充実した異世界ライフを送る......はずだったが
10話 服マニア。
   ざわざわざわ
まぁ、周りがざわめくのも当たり前だろう。この服装なのだから。
俺はそんなことは無視をし、これからのことを考えるの。
(さて、冒険者になるためにここに来たんだからまずは冒険者らしい服を探そう。何よりこのままじゃ目立つ)
キョロキョロとそれらしい店を探すがなかなか見つからない。すると、急に肩を叩かれた。後ろを向くと、なにやら高級そうな服を着た人がいた。多分貴族だろう。
「君」
「な、なんでしょう?」
「その服譲ってくれんか」
「え?」
(でかい屋敷だなぁ)
流石貴族だ。
なぜ俺が貴族の屋敷の前にいるのか教えてあげよう。
~5分前~
なんか急に話しかけてきた貴族さんに話があると言われ、状況が分からないなか自分の屋敷で話そうって言われたのだよ。
「さぁさぁ入ってくれ」
「あ、はい。お邪魔します」
「こっちだ」
部屋に入ると、縦長のテーブルにそれを挟んでならんである椅子が置いてある。なにやら話し合いをする部屋みたいだ。
「座ってくれ」
そう言われ、貴族さんの反対側の席に座る。
「さて、本題だ」
「さっき言っていた、服を譲ってくれ、ですか?」
「そうだ」
うん。あげるのはいい、処分しようとしてたから。だが、ただで渡すわけにはいかない。それが交渉というものだ。
「あげるのはいいですよ、けど」
「けど?」
「それ相当のものと交換じゃないと」
この人は貴族なんだからお金を貰いたい。だが、すでに金貨10枚あるんだ。他にほしい。
「金か?」
「いやいやそんなんじゃないですよ」
金よりほしいものなんてあるのかだって?俺はそんな金に困ってないんだよ。んなのいらんわ。俺が欲しいのは...
「ズバリ!服です!!」
この貴族さんは、服マニアのジェラール   アンドレイという人らしい。ここに来るまでの廊下の端に並んでおいてある数々の服たちを見てきたから分かった。服マニアなのだから冒険者の服も持っているはずだ、それもいいやつを。俺はそれを狙っている。
「服?なんの服だ」
「冒険者が着るような服ですよ。防護服てきな」
「いいだろう。私のコレクション部屋がある。そこに行こう。何がいいか選ぶがよい」
俺たちは握手をし、部屋から出た
「ひとついいですか?」
例のコレクション部屋に行くまでの道のりを疑問に思っていたことを話した。
「何だ」
「何で俺の服が欲しいんですか?」
「そんなの、その服が珍しいからに決まっておる」
(ですよね~)
まぁ分かっていたが、戦闘で汚れが付いている服をなぜ欲しいのか分からなかったのだ。
そうこうしているうちにコレクション部屋と思われる部屋の前に着いた。
中に入るとまた別の部屋の入り口が何個かあった。
「ヒャー、流石ですね」
「まぁな」
なにやら嬉しそうだ。
「ここだ」
冒険者の服とかいてある扉の前で止まった。
開けると、またしても広い空間だった。しかも色々装備がある。服マニアなのにアクセサリーなどもある。店にだしたほうが良いほどだ。
「どれでも好きなのを選びなさい」
「え、どれでも良いんですか?」
「あぁ」
(わぉ、太っ腹~)
「え~とどれどれ」
(うーんよくわからん。せめてあのおじいさんみたいに鑑定魔法があれば良かったのに............ん?これは?)
「あの、これは」
「それか、それは鑑定魔法で視ても詳細が分からない売れなかったものじゃ。まぁ珍しいから私が買ったけどな」
それは、上半身が隠れるぐらいの大きさのマントだった。色は黒でなんかわからん模様があった。
「じゃぁこれにします。あと、これとこれとそれも」
「分かった、そしたらそこの試着室で着替えてくれ」
着替え終わり、ジェラールさんに見せる。
「うん。格好いいじゃないか」
さっきのマントに、上下セットの格好いい服に、おしゃれな腕輪を左手首に、右中指にブラックダイアモンドみたいな色の指輪をした。靴は動きやすいのに変えた。上下セットの服と、靴以外は、鑑定で詳細が分からないやつだった。不気味だが、なんかかっこよくてつい選んでしまった。
「今日はありがとうございます」
「いやいやこちらこそ、いい服をありがとう」
すでに夜になっていた。俺は、ジェラールさんと別れを告げ、今夜泊まる宿を探す。
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他の人の作品を見てると自分のが情けなく思います......まぁそんなことはおいといて、次回ギルドに行きますよー!
って感じで毎回書くつもりですが良いんですかね......
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