勇者の冒険(仮)
晩飯を探すか
エルザの顔に見とれていると奥から別の女性の声がした。
「あら、もう気がついたのね。服がびしょ濡れだったから、外で乾かしておいたわね」
かなり歳のいったおばあさんがいた。エルザの母親……いや祖母かな?
「ありがとう、おばあちゃん」
「というか、俺の服が乾かしてあるってことは……」
恐る恐る自分の身体に目を向けると薄い布生地の服を着せられていた。
いや、ちょっと待てよ。服が変わっているということは、誰かが脱がしてくれたのか? いったい誰が……。
俺はエルザのほうに目を向けた。
「わ、私じゃないわよ。おばあちゃんが気絶している間に着せ替えてくれたのよ」
どうやら、俺は裸を見られたようだ。もうお嫁にいけない。どうせなら、エルザに見てもらいたかった。決して口には出さないけど。
俺はベッドから起き上がった。
「俺はもう大丈夫だから、俺にも何かできることないかな?」
「いいからいいから。あと数時間で終わるしね。外へ出てもいいけど君の分の食事も用意するからちゃんと戻ってきてね」
エルザはそそくさと出て行ってしまった。もしかしたら、仕事の邪魔しちゃったかな。部屋の内部を見ると、木造で居間の中央には暖炉がある。決して裕福ではないだろうに。
「今夜の晩飯くらい自分で用意しないとな」
俺は、部屋を出て森へ行くことにした。森で魔物を倒せば食料として使えるアイテムをドロップするかもしれない。
村の様子をチラッとみたがエルザの家は他の家屋よりも一回り大きかった。もしかしたらこの村のお嬢様なのかもな。
俺はそのまま森へ向かった。
気絶していたせいで小川からどうやって村へきたのか分からないため、あまり遠くへは行かない方がいいな。
俺はエクスカリバーを装備し、森へ入った。
そういえば何度も装備し直してるけど、気絶するとアイテムボックスに戻るようになってるのかな。まぁそれはそれで盗まれる心配はないけども。
けものみちを進むとワイルドラビットを発見した。こちらにはまだ気づいていない。俺はチャンスと思い、エクスカリバーを構え、忍び足で迫った。
「うりゃーッ!」
間抜けな 声で剣を振るい切り捨てる。相変わらず一撃だ。ワイルドラビットは消え、アイテムだけが残った。
ドロップしたアイテムを鑑定してみた。
【ラビットの肉】
ラビット……ウサギの肉か。犬肉とかはちょっとアレだけど、ウサギの肉なら食べられるよね? ウサギお~いし♪って歌があるくらいだし。確認したのでアイテムボックスに収納する。
「まだ時間もあるし、食糧確保ついでに魔物を狩るか」
けものみちをさらに進むと今度はイノシシを発見。鑑定を使った。
【ボア坊:レベル3】
これは、ウリ坊の魔物かな? サイズがデカいが坊と言っているから子供なんだろうな。こいつの親はもっとデカいってか。ちょっと怖いな。
ボア坊は俺 に気づくと勢いよく突進してくるが、エクスカリバーが容赦なくその体を切り裂いた。
【ボアの毛皮】
そーいや、前にもウルフの毛皮を手に入れたけど、毛皮シリーズは役に立つのだろうか。商人かだれかいれば売れそうだけども。村に戻ったときに、聞いてみよう。
ウィンドウ画面を閉じると、後ろからドスンドスンという足音が近づいてきた。振り返ると、そこにはボア坊の親とみられる魔物がいた。
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