様が優しいんでしょうね。
最後の最後に失礼しました。

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コメント

  • サラダアブラ

    面白い・・・ですかね?結構好みが分かれると思うんですけど。

    1
  • ちょっと二次元が好きです

    面白いから気にならないだけでは?

    2
  • サラダアブラ

    だといいんですけどね・・・。
    それよりも読んでくださる人たちの気遣いが素晴らしいものだと思いますけど。

    1
  • 神田礫

    アンチコメがこないのはあなたの人の良さと作品の面白さのおかげてすよ。

    1
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