十二支vs十二星座

ビッグバン

二人の過去

猿は蟹の戦士クラブに向かって落ち着いた口調でこう言った。

「落ち着いて話し合おうな。カニーいや、蟹江 。今はお互い敵同士とは言え昔は一生の愛を誓い合ったなかじゃないか。殺し合いなんてやめて。平和的に解決しような。」

蟹の戦士カニーは真っ赤な顔になって怒り、憎しみのこもった目で猿を睨み付けながら恨みの言葉を吐いた。

「何を言ってるの。貴方と話し合うことなんてなにもないわ。それに昔の名前で呼ぶのはもうやめて。私はもう東側の神ではないの貴方を倒す為、西洋側に移籍し、昔の名前を捨て今はカニー クラブという名前でやっているの。それに、貴方も勝手な物ね。貴方が離婚する原因をつくったんじゃない。それに、私から逃げておいてよくそんなことが言えたわね」

そう言えうとカニーは猿との回想を始めた。


あれは遡ること数千年前の話である。とは言っても人間よりはるかに長く生き無限の寿命を持つ神にとっては人間で言うと数年前ぐらいの事である。

昔、彼らはそれは仲の良いおしどり夫婦だった。当時の猿は浮気など一切せず、真面目に働き、妻を養う好青年であった。一方、妻である現12星座蟹の戦士カーニも今の様な残虐極まり無い性格ではなく、見た目の様な優しい性格で、虫も殺さぬ様な慈愛に満ちた人物だった。彼女は元は日本の川の神でありその時の名前は清流 蟹江という名でのその名前の通り、清流の様な綺麗な心を持った神だった。そんな二人が今の様な性格や関係になったのはとある事件がきっかけだった。

当時、猿は今の12支の位に着いておらず、天界の柿を育てる仕事をしていた。しかし、美味しい柿は出来ず、他の神々にも全く売れず、猿の柿は見向きもされなかった。当然、生活は行き詰まりっていた。猿は柿が腐り落ちてしまわないように売り物の柿を貪り食いながら自分の情けなさに涙を流していた。
そして、猿は妻である蟹江の為に猿は何百年やっても、成果の出ない柿業を廃業してしまおうと決心しながら家に帰った。

そして、家に帰ると妻である蟹江がおにぎりを用意して待っていた。猿はそのおにぎりのあまりの旨さに感動し、決心した。柿業を廃業して、米業を始めようと。猿はその決心を妻である蟹江に話した。

すると、今まで一切怒らなかった。あの優しい蟹江がものすごい剣幕で怒り出した。

「何、馬鹿な事言ってるんですか。貴方。貴方から柿を取ったら何が残るって言うんですか。貴方みたいな不器用な男がよりによってライバルも多くて、手のかかる米を育てるですって。何考えてんですか。」

蟹江はただ猿に柿業を廃業して欲しくない一心で辛い言葉を浴びせた。蟹江は猿の柿にかける思いや愛情、執念、今までの努力を知っていたからこそ蟹江はさるに柿への思いを諦めて欲しくなかったのだ。

しかし、この言葉は猿のプライドを大きく傷つけたらしく猿は真っ赤になって怒り、蟹江に向かってどなりつけた。

「俺がお前の為に真剣に悩んで決めた事を馬鹿な事だと。俺だって柿業続けてえよ。だがな、今の時代柿何て見向きもされねんだよ。このまま、続けても柿にも俺達にも未来はねえんだよ」

それを聞いた蟹江は猿の服に付いていた柿の種を取るとこう言った。

「貴方が本当に柿に未来がないと思ってるんですか。自分に言い訳してるだけじゃないんですか。柿にはまだ無限の可能性があります。その証拠に私が貴方より美味しい柿を育てて柿の可能性を示してみせます」

猿は妻のこの話しを聞いた瞬間腹を抱えて笑いだした。

「キャカャャキャかカャカキャキャキャキャキャキャ。何馬鹿な事言ってるんだよ。ど素人のお前が俺の作った柿に勝ってか。お前こそ馬鹿も休み休み言えってんだ。お前今まで俺の何を見てやがったんだ。俺が何百年頑張っても成果が出なかった仕事をお前みたいなど素人が成果を出そうんて3億年早えよ。キャキャキャキャ」

蟹は怒り真っ赤になりながらこう言った。

「笑っていられるのも今のうちですよ。八年です。八年で貴方を超える描きを作ってみせます。その間、貴方は米でも柿でも茄子でも好きなものを作ればいいわ。ただ八年後、私が作った柿の売り上げが貴方を上回った場合、柿農家に戻ってもらいますからね。」

