勇者の冒険(仮)
宝箱に似た魔物
小部屋は綺麗な長方形をしているように見える。辺りを見渡してみるが特に何もない。ダンジョンっていうくらいだからもしかしたら、トラップなんかあるかもしれないな。
さっきみたいに部屋に入ると扉が閉まるくらいならまだいいけども、いきなり落とし穴のトラップが起動したらびっくりして心臓が止まる。
小部屋を進むと、奥に通路があり、二手に分かれていった。んー、こういうときはどっちへ行った方がいいのか。
『サーチ:魔物』を使ってみると、右の通路の先に魔物がいることが分かった。
ということは、左が正解の道なのかと思い進んでみたらなんと行き止まりだった。
結局、魔物と戦っていかないとダメなのね。
俺は分かれ道まで引き返し、右の通路へと進んだ。
通路の先にはまたも小部屋につながっており、そこにはやはり魔物がいた。
ギャアギャアとよくわからない言語で会話をしているようにも聞こえる。もし、魔物に知能があるのだとしたら、このダンジョンは家であり、俺は家に忍び込んだドロボウか何かということになるのか。
いや、考えるのはやめよう。俺は増えすぎた魔物を倒す代わりにこの世界で生き返らせてもらったんだ。魔物を倒すことは俺にとって契約とも言える。それに知能があるとも限らない。やつらは、ダンジョンの外でも無差別に人を襲う。ならばこちらも遠慮なくやらせてもらうだけだ。
自分の中で考えがまとまったところで、『鑑 定』を使う。
【コボルト:レベル10】×3
やつらに気づかれぬように忍び寄り、奇襲をかける。やつらにとっては俺が突然現れたように感じただろう。
3体ともあっけなく倒してしまった。
また、ドロップしたアイテムを拾う。
【コボルトの毛皮】か。今のところ使い道が分からないな。
魔物をすべて倒したことを確認すると、部屋の内部を探索する。
すると宝箱が一つ置いてあった。
「お、宝箱なんていかにもダンジョンって感じだ。しかし、ゲームとかではよく宝箱に似た魔物なんか登場するけど……まさかね?」
俺は宝箱をあけると中に何かアイテムが入っていた。俺は箱の 中のアイテムに伸ばそうとすると箱がひとりでに動き、金属同士がぶつかる音を響かせ、箱が閉じた。
「あっぶねーッ」
寸前のところで手を引いたおかげで、箱に挟まれずに済んだ。あやうく腕がなくなるところだった。
『鑑定』を使うと
【ミミック:レベル15】
と出た。ついに出てしまったか。俺が離れると箱は勢いよく体当たりを仕掛けてきた。
うまくかわし、エクスカリバーで切り裂く。すると、ドロップ品は大量の硬貨だった。
『収納』すると500cを手に入れた。赤ポーションで1個10cだったから500cはそれなりの金額な気がする。
他に はないかと部屋の中を見渡してみると壁にレバーのようなものがあっただけで他には何もなかった。
「おかしいな。ここ以外に分かれ道なんてなかったぞ」
俺はとりあえず、部屋にあったレバーを下げた。
すると遠くから何かが開く音がした。
もしかしたら、さっき行き止まりだったところに隠し扉があったのか?
俺はワクワクしながら先ほどの行き止まりまで戻った。
すると、そこにあった壁はなくなっており、下に降りる階段が見えた。
「なるほど。レバーを下げることで隠し扉が開く仕組みになってるのか」
ダンジョンの進み方をなんとなく把握し、階段を下りた。
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