クラス全員で異世界転移!?~厨二病が率いる異世界ライフ~

Akisan

暴走

「アゼルさんを殺したのは、お前なんだよ」




「俺が?何言ってんだよ…
俺にあんな爪痕は残せねぇよ」

あまりの発言に、驚いてしまう
今朝の皆の目を思い出す
あれは、怖いものを見る目だった

「ちがう、何かの間違いだ、
俺じゃない俺じゃ無いんだよ」

「違くない!アゼルさんを殺したのはお前だ!
暴走したお前を止めるために皆、戦ったんだ!
そして、アゼルさんは死んだんだよ!」

周りを見てみると、クラス全員がいて
その他にも蒼崎さんがいた
その眼には、同情が見てとれた

「教えてくれよ、蒼崎さん
本当に俺が殺ったのか?」

目を伏せ、回答を口にしない

「俺が、アゼルを殺した?俺が?アゼルを?」

秋の足元に影が集まる
やがて夜よりも黒く染まり
轟音と共に影が闇が天高く伸び
秋を包み込む

「オレガ、コロシタ、オレガァァァァァ!」

闇が晴れ秋のいた場所には異形のものがあった

姿は秋のままだが右腕から手にかけて
黒く光沢を持った龍の鱗が覆い
爪が鋭く伸びている
更に右目が蛇の目のようになり
紅く染まっている

辺りを殺意が埋め尽くす
そこにあるだけで死を覚悟させる

「ァァァァァ!!」
辺りに暴風が吹き荒れる

辺りの木は薙ぎ倒され
落ち葉が舞う

右手を振りかぶり手を横に振る

「くっ!何なんだよこれ!」
原が強風に耐えながら打開策を考える
が、目を開けて見ると
秋の姿はそこにはなく
既にどこかへ消え去ってしまった

「サイトー…どこへ行っちまったんだ」

空には雨雲が立ち込め雨が降りそうになっている
まるでこれからを暗示するかのように

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