妹はこの世界でただ一人の味方

サラダアブラ

どうしたい?

ここの工事現場。確か予定ではスーパーが出来るはずだったな。
3メートルほどの柵を登り、5つある倉庫のうち、1番端の倉庫に向かって走って行った。

「結衣に傷1つでもつけてみろ。地獄の果てまで逃げても俺が探し出して殺してやる。」

扉の前でリュックから自作のエアガンを取り出した。

正しい手順で撃てば人1人殺すことは可能だろうな。・・・まだした事は無いからな!
エアガンは普通空気の力で押し出す物だが俺は更にそこから回転力をつけ、威力を出すように改良した。更にBB弾は重めの0、4g。


「はぁ・・・ふぅ・・・。行くか・・・。」

俺は思いっきり扉をあけて転がり込み目の前にエアガンの銃口を前に向けた。

・・・が、誰もいなかった。変だな。確かに反応はここにあるんだが。

「・・・ん?なんだ?」

俺は一角で光ってる物を見つけた。そこに移動してみると爆弾があった。よもや行きているうちに現物を見ることができるとは・・・。

「うーん・・・。分からないな。ここで解除できたらかっこいいんだろうけど失敗したら死んじゃうよな。結衣といたいから解除はまた今度。時間も五分あるし。」

その後新たに爆弾を5つ見つけた。合計6個だ。俺は片手でビデオを撮っている。誤解された時証拠がないと辛いからね。

ーーッコンーー

静かな空間の中で音が響いた。何の音だ?誰かいるのか?結衣か?・・・それは無いな。結衣だったら必ず足音がするはずだ。履いて行った靴では完全に消す事は不可能だろう。という事は誘拐犯か。逃すかっ!

その瞬間

ーードガァン!!ーー

と下から振動が伝わって来た。

「そうか地下だったのか! クソ! 気づかなかった!」

バッグの中からタオル、水、防煙マスク、カメラを持って地下に続く階段を探しに走った。

運がいいことにすぐ見つかったな。どこだ?結衣・・・。無事でいてくれ。



・・・いた!ああ良かった!

「結衣!大丈夫か!?」

「え?」

こんな所に天使がいる! 驚いた顔も可愛いな!

「お兄ちゃん!なんでここにいるの!?早く逃げて!」

はぁぁぁぁ〜〜。そのとろける声でお兄ちゃんって。もうこのまま死んでもいいなぁ。
あ、いやでもその前に

「ははは。お兄ちゃん。お兄ちゃんって呼ばれたー! 結衣! もう一回。もう一回言って!」

お兄ちゃんなんて呼ばれたの久しぶりだなぁ。2人で暮らし始めてから言われなかったからなぁ。そこらへんの女優とかに言われても気持ち悪いと思うけど結衣だけは特別だな。幸せで心が満たせれていくよ。

すると
「早く逃げてよぉ・・・私は死んでもいいからさ・・・。お兄ちゃんだけ生きていてくれれば私は嬉しいよ。」

ダガァン! ガラガラガラ・・・
2つ目の爆弾だな。火も回って来た。

「ねぇ! 早く逃げて! 」

「泣いている結衣も可愛いな。」

「こんな時に何言ってるの!?」

俺は結衣を結んでいるロープを解きながら結衣と話す。
「俺は逃げないし、結衣も助ける。」

「ダメ! 今すぐ逃げて! お兄ちゃんだけには死んでほしく無いの!」

「結衣。自分はどうしたいんだよ。まだ10年ちょっとしか生きてなくて。もう人生に満足したのか?俺はまだだな。俺は結衣が人生に満足するまでは生きたいと思う。もう一度だけ聞くぞ。結衣。お前はどうしたいんだ?」

「・・・私は・・・。」

ズガァァァン!!パラパラ・・・
3つ目。真上の爆発だったな。もうすぐで落ちてくるな・・・。

「結衣! 早く答えろ!」

「私は・・・まだぁしにだくない! おに゛いじゃん! いっじょにづれでって!」

「よし! 帰って早く夕飯食べような!」

そう言いロープを全て解ききった。
2人で走る! 

「結衣!防煙マスクだ。つけておけ。」

「ありがとう!」

もう泣き止んでる。さすが俺の妹。・・・でももっと泣いてる姿見たかったなぁ。

前に結衣。後ろに俺がついて走っている。

ズドォォン・・・。
4つ目。遠くで爆発した・・・って!

