妹はこの世界でただ一人の味方

さらだ

シスコンとブラコン

名前を知らない店員が帰ったあと、大きすぎる居間で結衣と話し合っていた。

「簡単にステータスの話をしないか?言いたくないところは省いてもいいから。」

俺だって全部は言いたくない。自分からシスコンやら天才やら言いたくない。きっと結衣には天使などという称号があるだろうけどそれを言いたくなかったら言わなくていいし。とにかくお互いに秘密は必要だと思った。

「うん。私も少し言いたくないところがあるから・・・。」

やっぱり。称号に天使があるんだな。それは仕方のないことだな。なにせ結衣はこっちの世界でも地球でも人類一の美少女だからな。きっとこの世界一番の美少女でも勝てないだろう。

「じゃあまずは俺から・・・。ユニークスキルとしてスキル作成、スキル譲歩、ストア、ATMの4つがあった。まず説明をする前に最初に言った2つは少し制限があるんだ。・・・どちらとも結衣が近くにいないとダメなんだ。肝心の内容なんだけど、スキル作成は結衣が近くにいて、なおかつ親密度が高ければ高いほどいいのが作れるみたい。譲歩は結衣にしかできないみたいだし、ATMは通帳からお金を引き出すだけ。ストアは、こっちの世界で地球の素材を買えるスキルだよ。なんかオンラインショップみたいだった。」

流石にシスコンの称号の効果は言えない。この世界に来て結衣に引かれたら精神的にくるものがある。

「次は結衣の教えてくれないか?」


ー結衣sideー
「うん。いいよ。」

お兄ちゃんも言ってくれたんだ。私も言わないと。・・・でもブラコンは言わなくていいよね?

「私のユニークスキルは守り神と、努力っていう2つだけだったよ。守り神はお兄ちゃんが近くにいると1マイクロメートルの障壁を貼ってくれるみたい。お兄ちゃんのスキルと同じで親密度で高いほど耐久力が上がるみたい。もう1つのスキルは名前のまま努力した分だけ成長できるっていう効果だったよ。」

守り神の時は恥ずかしかったけど、それ以外は大丈夫だよね?ブラコン。言わなくていいのかなぁ。ステータス30倍って大きいよね。私はお兄ちゃん程頭が良くないから任せることしかできないんだけど、いつも私を信じてくれてる。それなのに私はそれを裏切る形になっちゃう。それは正しい選択なのかな?

「どうしたんだ結衣?具合でも悪いのか?まあ無理もないな。いきなりこっちの世界に連れてこられて意味がわからないままこうしているからなね。無理はしちゃいけないぞ。・・・あっ! せっかくだ。回復魔法でも作るか。」

目の前には心配してくれるお兄ちゃんがいます。こんなに優しい兄がいるというのに私は・・・。

結衣はずっと罪悪感で押しつぶされそうだが、学も言ってないのでどっちもどっちである。

「あ、あの・・・。お兄ちゃん。」

うん。こんなにお兄ちゃんが頑張っているのに隠し事なんて良くないよね。・・・お兄ちゃん軽蔑しないかな? 気持ち悪いとか言わないかな? ずっとずっと好きだったって事バレないかな・・・。

「どうしたんだ結衣?」

「私・・・まだ言ってないのがあるの・・・。」

大丈夫。お兄ちゃんはそんなことで・・・そんなことで・・・私をそんな目で見ないはず。

「結衣。言いたくなかったら言わなくていいと言ったよな。無理しなくていいぞ。」

・・・やっぱりお兄ちゃんは優しいな。

「大丈夫。もう1つは称号のことなんだけど・・・。・・・ブラコンってやつで、お兄ちゃんが半径100メートル以内にいるとステータスが30倍上がるみたい・・・。」


ー学sideー
時は結衣がブラコンの事を話し終えた頃

結衣がブラコン?ブラコンってあれだよな。ブラザーコンプレックスの略のやつだよな?確か男兄弟に対して愛着や執着も持つ状態の事を言うんだったよな。あれ兄妹でもいいんだっけ?
・・・あ、そうか。ブラコンの原因は解明されてないけど両親の問題や、社会的な不安と憶測されていたはず。
いや・・・待てよ。確かそれ以外にも(兄や弟に対する恋愛感情)や、(自分だけのものにしたい独占欲)も当てはまると聞いたことがあるな。・・・確かに俺が女の人と話していると結衣が不機嫌になる事があったな。
え? これって俺も言った方がいいやつかな? 結衣も頑張って言ったんだよな。じゃあ俺も言わないと兄ではないでしょ。