猿は蟹江を馬鹿にし、笑いながらこう言った。

「キャキャキャキャキャキャきゃかゃキャキャ。良いだろう。お前が勝ったら言うことを聞いてやるよ。万に一つもお前に勝ち目なんぞないがな。お前こそ、勝負に負けて吠え面かくなよ。キャキャキャキャキャキャキャキャ」

その後、猿は米農家を始めたが、ライバルである日本の豊作の神々には勝てず、結局八年間米は全く売れず、なんの成果もあげられないまま八年間が過ぎた。

対する妻の蟹江の方はと言うとあの後、の合間に柿の種を植えて、ときに柿を脅し、時に柿を脅しながら柿を育てあげた。結果命の危険を感じた柿は通常では考えられないたったの一ヶ月で実を付けた。最初は早く実を付けた影響で全く甘くなく美味しくなかったがその度に蟹が脅すので柿はその度に味を改良し続けた。その結果、蟹江が作った柿は神々から大好評まさに天にも登る旨さと言われ、遠くの神々も足を運ぶほどの大盛況だった。その結果、八年後には猿の生涯稼いだ額と10倍以上の金額を稼ぎ出した。

蟹は八年後この成果と自分の柿を猿に差し出して、柿業に戻る様に言ったところが猿は一口柿を食べると辛辣な顔をして一言こう言った。

「柿が泣いている。」

そう言うと、猿は走りだし家の近くに植えてある蟹江が育てた柿の木に登り、実った柿を悲しそうに食い荒らしながらこう言った。

「これも違う。これもダメだ。」

それを見た蟹江は真っ赤になって怒り出した。

「何をやってるんですか。私がせっかく育て柿を食い荒らして。負けたのが悔しいからって。こんな嫌がらせあんまりです」

猿は鬼の様な表情を浮かべ青柿を猿に投げ付けこう言った。

「俺はこんな柿認めねえ。こんな物柿とは言わねえ。こんな無理やり、味だけ良くした柿なんて熟してねえ。その青柿がきと一緒だ。」

猿の投げた青柿は蟹江の運悪く頭に当たり蟹江は血を流しながら倒れた。

その後、蟹江は病院に運び込まれた。医療の神の診断によると青柿が当たった場所が悪く、さらに、精神的ショックが大きかったため昏睡状態となっており、以前の様に生活する事は無理かも知れないという事だった。医療の神が言うには身体の傷は大した事ないらしいのだが、精神面は致命的らしく本人が現実を拒んでいるため、身体の傷が治っても昏睡状態が続くかも知れないという事だった。

その後、蟹江は西洋の復讐の神ネメシスに魅入られ、身体を治療され、以前と変わらぬ生活を送れるようになった。しかし、ネメシスは蟹江を治療する際にその復讐心増幅させ、洗脳して、復讐の化身として蘇えらせたのだった。そして、蟹江はその後、西洋側の方で鍛えあげられ12星座の一人蟹の戦士カーニ クラブとなった。

一方猿の方はその後、蟹江の弟が姉の仇を討つべく様々な神と結託して猿を集団でボコボコにした。この話は天界のみならず下界にまで知れ渡り、猿かに合戦という名前で下界で知られるようになった、

それからの猿は荒れまくった。猿は働かなくなり、昼間から酒浸りになり、腹いせに大暴れする様になった。そして、遂に神々によって罰を与えられ、石の下に5百年封じられる事になった。その後、現十二支の亥と鳥、そして、毘沙門天と共に懺悔の旅に出て、その当時荒れていて牛魔王と恐れられた現十二支の牛を3人ががりでボコボコにするなどして天竺まで旅をしたりした。その旅の様子は天界のみならず、下界でも噂になり、西遊記という形で下界に伝わった。

その後、猿は罪を許され、桃源郷で桃を育てる役目を与えられ、幸せに暮らしていた。

どころが、桃源郷の長に神として税金を払わない物の所に行って金を徴税してくるよう言われた。困った桃源郷の神は当時一緒に働いていた同僚の現十二支の犬、猿、鳥と共に鬼ヶ島えと旅だった。全員吉備団子ではなく金の玉を渡され、買収され、のこのこと言われるがまま鬼ヶ島に行った。 
そこには、当時、亥、鳥、猿によって住処を破壊され、当時路頭に迷っていた牛とその牛とシェアハウスして暮らしている現十二支虎がいた。その後、牛と虎は抵抗したが猿によって取り押さえられ、自分の宝物がえんやらやされる様を見せつけられた。この話は天界のみならず、下界にも伝わり桃太郎として語り継がれる事になった。

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