勇者の冒険(仮)
道中
ダンジョンの準備と言えば、まずは赤ポーションの補充か。治癒魔法はあるけど一応買っておこう。ほかは何が必要だったかな。
というか、普通なら水筒とかマッピング道具とかが必要になるんだよな。それもスキルやら魔法やらでことたりるからな。
そういえば、装備品をそろえる必要はあるなと考えて、商人に相談したことがあった。そのときに装備品は町に仕入れに行かなければいけないとのことだった。
そのときは、めんどくさくて遠慮したけれども頼んでおいた方がよかったかもな。今さらだけど。
とりあえず、買い物はこれ以上する必要はないな。
俺は、森でレベル上げをすることにした。もはや、習慣化している。
森の魔物は、迷宮を攻略したことで消えたものと考えていたが、それでも消えない魔物もいた。やはり、他の迷宮から出てきたタイプの魔物なんだな。
そしてそれはおそらく、領主の別荘付近の迷宮だろう。この辺にはもう迷宮はないようだから、この迷宮を攻略できれば、この村も平穏に暮らせるはずだ。
森の魔物を狩ることでレベルが上がった。
―――――――――――――――――――――――――
ケイスケ・イトー 16・男 1470c
 
勇者:レベル17→レベル20
聖剣エクスカリバー
HP:C- →C
MP:C →C
攻撃力:C →C+
防御力:C →C
素早さ:C →C
魔力:D+ →C-
スキル:獲得経験値上昇 言語理解 地図自動作製
鑑定
呪文:ライト・イグニス・アクア・クリーン・イグジット・ヒール・リカバリー・ゲート
―――――――――――――――――――――――――
ゲートという呪文を覚えた。こ、これはRPGでよくある好きなときに好きなところに行けるやつか。
試しに、使ってみる。【ゲート:自宅】
すると、目の前に黒い渦のようなものが現れ、そこに恐る恐る手を伸ばす。
手を入れてみると何か膜につつまれるような感触を覚えたが通れそうだ。
今度は、その渦の中に飛び込んでみる。すると、やはり体全体が膜につつまれる感触を味わう。その渦の先は、見慣れた居間の風景が広がっていた。こ こは間違いなく自宅だった。ゲートという魔法で移動が楽になりそうだ。
今度は、【ゲート:領主の別荘】と試してみたが、渦が現れることはなかった。やはり、行ったことのある場所でないとダメなようだ。
翌日の朝、商人とともに村を出て領主の別荘へ向かった。商人は御者席に座り、俺はその隣でおとなしくしている。道は石で舗装されてはいるがそれでも馬車のガタガタという振動で尻が痛くなる。
この痛みに1時間も耐えなきゃいけないのか。
俺は、しかたないと割り切り、肩を落とす。
「道中は魔物とか出たりしないんですか?」
気を紛らわそうと、商人に話しかけてみた。
「定期的に町の騎士団が討伐しているのでほぼ危険はないと思います」
「そうですか」 
はい、会話終了。
俺はそれ以上、会話を続けることができなかった。
まぁ、商人だって俺なんかと話してて楽しいわけがないし、別にいいか。
しばらく沈黙が続き、ぼーっと空を見上げていた。馬車のガタガタという音が耳慣れたころ、馬車は急に止まった。
「何かいますね」
商人はじーっと遠くのほうを見ていた。俺もそれが気になり、ずっと遠くを見てみると確かに何かした。人? いや子供か?
俺は鑑定スキルを使った。
【コボルト:レベル16】
「あれはコボルトだ」
俺は鑑定結果を商人に伝える意味で声に出した。
ここは街道のはずだがなぜか森の中よりも強い魔物がそこにいた。
しかもレベル16って今まで見た魔物の中でもかなり強いほうだ。なぜこんなところに……。
「コボルトですか……。仕方ありませんね。面倒ですがほかの道を迂回して進みましょう」
「いや、俺が倒してきます」
Uターンしようとする商人を止める。
「よろしいので?」
「かまいませんよ。あのくらいすぐ倒せます」
ホントはかまうんだけどね。かなり強い魔物だし、見たことのないスキルを使うかもしれない。だが、こんなところで時間を食うわけにもいかない。
俺は、馬車を下りコボルトの元へ駆け出した。
コボルトはこちらにまだ気づいていない。これは先制攻撃のチャンスだ。
俺はコボルトの背中に聖剣を突き立てた。
その後、馬車に戻り、魔物を倒した旨を伝えると、馬車はそのまま街道を進んだ。
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