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チート無しクラス転移〜〜Be chained(ベチーン)〜〜

キズミ ズミ

一章 2話 『身よりも何も、無くなった』




目を焼くような光に、しばらくの間伏せていたオレはまぶた越しから光が弱まるのを感じると警戒しながら目を開けた。

眼前には、地平線の向こうまで続く草原が広がっていた。

「なッ!?どこだよここ!!」

「こんな、こんな事あるかよ!?」

「夢、これは夢だろ・・・?あるわけない、こんな事・・・」

辺りを見ると、見慣れた顔のクラスメイト。

皆、一様に困惑している。

事態に収拾がつかず、パニックが波及していっている。

「・・・ミツキ、ここがどこか、わかるか?」

オレも大分頭がグチャグチャだった。

だから、藁にもすがる思いで傍にいたミツキに問うた。

「分からないねぇ、まだボクもよく飲み込めてないんだぁ」

ミツキはオレの唯一の親友だ。

のんびりしてるがアタマは滅法キレる。

「それよりも、コレなんだろうねぇ」

そう言ってミツキが足元から麻で編まれたポシェットを
ヒョイとつまみ上げた。

「中には、金貨と、縄と、コレは、箱?、かなぁ」

空を仰いで何事か、ギャンギャンと叫ぶ男子。

地面に伏してすすり泣く女子。

自分の体をまさぐって不思議な顔をする女子。

などなど、辺りは大分カオスになっているこの場で
黙々と物品の精査せいさをしているミツキ。

・・・マジカッケェなぁ。

オレ自身、ミツキの冷静さに救われているところがある。

でなければ、オレだって今ごろこのカオスな空気に溶け込んで度し難い痴態を晒していただろう。

親友であると同時に、オレはミツキに憧れているのだ。

「ーーーで、この箱さぁ、なんだと思う?ミキオ」

「ん?あぁ、えぇっと」

ポイとオレへ投げられたその箱、手頃な大きさで、大した重さも無かった。

「開けるとこは・・・無いか。随分シンプルな色だな。
真っ白だ」

「うん、それなんだよ。ミキオ、自分のポシェットを
確認してくれないかなぁ」

「ん、コレか」

オレは足元に置かれていたポシェットを拾い上げると
中から箱を取り出した。

「俺の箱は、黄色いな。真っ黄色だ」

「うん、多分ねぇ、人によって箱の色が違うと思うんだぁ」

「ほらぁ、アレ」

そう言ってミツキはクラスメイトの女子を指差した。

アイツは・・・名前忘れた。

ていうかあんな女子いたっけ。メッチャかわいい。

まぁどうせオレとは縁のない女子なんだろう。

とりあえず、その女子はオレらと同じく早い段階で正気に戻りポシェットの存在に気づいたんだろう。

その女子が手にしていた箱は、黒と緑のマーブル模様だった。

「・・・なるほど。でも箱の色分けにどんな意味がーーー」

『属性の分別を分かりやすく視覚化したものだよ。
この箱は諸君らの運命を大きく左右するものだ』

エコーのかかった、至極落ち着き払った声で、誰かが答えた。

聞きなれない声に条件反射で反応する。

眼前には、草原の中でひときわ異彩を放つそいつがいた。

ーーー仮面の男が、いた。

「テメェ!!俺達を元のトコに戻せよッッ!!」

「もうイヤ・・・家に帰して!」

現れるが早いか、クラスの半数以上から懇願とも、ヘイトとも言えるような大音声が放たれた。

『ーーーーーー黙れ』

鶴の一声、というか、仮面の男がドスの効いた声を出すと、圧倒された。

『殺気』、マンガなどでは珍しくも無いようなその言葉は、今、生まれて初めて、身をもって味わった。

冷や汗がドッと溢れ、二の句が継げないでいるクラスメイト達を仮面の男が一瞥して、滔々とうとうと話し始めた。

『この世界は、異世界。地球では無い異質な世界。
諸君らは呼び出された。神の意志によって。
諸君らは呼び出された。神の意志によって。
諸君らは呼び出された。神の意志によって。』

たっぷり三回、言うたびにトーンが大きくなり、その度に脳漿が揺れる。

『この世界で』

ーー異世界?意味が分からない。

『諸君らは』

ーーそれでも、オレは何故か高揚している?

『私の、手足になってもらう』

ーーーーーーは?

『最初のミッションだ。『トラ』と戦え』



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安部 ミツキ


年齢・・・17歳

身長・・・183cm

趣味・・・知育菓子作り、迷路作り

友人・・・ミキオのみ

備考

高校2年の1学期に転校してきた。

穏やかで、のんびりとしていて、ヌボーっとしている。

生来の出来の良さで、見た目に反して機敏な思考力を持っている。

切れ長で怜悧な瞳。

身長は大きいが、線は細く運動は得意で無い。






どうも!キズミ ズミです!

ファンタジーな作品が大好きです!

定期的に更新出来るように頑張ります!

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