理想の彼女は清楚系美少女なんだが
第5話 初の部活動
四つの机を向かい合わせにし、喫茶店の時のように座った。
部活動は開始された訳だが……。
「「「「…………」」」」
──十分後
「「「「…………」」」」
あれ、全然会話がない……。
無理もない、教室の外ではクラスだけでなく、他クラスの男子もこの教室を覗いているのだから。
もちろん目当ては陽葵だ。
ただ、唯衣まで気まずいと思うとは……、やはりそれだけ威圧的ということか。
会話のないまま二十分が過ぎようとした頃、一人の男が教室に入ってきた。
「様子を見る限りじゃ、話すことなさそうだね? 陽葵様、俺達と一緒に新しい部を作りませんか?」
「いえ、結構です」
陽葵は即答か。
こんな部活に入ってもメリットはないだろうに、俺がいるからなのか?
「貴方もクラスの人ならちゃんと知ってるんじゃないですか? 私はここにいる竜希さんとお付き合いさせていただいてます。だから関わらないでください」
そう言って俺の袖をクイッと引っ張り自分の方に寄せ、アピールしていた。
照れるな俺、こいつは清楚系に見せかけたビッチなんだから!
「ま、まぁそういう訳だからさ、陽葵には近づかないでくれ」
「っ……! 調子に乗りやがって! 俺のがかっこいいんだ、こんな奴と付き合う陽葵様の神経がおかしい。この男を一発殴ってやる!」
「ちょ、え!? 今の会話の流れで俺殴られるの!?」
「問答無用!」
「ちょっと待つっス!!」
顔と手の幅は約一センチあるかないかくらいの時に、成海が立ち上がり止めに入った。
危うく顔面変形する所だった……。
「確かに竜希さんより葉人の方がかっこいいっスよ。でも、それだけで人を殴る理由にはならないっス!」
「成海……、よく俺に反抗的な態度とれたなあ? 入学式俺にボコボコされたくせによぉ?」
「っ……! 例えそうだったとしても、僕は竜希さんを守るって決めてるんだ」
俺、成海にそこまで言わせるようなこと昔にしたのだろうか。
それより、この俺を殴ろうとした奴って葉人だったのか、人の顔をちゃんと覚えよ。
「もう一回殴られりゃ気が済むか? あ?」
「何度でも僕は立ち上がり、この部を、竜希さんを守ってみせる!」
ヒーローマンガかよ。
でも、成海かっこいいなあ。
この状況で勇気が出ず、ずっと椅子に座りっぱなしの俺とは全く別次元だ。
「じゃあそろそろ気を失わさせてみるか!」
「くっ……! 竜希さん、この後にやられないよう気をつけて……」
成海は最後にそう言い、殴られ……、
「決めたああああああ!!」
「……びっくりしたあ……。いきなりなんやねん唯衣……」
「ん?」
「ダークネスさん、いきなりどうした?」
ダークネスって呼ばない時の顔くっそ怖いんですけど。
「決めたんだよ、愛称を! 成海と陽葵ちゃんのを!」
「ちゃんはやめてください」
「気にしなくていいよー。これからは愛称で呼び合う仲になるんだからさ」
つまり唯衣は、気まずさから喋らなかったのではなく、皆の愛称を考えてたってことか!?
それより……。
「こら中二病、人の喧嘩に水差してんじゃねーよ。それとも何か? 俺とタイマンはろうって言いたいのか?」
「あー葉人だっけ? あんたの愛称も考えたよ」
「へぇー、言ってみろよ」
「『弱者』」
「んだとこらああああ!!」
葉人大変な役割だなあ。
キレてばっかりじゃないか。
ここで俺は何もせず、穏便に過ごそう……。
「こんな弱者ほっといてさ、我の考えた君達の愛称を聞きたくないか!?」
「誰がクズだって? てめぇ、ぶん殴るぞ!」
「ちょっと、弱者は出てってください。はいはいはいはい」
「押すんじゃねーよ!」
唯衣が葉人の背中を押して廊下に放り出し、教室のドアを閉めた。
ったく、たまにはいいことするんだから。
そのまま席に全員座り直し、話を戻した。
「じゃあ成海の愛称は『男女』ね」
「何それ! 僕に性別がないみたいな言い方しないでほしいっス! 僕はれっきとした男の子っスよ!」
「皆はどう思う?」
「「賛成です」」
「何で賛成してるんスか! 竜希さん、本音を言ってください。でないと本当に男女にされちゃうっス……」
「何言ってるんだ、俺は電撃人間なんだぞ。お互い同じようなもんじゃないか、な?」
俺の軽い威圧に黙り込む成海を見ると少し心が痛むが、ここはお互いのためだ、許してくれ。
落ち込む成海を放置し、陽葵の愛称が名付けられた。
「陽葵ちゃんは『吹雪』ね!なんかツンツンしてるから」
「……竜希さん、これ私馬鹿にされてます?」
「完全にな。だが、俺はいいと思うぞ? 呼びやすいし『マン』が付くより可愛らしさあるだろ?」
「それはそうですけど……。分かりました、ではそれでいいですよ」
きたあああ!