「結衣。実は俺も効果は同じなんだけどシスコンってやつがあるんだよ。」

ちょっと待って。これ予想以上に恥ずかしい! 結衣の目がどんどん冷たく・・・なってないな。うん。むしろ安心したような目だ。

「よかった・・・。気持ち悪いとか軽蔑されたら耐えられなかったよ・・・。」

危なかった。結衣が傷ついたら俺まで傷つくからな。文字通り一心同体だな。

「結衣。これは俺自身のお願いなんだが、称号には触れないでくれないか?精神的ダメージが半端ない。」

いや、ほんともうHP0超えてマイナスに入ってるって。

「うん。お互いやめようね・・・。」

それから数分間。お互い干渉し合わないよう気をつけた。



「さて。気を取り直してスキルを作るか。」

大丈夫。俺はシスコンなんかじゃない。妹を大事に思っているだけだ。それがシスコンか否かを決めるのは俺だ。他人じゃい。

「どんなスキルを作るの?」

スキルの条件上、結衣もそばにいないといけないので一緒にいる。そして疑問に思い首をかしげる結衣は可愛い!

「最初に結衣の不安要素を取り除こうと思う。結衣は優しすぎるからな。この家を買うときも俺の事を心配してくれた。なら心配のならないよう、体を強化するスキルを作ればいいと考えた。どうだ?」

俺の考えは体力増加や身体強化などそういった方面のスキルを作れば納得してくれると考えていた。というか考えた。

「それでも・・・この家は大きすぎる。」

・・・妹はお気に召さなかった良うです。まあ落ち着け。こういった対処法も考えている。

「なら最初に俺がスキルを作って結衣に渡す。そして俺がもう一度作って二人でやらないか?そっちの方が効率も負担も減ると思うんだ?」

完璧な考えだ。二人でやると効率が落ちる?そんなわけないだろう。確かに二人でやると効率が落ちるという実験結果はある。しかし! 実験は実験。結衣は一階。俺が二階を担当する場合。俺は速攻で終わらせられるだろう。なぜなら掃除をする結衣を見たいからな! 俺は結衣が見たくて早く終わらせる。結衣は俺に見られたくないから早く終わらせる。完璧だ。

「・・・それならいいよ。でも、振り分けは私を多くしてね。お兄ちゃんに成長したところ見せないと。」

「楽しみにしてるよ。」

じゃあ作りますか。うーん。とりあえず本で見たことのあるスキルを片っ端から作ってくか。


ー3時間後ー
兄妹のステータス

名前 霧崎 学
レベル 1

HP  300/300 ×30
MP   50/50    ×30
ATK  100       ×30
DEF  100       ×30

スキル
無限収納庫 初級魔法 中級魔法 上級魔法 特級魔法 初級回復魔法  中級回復魔法 上級回復魔法 蘇生魔法 レベルUP時のステータス上昇 経験値10倍 必要経験値十分の一  移動速度UP 身体強化(強) 鑑定眼 限界突破 掃除 

※レベルは全てMax。(めんどくさいので省略。)

