お嬢様は軍師様!
お嬢様 討伐をする 2
(そろそろね・・・。)
「フェイ、射ちなさい。」
「了解!!」
アメリアが右手に持っていた羽毛扇を振り下ろした瞬間、フェイが矢を放つ。
バシュッーーーー
狙いは盗賊達・・・ではなく誰もいない方向へと飛んでいった。
この矢はわざと外したのではない。
この矢は作戦の1つなのだから。
ボッーーーー
火元も何もないはずなのに突然、燃え初めた。
「えっ。あれ、火?」
「なんでだ?でもこっちにこなくね?」
空に突如として赤い炎が見えて、盗賊達がその炎に気付き初めた。
「なんだあれは?もしかしてあれが火の如くってやつか?」
「じゃあ、あの火で俺達を倒そうってはらか?」
「ぎゃはは。やれるものなら、やってみろよってか?」
盗賊達がイーゼスを馬鹿にするように笑う。
ある者は、イーゼスに指をさしながら笑い、またある者は腹を抱えながら笑っている。
誰もが思うだろ。
こんな火で盗賊達を倒せるのかと。
こんな火で勝てると思っているイーゼス達を。
でも、その油断が後に自分達の命運を左右するとは誰もが思わなかった。
ゴォォーーー
火を纏った矢が地面に突き刺さった瞬間、炎が盗賊達を囲うように勢い良く走っていく。
「なっ・・・なんだ!!」
「あちぃっ!火が・・・火が・・!」
「オレ達、囲まれているのか!!」
炎で囲まれているのが気づいたのか、盗賊達が慌て初める。
中には、この場から逃げようとする者がいたのだか、出口が見当たらない。
(今頃気づいても遅いけどね・・・。)
アメリアは口元に羽毛扇を当てて、クスリと笑った。 
*******
今アメリアは森の中にいた。
森の中と言っても木の上。
盗賊達に遭遇しないようにと、この状況を見る為だ。
「すごいッスね。あっという間に囲まれているし、正に疾(はや)きこと風の如く」
フェイはこの光景に驚きを隠さなかった。
自分が放った矢が事前に油を撒いた場所に当突き刺さり、炎が瞬く間に燃え広がる様子をアメリアと同じく木の上から見ている。
「しかし、火で囲うだけじゃ盗賊達を諦めさせることって出来るッスか?オレだったら火を消そうとしたりして行動するけどな・・・。」
そう言ってチラッと隣にいるアメリアを見た。
実は今回の作戦について、フェイも良くは知らされてはない。
ただのアメリアから言われたのは、矢を射って火を起こさせろ。
それだけだった。
後は待機と言うだけで何も指示がない。
「私は盗賊達を囲う為だけに火を放った訳ではないわ。」
「じゃあ、オレは戦えるっすか??」
「違う。必要なのはこれよ、これ。」
アメリアは手に持っている羽毛扇をヒラヒラさせる。
「羽毛扇っておじょーがもっているやつじゃないですか?それが、何に役立つッスか。イテッ!」
アメリアがフェイの鼻にデコピンをした。
本当は額でもやりたかったのだが、身長差があるので鼻にしたのだ。
フェイもまさかアメリアがデコピンをしてくると思わなかったので、その攻撃を受けてしまった。
「痛いです。おじょー・・・。」
「いーい?なんで今回、弓矢部隊を出撃させなかったか?その目で特と見なさい?」
弓矢部隊を出撃させなかったのは理由がある。
盗賊達を生かしたまま討伐をするのは、簡単だ。
弓矢で狙いを定めれば、相手が余程の愚か者でなければ降参はするだろう。
ただセイント王国にとって弓矢は、農民や平民など弱い者が使う物と言われている。
王国騎士では、弓矢など使用しないのだ。
もし、このまま弓矢で盗賊達を拘束をすれば後に弓矢の事がセイント王国に漏れて、弓矢だけではなく軍隊の事まで調べられたら、非常に面倒くさい。
盗賊達だけではなく、教会の中で眠りこけている騎士達にも気を使わなければならない。
そして、もう1つ理由があるのだが、それは後に分かることだろう。
「軍師は兵士の力や武器の力を使うだけじゃないの。あらゆる力を利用するのが軍師なのよ。」
「フェイ、射ちなさい。」
「了解!!」
