勇者の冒険(仮)
ダンジョンボス
階段を下りると、今度は細い通路ではなく、大きな広間に出た。
これまでのダンジョン内の部屋には見られない大きさで壁や床には魔法陣のような文様が描かれていた。
床の魔法陣のちょうど真ん中に玉座があり、そこに一人の体格のいい大男が座っている。
「グガァッ」
大男は声を上げ、まるで挑戦者を待ち構えているかのようだった。
【ホブゴブリン:レベル20】
ゲームでよく見る、ゴブリンの上位種として存在する魔物だ。背丈は人間の1.5倍くらいあり、上半身のみ部分的に鎧をまとい、汚れた大剣を持っている。
みるからにこのダンジョンのボスだ。こいつを倒せばダンジョンを攻略したことになるのか。それを確かめるには倒してみるしかない。
俺は腰から剣を引き抜き、相手と向かい合う。
お互いにらみ合いが続くかと思ったが煮えを切らしたのか、ホブゴブリンのほうから攻撃を仕掛けてきた。大剣を軽々と扱い繰り出す連続攻撃は、こちらが攻撃する隙を与えなかった。
一撃に力を込めたのか少しタメが入り、剣を振るう。
それを刀身で受け流し、なんとか相手に一撃を与えた。
しかし、それで倒れるほどホブゴブリンはヤワではなかった。室内には重い金属音が響きわたる。
刃と刃がぶつかり合い、火花を散らせる。ホブゴブリンはさきほどにも増してスピードと重みのある攻撃を繰り出してい た。
さすがはダンジョンボスだけのことはある。しかし、こちらも負けてはいられない。
エクスカリバーに、めいっぱいの力を込め、大剣を押し返す。続けて連続攻撃を相手の身体に叩き込んだ。
「はぁぁぁぁッ!」
ホブゴブリンの身体には赤い斬り傷が刻まれる。
「グガァァァッ!!」
大きな叫び声をあげ、相手も必死に抵抗しているが、やがて力なく倒れ、身体が黒い霧のようになって消えた。
「お、終わったぁ」
体中の力が抜け、地面に座り込む。ホブゴブリンが落としたドロップアイテム拾うと【ボブゴブリンの角】と書かれていた。
とりあえず、収納すると、部屋の中を探索する。またも宝箱があったが今度はキラキラとした宝箱が落ちてあった。ダンジョンクリア報酬といったところか。
中を開けてみると、巻物のようなアイテムが入っていた。『鑑定』する。
【C級スキル取得書】か。使うとなにかスキルを取得できるのかな。C級というのがどれくらいすごいのかは分からないけど、新たなスキルを取得して損することはないだろ。
さっそく使ってみる。どうやれば取得できるのかと思ったが頭の中で取得と考えるとすぐにアイテムを使うことができた。
そのあと、数秒もしないうちに巻物は消え去った。
「あれ、なにも起こらないの? もしかして失敗? いや……」
俺はステータス画面を開くと、新しいスキルが追加されていることを確認した。
地図自動作製か。これ自動マッピングってことかな。つまり、ゲームみたいに地図を見ながら旅ができるわけか。こりゃあいい。
ステータスウィンドを閉じ、これからどうするか考える。
「ダンジョンボスらしき魔物も倒したし、村に戻るか。どれくらい時間がたったのか分からないけど」
『イグジット』を使いダンジョンを出ることにした。
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ケイスケ・イトー 16・男 1470c
   
勇者:レベル10→レベル17
聖剣エクスカリバー
HP:D+ →C-
MP:D+ →C-
攻撃力:C
防御力:C- →C
素早さ:C- →C
魔力:D →D+
スキル:獲得経験値上昇 言語理解 自動地図作製
鑑定
呪文:ライト・イグニス・アクア・クリーン・イグジット・ヒール・リカバリー
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