大丈夫の裏に隠した助けて

もんち

1

「お前それはあかんやろ(笑)」

楽しそうに笑う望月先生の視線の先には、いっつも天野先生がおる。誰と話してても天野先生なんやから…

2人は付き合ってるんかな、望月先生の片想いかな、…

「みさ?はよ行こ?」

「え、うん…!!」

先生に恋してる。なんか、友達にも家族にも言えるはずなくて。ずっと秘密にしてる。

「あ、山本。」

ドキッて胸が高鳴った。

「は、はい…」

「放課後理科室な。」

「え、あ、はい…」

うちが照れてたら、隣で友達のみなみが「うっわー!もっちー、生徒に手出しちゃうんですかー?(笑)」って。

「ちゃうわ、あほ(笑)」

「いったー!!ひっど、(笑)」

みなみがおでこにデコピンされてるのに嫉妬して…

「保健室のほうがええですよ?(笑)」

ボソッて帰り際に望月先生に言うた言葉。聞こえちゃった。

「山本。理科室放課後な。」

声真似しながら話すみなみは、たぶん。たぶんやけど、うちが望月先生に恋してること気づいてる。

「失礼しまーす。」

放課後。理科室に1人で来た。

「あ、山本。」

ん?もしかして…望月先生と2人…きり…??

心臓がドキドキして仕方ない。

「なんかあったん?」

「え…なんもないです!!(笑)」

望月先生のせい…ですよ…

「ええけど。そのなんもないに助けてが隠れてんの知ってるから。」

ポンポンって優しく触られた頭を、自分でも触る。

わかってるなら…

「内容…」

「ん?内容はさすがにわからんわ(笑)」

わかってくれてたらよかったんに…

「ごめんな?なんかあったらいつでも話きくから。さいなら。」

ふんわり笑った望月先生に、また恋をする。

「………さいならっ」

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