散々俺を馬鹿にしてきたからな、これくらいの天罰はくらいたまえ!
これで全員だっさい愛称が付けられたな……、愛称って嫌なものも愛称っていいかたするんだっけか?
話は進み、もう六時。
「じゃあそろそろ解散にしましょう。毎週月、水、金ですので、忘れないようにしてください」
「「「りょーかいでーす」」」
その後、成海は本屋へ行き、唯衣は用事があるといって先に帰って言った。
なので今は俺と陽葵の二人で帰っている。
「陽葵、今日の部活楽しかったか? 明日からは土曜で休みだし、どっか行くか?」
あれ……、俺っていつから陽葵の事を意識しだしたんだろう。
「私の事は『吹雪』と呼びなさい! どっか行くかという案ですが、特に行きたい所ないし、電撃人間と付き合ってるのも仕方なくなので、鼻伸ばすのはやめて!」
「その呼び方はやめろおおお!」
一瞬陽葵の事を好きになっていた自分を殴りたい!
やっぱりこいつは変わらず、ビッチなんだ……!
「と、それだけ言うと私悪者みたいだし、今から私の家にでも来る?」
「えっ……? いいのか?」
「どうぞー、一応付き合ってるので」
それでも女子の家には興味がある。
唯衣の家は剣やら自分で考えた魔法の本やら、いろんな訳の分からんものがあったからな。
という訳で、陽葵の家に行くことにした。
          
部活動は開始された訳だが……。
「「「「…………」」」」
──十分後
「「「「…………」」」」
あれ、全然会話がない……。
無理もない、教室の外ではクラスだけでなく、他クラスの男子もこの教室を覗いているのだから。
もちろん目当ては陽葵だ。
ただ、唯衣まで気まずいと思うとは……、やはりそれだけ威圧的ということか。
会話のないまま二十分が過ぎようとした頃、一人の男が教室に入ってきた。
「様子を見る限りじゃ、話すことなさそうだね? 陽葵様、俺達と一緒に新しい部を作りませんか?」
「いえ、結構です」
陽葵は即答か。
こんな部活に入ってもメリットはないだろうに、俺がいるからなのか?
「貴方もクラスの人ならちゃんと知ってるんじゃないですか? 私はここにいる竜希さんとお付き合いさせていただいてます。だから関わらないでください」
そう言って俺の袖をクイッと引っ張り自分の方に寄せ、アピールしていた。
照れるな俺、こいつは清楚系に見せかけたビッチなんだから!
「ま、まぁそういう訳だからさ、陽葵には近づかないでくれ」
「っ……! 調子に乗りやがって! 俺のがかっこいいんだ、こんな奴と付き合う陽葵様の神経がおかしい。この男を一発殴ってやる!」
「ちょ、え!? 今の会話の流れで俺殴られるの!?」
「問答無用!」
「ちょっと待つっス!!」
顔と手の幅は約一センチあるかないかくらいの時に、成海が立ち上がり止めに入った。
危うく顔面変形する所だった……。
「確かに竜希さんより葉人の方がかっこいいっスよ。でも、それだけで人を殴る理由にはならないっス!」
「成海……、よく俺に反抗的な態度とれたなあ? 入学式俺にボコボコされたくせによぉ?」
「っ……! 例えそうだったとしても、僕は竜希さんを守るって決めてるんだ」
俺、成海にそこまで言わせるようなこと昔にしたのだろうか。
それより、この俺を殴ろうとした奴って葉人だったのか、人の顔をちゃんと覚えよ。
「もう一回殴られりゃ気が済むか? あ?」
「何度でも僕は立ち上がり、この部を、竜希さんを守ってみせる!」
ヒーローマンガかよ。
でも、成海かっこいいなあ。
この状況で勇気が出ず、ずっと椅子に座りっぱなしの俺とは全く別次元だ。
「じゃあそろそろ気を失わさせてみるか!」
「くっ……! 竜希さん、この後にやられないよう気をつけて……」
成海は最後にそう言い、殴られ……、
「決めたああああああ!!」
「……びっくりしたあ……。いきなりなんやねん唯衣……」
「ん?」
「ダークネスさん、いきなりどうした?」
ダークネスって呼ばない時の顔くっそ怖いんですけど。
「決めたんだよ、愛称を! 成海と陽葵ちゃんのを!」
「ちゃんはやめてください」
「気にしなくていいよー。これからは愛称で呼び合う仲になるんだからさ」
つまり唯衣は、気まずさから喋らなかったのではなく、皆の愛称を考えてたってことか!?