ユニークスキル
スキル作成(妹)  スキル譲歩(妹) ATM ストア 

称号
シスコン 天才 転生者
_____________
無限収納庫
アイテムの収納量が無制限になる。ただし、生き物は不可。

初級魔法
生活するのに欠かせない魔法

中級魔法
魔物討伐に使える威力を持つ魔法

上級魔法
威力がとても強い魔法。人に向けると犯罪になる。

特級魔法
地形を変えるほどの力を持つ魔法。世界で使える人は数えるほどしかいない。

初級回復魔法
擦り傷程度の怪我を治すことができる。

中級回復魔法
骨折などの怪我を治すことができる。

上級回復魔法
命に関わる怪我や病気を治すことがで

移動速度UP
歩く、又は走る速さが5倍になる。速さは自分で設定することができる。

身体強化(強)
1日に2回まで使える。一回につき十分間。使うとHP、MP以外のステータスが10倍に上がる。加えてMP使用量半減。ただし連続して使う場合五分のインターバルが必要。

鑑定眼
レベル、ステータス、スキル、ユニークスキル、称号、身分、財産、名前、住所が分かる。任意で見ることができる。

限界突破
普通ではできないものでもそれを突破することができる。

掃除
掃除のやり方が上手くなる。
____________

名前 霧崎 結衣
レベル 1

HP  260/260  ×30
MP  150/150  ×30
ATK  10          ×30
DEF  5000     ×30

スキル
無限収納庫 初級魔法 中級魔法 上級魔法 特級魔法 初級回復魔法 中級回復魔法 上級回復魔法 蘇生魔法  レベルUP時のステータス上昇 経験値10倍 必要経験値十分の一 移動速度UP 身体強化(強) 鑑定眼 限界突破 掃除

_____________

結構強くなったな。基準が分からないんだけど。スキル作成を使って分かった。1つのスキルを作るごとにMPが1減り、MPは2分ごとに1回復した。さらに立っている時より座っている方が数秒早く回復した。

「ごめんな結衣。長々とつき合わせちゃって。」

「大丈夫だよ。それに考えている時のお兄ちゃんを見れたし。」

案外気にしてなさそうだな。でも長すぎだよな。多分2、3時間経ってると思うんだが・・・。

「疲れてると思うんだけど、もう少し頑張ってくれないか? 早く掃除して綺麗にしたい。」

居間は軽く掃除したからまだマシな方だけど他の部屋を見ると埃が溜まっていてきつかった。

「うん。スキル使って早く終わらせちゃおう。」

「じゃあ一階頼めるか?俺は二階してくるから。」

「うん! 頑張ってね。」

「結衣もね。あ、俺もでも怪我はしないでくれよ。もし可能性が1%でもあるなら俺がするから。」

「心配しすぎだって。大丈夫だから早く終わらそ。」

説得されて渋々二階に行くと結構な部屋の数があった。めんどクセェ。さっさと終わらそう。・・・ダメだ。ここじゃ身体強化が使えない。ここで使ったら間違いなくボロボロになる。

ズダァァァァン!

下から聞こえてきた。

「もしかして身体強化使ったのか!? 早く行かないと!」

俺は移動速度だけあげて走って行った。当たり前だがそこには今においてあった骨董品や、床がぬけていたりしている状態だった。

「おーい! 結衣! どこだ!? 」

瓦礫だらけで結衣の姿が見えない。どうすれば・・・って気配察知のスキル作れば1発か。
習得した後、早速使ってみると4メートルほど離れた所にいるのが分かった。よりによってタンスや、甲冑が多いところじゃないか!

「クソっ! 結衣! 大丈夫か!?」

結衣の上にある瓦礫をかき分けていくと気を失っている結衣を見つけた。すぐさま二階に連れて行き、1分で部屋の掃除を終わらせ、そこのベッドに寝かせた。ついでに上級回復魔法を使い一安心した。シーツをしっかりと胸元まで被せて結衣の目が醒めるまでずっといることにした。

コメント

  • さらだ

    自分に兄がいたらこんな感じがいいなと想像しながら書いています。必然的に優しくなっちゃいますね笑

    3
  • ちょっと二次元が好きです

    兄が優しすぎて和む

    3
  • さらだ

    ご報告有難う御座います。上級のつもりが上空になってました。すいません。また誤字があったらご報告してくださると助かります。
    これからもこの話をよろしくお願いします。

    6
  • kuroshi

    スキル説明の上空魔法って上級魔法ってことですか?

    6
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