アメリアが右手に持っていた羽毛扇を振り下ろした瞬間、フェイが矢を放つ。
バシュッーーーー
狙いは盗賊達・・・ではなく誰もいない方向へと飛んでいった。
この矢はわざと外したのではない。
この矢は作戦の1つなのだから。
ボッーーーー
火元も何もないはずなのに突然、燃え初めた。
「えっ。あれ、火?」
「なんでだ?でもこっちにこなくね?」
空に突如として赤い炎が見えて、盗賊達がその炎に気付き初めた。
「なんだあれは?もしかしてあれが火の如くってやつか?」
「じゃあ、あの火で俺達を倒そうってはらか?」
「ぎゃはは。やれるものなら、やってみろよってか?」
盗賊達がイーゼスを馬鹿にするように笑う。
ある者は、イーゼスに指をさしながら笑い、またある者は腹を抱えながら笑っている。
誰もが思うだろ。
こんな火で盗賊達を倒せるのかと。
こんな火で勝てると思っているイーゼス達を。
でも、その油断が後に自分達の命運を左右するとは誰もが思わなかった。
ゴォォーーー
火を纏った矢が地面に突き刺さった瞬間、炎が盗賊達を囲うように勢い良く走っていく。
「なっ・・・なんだ!!」
「あちぃっ!火が・・・火が・・!」
「オレ達、囲まれているのか!!」
炎で囲まれているのが気づいたのか、盗賊達が慌て初める。
中には、この場から逃げようとする者がいたのだか、出口が見当たらない。
(今頃気づいても遅いけどね・・・。)
アメリアは口元に羽毛扇を当てて、クスリと笑った。 
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今アメリアは森の中にいた。
森の中と言っても木の上。
盗賊達に遭遇しないようにと、この状況を見る為だ。
「すごいッスね。あっという間に囲まれているし、正に疾(はや)きこと風の如く」
フェイはこの光景に驚きを隠さなかった。
自分が放った矢が事前に油を撒いた場所に当突き刺さり、炎が瞬く間に燃え広がる様子をアメリアと同じく木の上から見ている。
「しかし、火で囲うだけじゃ盗賊達を諦めさせることって出来るッスか?オレだったら火を消そうとしたりして行動するけどな・・・。」
そう言ってチラッと隣にいるアメリアを見た。
実は今回の作戦について、フェイも良くは知らされてはない。
ただのアメリアから言われたのは、矢を射って火を起こさせろ。
それだけだった。
後は待機と言うだけで何も指示がない。
「私は盗賊達を囲う為だけに火を放った訳ではないわ。」
「じゃあ、オレは戦えるっすか??」
「違う。必要なのはこれよ、これ。」
アメリアは手に持っている羽毛扇をヒラヒラさせる。
「羽毛扇っておじょーがもっているやつじゃないですか?それが、何に役立つッスか。イテッ!」
アメリアがフェイの鼻にデコピンをした。
本当は額でもやりたかったのだが、身長差があるので鼻にしたのだ。
フェイもまさかアメリアがデコピンをしてくると思わなかったので、その攻撃を受けてしまった。
「痛いです。おじょー・・・。」
「いーい?なんで今回、弓矢部隊を出撃させなかったか?その目で特と見なさい?」
弓矢部隊を出撃させなかったのは理由がある。
盗賊達を生かしたまま討伐をするのは、簡単だ。
弓矢で狙いを定めれば、相手が余程の愚か者でなければ降参はするだろう。
ただセイント王国にとって弓矢は、農民や平民など弱い者が使う物と言われている。
王国騎士では、弓矢など使用しないのだ。
もし、このまま弓矢で盗賊達を拘束をすれば後に弓矢の事がセイント王国に漏れて、弓矢だけではなく軍隊の事まで調べられたら、非常に面倒くさい。
盗賊達だけではなく、教会の中で眠りこけている騎士達にも気を使わなければならない。
そして、もう1つ理由があるのだが、それは後に分かることだろう。
「軍師は兵士の力や武器の力を使うだけじゃないの。あらゆる力を利用するのが軍師なのよ。」
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