それより……。
「こら中二病、人の喧嘩に水差してんじゃねーよ。それとも何か? 俺とタイマンはろうって言いたいのか?」
「あー葉人だっけ? あんたの愛称も考えたよ」
「へぇー、言ってみろよ」
「『弱者』」
「んだとこらああああ!!」
葉人大変な役割だなあ。
キレてばっかりじゃないか。
ここで俺は何もせず、穏便に過ごそう……。
「こんな弱者ほっといてさ、我の考えた君達の愛称を聞きたくないか!?」
「誰がクズだって? てめぇ、ぶん殴るぞ!」
「ちょっと、弱者は出てってください。はいはいはいはい」
「押すんじゃねーよ!」
唯衣が葉人の背中を押して廊下に放り出し、教室のドアを閉めた。
ったく、たまにはいいことするんだから。
そのまま席に全員座り直し、話を戻した。
「じゃあ成海の愛称は『男女』ね」
「何それ! 僕に性別がないみたいな言い方しないでほしいっス! 僕はれっきとした男の子っスよ!」
「皆はどう思う?」
「「賛成です」」
「何で賛成してるんスか! 竜希さん、本音を言ってください。でないと本当に男女にされちゃうっス……」
「何言ってるんだ、俺は電撃人間なんだぞ。お互い同じようなもんじゃないか、な?」
俺の軽い威圧に黙り込む成海を見ると少し心が痛むが、ここはお互いのためだ、許してくれ。
落ち込む成海を放置し、陽葵の愛称が名付けられた。
「陽葵ちゃんは『吹雪』ね!なんかツンツンしてるから」
「……竜希さん、これ私馬鹿にされてます?」
「完全にな。だが、俺はいいと思うぞ? 呼びやすいし『マン』が付くより可愛らしさあるだろ?」
「それはそうですけど……。分かりました、ではそれでいいですよ」
きたあああ!
散々俺を馬鹿にしてきたからな、これくらいの天罰はくらいたまえ!
これで全員だっさい愛称が付けられたな……、愛称って嫌なものも愛称っていいかたするんだっけか?
話は進み、もう六時。
「じゃあそろそろ解散にしましょう。毎週月、水、金ですので、忘れないようにしてください」
「「「りょーかいでーす」」」
その後、成海は本屋へ行き、唯衣は用事があるといって先に帰って言った。
なので今は俺と陽葵の二人で帰っている。
「陽葵、今日の部活楽しかったか? 明日からは土曜で休みだし、どっか行くか?」
あれ……、俺っていつから陽葵の事を意識しだしたんだろう。
「私の事は『吹雪』と呼びなさい! どっか行くかという案ですが、特に行きたい所ないし、電撃人間と付き合ってるのも仕方なくなので、鼻伸ばすのはやめて!」
「その呼び方はやめろおおお!」
一瞬陽葵の事を好きになっていた自分を殴りたい!
やっぱりこいつは変わらず、ビッチなんだ……!
「と、それだけ言うと私悪者みたいだし、今から私の家にでも来る?」
「えっ……? いいのか?」
「どうぞー、一応付き合ってるので」
それでも女子の家には興味がある。
唯衣の家は剣やら自分で考えた魔法の本やら、いろんな訳の分からんものがあったからな。
という訳で、陽葵の家に行くことにした。
          
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