勇者の冒険(仮)

あべこー

地下迷宮に挑戦


そうこうしているうちに、森の奥深くまでたどり着いた。

魔物のレベルも二桁になり、魔物の強さが増してきた。魔物の動きが活発というのは本当のようだ。
さらに、道なき道を進み続けると、ダンジョンらしき遺跡を発見した。黒い石造りの洞窟、よくみる典型的な地下ダンジョンだ。
中を覗き込むと、暗がりへと降りるための階段があった。恐る恐る階段をのぞき込むと、中は真っ暗で何も見えなかった。このままダンジョンの存在を報告しに戻ろうと思ったが、まだ自分にやれることがあると思い踏みとどまった。

しかし、中に入るにはどうしたらいいかと考えたとき、役に立ちそうな呪文を思い出した。
『 ライト』を使うと、頭の上に大きな光の玉が出現した。この明かりは周囲を照らしある程度辺りが見えるようになった。
階段を下まで降りると内部も黒い石造りの壁があり、奥には小部屋が見える。

あれ、よく考えてみるとマップなしでダンジョンに入るって普通に迷うよね。ゲームとかだと自動でやってくれるからそんなこと考えもしなかったけど。まあそこまで奥に進まなければ問題ないか。今日はダンジョンの様子を見るだけ出しな。
俺は薄暗い一本道を進み、小部屋に入る。すると中には魔物が徘徊していた。

【コボルト:レベル10】×6

や、やばい。外にいたやつよりも強い。しかも6体も 。コボルトたちは俺の存在に気づき、迫ってきた。俺は、いったん引き返そうと考えるが、なぜか部屋の入り口が閉まった。
いや、逃げてもしょうがないか。ダンジョンを攻略するなら必ずここを通らなければいけないんだ。それに数は多いが、こっちにはエクスカリバーがある。一体一体はたいしたことないはずだ。
俺は意を決し、コボルトたちに斬りかかった。

思った通り、レベル10であっても一撃で倒すことができた。聖剣様様だな。
しかし、やはり数が多い。俺がコボルトを次々と倒していく中でそのうちの一体が背後に忍び寄り、一太刀を浴びせてきた。

「ぐあッ」

今まで感じたことのない激痛が背中に 走った。鋭い刃物で背中を斬られたのは多初めてだ。こんなに痛いものなのか。
しかし、不思議と血は出てこない。代わりに、背中には赤いエフェクトの傷がつく。これが攻撃を受けるということなのか。これを数発も食らえばまずいことになる。死んでしまう。
その後はとにかく必死に剣を振るった。
戦闘が終わり、俺はへたり込んだ。


「なんとかなったな」

やっと安心できるが、背中の傷は残ったままだった。先ほどしょうにんから買ったポーションをさっそく使うとその傷が消えていった。
そのあとステータスを確認すると、レベル10に上がっていた。
新しい呪文イグジットというのを覚えた。
これは……なんだろ?

俺は『イグジット』を試しに使ってみる。
身体が光りだしたと思ったら気づいたらダンジョンの入り口にいた。一瞬なにが起こったか分からなくなったが、ダンジョンの入り口に瞬間移動したのだと気づいた。
そうか。この呪文があればとりあえずやみくもにダンジョンを歩いても最悪『イグジット』で出られるのか。いい呪文だ。
俺は通路を進みさきほどの小部屋まで移動した。





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