勇者の冒険(仮)
やみくもに森をさまよう
ーー俺は、立ち上がり土の感触を確かめる。
「ついにきたのか、異世界」
俺はそれを確かめる意味も含め、ステータス画面を開いた。さっきは使わなかったが、スキルには鑑定、呪文にはライトやイグニスといった物があった。
ライトやアクアはなんとなくわかるけど、イグニスって火って意味だっけか。クリーンは……掃除魔法? あとで、必要になったら使ってみよう。
鑑定は魔物が出てきたら使うと良いのかもしれないな。少なくとも相手の情報を読み取って戦闘を有利にすることができるはずだ。
不意に強い風が吹く。木の枝を揺らし、通過する風に気持ちよさを感じる。
「それにしてもこっちは涼しいな。森の中だからかな」
元いた世界は夏でめっちゃくちゃ暑かったからな。こっちの季節も夏なんだろうか。考えてもわからないな。
とりあえず、今晩の寝床だな。いくら身体能力が上がっても睡眠は必要なは ずだ。近くに村があればいいけどな。
そう考え、ケイスケは森をやみくもに歩き出した。
歩いていくうちに、辺りがカサカサと草木が揺れる音が近づいてくる。茂みから何か飛び出してきた。外見はちょっとサイズの大きいウサギで額に角が生えている。
俺はさっそく鑑定を使うことにした。すると、
【ワイルドラビット:レベル1】
「なんだレベル1か。ちょっと安心した。さすがにいきなり手ごわい相手が出てくることは……」
と考えていると、ものすごいスピードで頭突きをしてきた。
「うわッ、あぶねッ」
なんとか避けることができたが、鋭い角で制服の肩の部分が裂けてしまった。
俺は急いでメニュー画面を操作し、エクスカリバーを取り出した。
「こりゃ、レベル1相手 に殺されたらさすがに神様にもあきれられるな……」
俺は、剣を重力まかせに振り下ろした。
それによって、ワイルドラビットに一撃を与え黒い粒子になって消えた。
「ふう、倒せたか」
だが、ガサガサと茂みからまたも魔物が現れた。
「……今度はたくさん仲間がいるみたいだね」
目の前にはワイルドラビット5匹。それにレベル2の個体もいる。
いや、さっきみたいに油断しなければ問題ないはずだ。
「よし、かかってこい」
気合を入れて、ワイルドラビットとの戦いを繰り広げた。
戦闘が終わり、改めてこの剣の凄さに気がついた。レベル2の個体であっても一撃で倒せるのだ。
「エクスカリバーってやっぱ凄い武器だったのか。大切にしないとな」
俺はステータスを見直すとレベル2になっていた。というかステータス値のほうが全く上がってねえ。ステータス値を上げるのってけっこうハードルが高いのかな。
ケイスケはガッカリしながらも歩き出した。
それからやみくもに歩いて、初めはどうなることやらと思っていたが、水の流れる音が聞こえた。
「この音は川だ」
別に水に困っていたわけではない。いざとなれば呪文のアクアで水を出せるはずだ。だが、他の人間はそうではない。
川の近くには村があるはずだ。そう考え、小川に沿って下ることにした。
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