「危ねぇ!」

「きゃっ!」

俺は結衣の首を掴んで後ろに下がらせた。直後その先にある地面が崩れた。あのまま走っていたら落ちて火の中に落ちるところだったな。

「ありがとう。お兄ちゃん。」

「どういたしまして。それより首大丈夫か?足は?手は?痛いところはないか?」

「う、うん。大丈夫。」

結衣の目が一瞬泳いだのを見逃すほど俺は落ちぶれていない。

「どこだ!?」

「え?」

「どこが痛いんだ!? クソ! 結衣が痛んでるのを俺は気づけなかった! 許してくれ! 」

「え、あ、うん。いいよ・・・。」

「どこが痛いんだ!?」

「え・・・っと。足かな?」

「何!? ダメじゃないか! 痛いのに走っちゃ! ほら! おんぶだ。時間がないから急いで!」

「分かった!」

なんか嬉しそうだったけど気のせいか?

「ねえ・・・お兄ちゃん。私重くない?」

「大丈夫。軽すぎて空に行きそうだ。しっかり掴んどけよ。あとカメラで撮っておいてくれ。」

「うんっ!」

そう言うとギューっと掴んで来て背中に結衣のアレが押し付けられた。・・・うん。すっかり忘れてた。いやいやいや。今は非常時だ。結衣だけは生かさないと。

炎に気をつけて走る。走る。走る。倒れて来た段ボールは避け、炎に囲まれた時は水で濡らしたタオルを使い、一瞬の隙をつき逃げる。

「はぁ・・・はぁ・・・あと少しだ! 頑張れ結衣!」

「うん! お兄ちゃんもね!」

「お兄ちゃんもねと呼ばれるだけで力が出るから大丈夫だ!」

出口まであと30メートル。

・・・20メートル。

・・・10メートル。

そして最後は何事もなく出ることができた。

「はぁはぁはぁはぁ・・・大丈夫だったか結衣?」

「うん。大丈夫。お兄ちゃんも・・・っ!」

俺の事を見た瞬間結衣は顔を青くして詰め寄って来た。

「嘘つき! 足に火がついてる! 」

そう言って結衣は自分のパーカーを脱いで俺の足についてる火をバサバサし始めた。

「別に大した問題じゃないよ。結衣。よかった。本当に良かった。俺は結衣が生きていればいいんだよ。結衣が生きるためだったら俺は死んでもいいからな。」

やがて火を消し終わった結衣が俺の目の前に座り込んで泣き始めた。

「うえぇえっぇえぇぇ! ごめんなさい! ごめんなさい! また私のせいで! お兄ちゃんに! グスッ!  迷惑! ゲホっ! ゲホっ! うぇぇぇぇぇぇん!!!」

ずっと泣いていたので俺は結衣の顔を自分の胸にまで持ってった。

「大丈夫。大丈夫。俺は迷惑なんて思ってないさ。俺より結衣の方が大変だっただろ。怖かっただろ。大丈夫。俺はずっといるから。いつまでも泣いていいんだぞ。なんでか分からないけど自分を偽る必要もない。本当の兄ではないけど俺にだけはありのままの自分を見せてくれよ。まあ今は泣け。ずっとこうしてあげるから。」

更に泣き続けた結衣を抱きしめながら時折爆発音が聞こえる倉庫を見ながら心を癒していた。

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以下作者のコメント
エアガンの出番無し!
本当は使おうとしたんですけど使う場面ありませんでした。

冒険ジャンルで日間8位もらいました。有難う御座います。ちなみに一作品目の
「転生生活の過ごし方〜神は全てを見ている〜」は冒険ジャンルで日間一位でした。こちらも有難う御座います。

さて今年も残すところ23日。頑張りましょう。
次は〜どんな話にしましょうかね?

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コメント

  • ノベルバユーザー232154

    行きている→生きている
    です

    1
  • サラダアブラ

    生きることは素晴らしいことです。是非これからも生きてください。

    0
  • アンチ野郎

    生きてて良かったです

    1
  • サラダアブラ

    有難う御座います。これからもご期待に応えられるよう頑張ります。

    0
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